二次回は、二次怪?

今年の初めに突如開催された同窓会から 毎月欠かさず 仲良し四人組で飲み会をしてる。元々は、あたしを抜きの三人組だったところに あたしが何十年ぶりかに加わったようだ。夕べは、焼き鳥屋でたらふく食べてから、二次回は、「○ヤママ」の店に行こうという事になった。


「○ヤママってぇ〜?」
あたしの質問に誰も答えないまま、酔っ払いだらけの夜更けの繁華街をずんずんと目的地へと向かっている。最後尾をやっとの思いで着いて行くとそこは、地元でありながら恐らく この年になるまで足を踏み入れた事のない未知なる地だった。

左斜め上を見上げるとみなとみらい21の巨大観覧車のライトアップが目にまぶしい。向きなおすと 蛍光灯のほの暗い明かりが、大岡川のカーブに沿ってひっそりと建つ二階建ての長屋全体の影を一層濃く映す。一瞬タイムスリップしたような錯覚に陥るこんなノスタルジックな場所が まだ横浜には在ったのだ。



店のドアをくぐると妙な違和感に包まれた。「あらぁああ〜ひさしぶりねぇ!熟女が四人もぉ〜〜〜!」カウンター越しに鎮座している非の打ち所のない色男の口元がほころび 野太い声が轟いた。真っ黒な川面が ゾワゾワっとさざなみを立てた。あたしは、いつでも逃げ出せる様、入り口に近い椅子に腰掛けた。



長いので続く



と言いたいが いっきに書いてしまおう。つまり そこは、おかまばーだった。店主は、すっきり清潔感があり どこか往年の大スター上原謙の面影を持つ・・・いやもっとバター臭い。役所広司・・・、キアヌ・リーブスにも似ている。女なら誰しも惚れてしまいそうな細身で長身の元イケメン。まさに天は二物与えた好例。(なのか?)


どうやら 本人にしてみたら社会的認知のされていない時代に青春時代を過ごし少しは 辛い思いをしてきたらしいが、過去なんかふっと飛ばし今を生きてる。尊敬に値する人格者だった。ヤバいくらいなこのギャップは、野太い声とひっくり返るようなキンキン声を使い分け話すその姿で すっかり消失し気がつくと のめりこんでしまっていた。


まず話が上手い。酒屋への注文の電話までも ネタにする。ボケと突っ込み 一人二役 こうなったら何が転がっても可笑しい。夕べは、女4人の怪鳥のような笑い声が、夜更けの野毛界隈を震撼させたであろう。(ウッケッケッケケ)


余り話すとネタバレになるので 今日は ココまで。もし横浜に来る事があったら 是非 タクシーで「都橋」に連れて行ってもらって欲しい。階段を上って一番最初のドアを開けると ○ヤママが待っている。隣の同じ名前の店は 女人禁制。間違っても女性は、ドアを開けないこと。この別世界、結論から言うと嵌まる。。癖になる。次回の訪問で完璧に中毒になるだろう。この世界にどっぷり浸かる女子の気持ちが理解できた素晴らしい夜だった。