勝間和代著「読書進化論」


勝間和代著「読書進化論」


メディアに登場する時は、
いつも就活スーツを身にまとい、
庶民目線をアピールしている勝間和代氏。


いつか著作を読んでみようと
思ってたところに、
書店で見かけたのがこの本でした。


こういう「読書法」系の本は、
スラスラ読めて、それでいて
シッカリ頭に入る技術が学べそうで、
ついつい手にとってしまうのですが、
たいていガッカリするものです。


この本の場合、
読んでみると、読書法と言うより
勝間氏の読書に対する考え方が
中心なのですが、

「こういう本はフォトリーディングします」
「だいたい原書で読んでしまいます」


など、一般人にはマネのできない
ノウハウ満載で、早くも遠回しに
門前払いされた気分になります。


更には、mixiの勝間氏のコミュへの
書き込み、

「とても尊敬しています」
「生きるのが楽しくなりました」


のような引用が延々と続く
大変に気持ちの悪い箇所があり、
挙げ句の果てには
勝間氏を信仰する人々を指す、
「カツマー」と言う言葉が
通名詞のように使われているので、
だんだん読むのを止めたくなって来ました…。


しかし、後半の「書く」「売る」に
関する章までガマンして読み進めると、
格段に興味深い内容に変わり、
最初はブログに
書くだけだった勝間氏が、
いかにして出版社に発掘され、
売れる本を書き、
書いた本を売ったかと言う、
ノウハウが紹介されてます。


まさに、
「読まないと品質がわからない」と言う、
本の最大の難点に対する攻略法です。


タイトルこそ、
読書進化論を掲げてますが、
その内容は読書やネットを通じた、
インプットとアウトプットの方法を
総花的に論じているので、
内容とそぐわないと思いました。


こういうタイトルの付け方も、
「読まないと品質がわからない」
本を消費者に手に取らせる為の、
マーケティング戦法なのかもしれません。


タイトルにこそ
惑わされてしまいますが、
本を読みたい人だけでなく、
書きたい人と売りたい人も、
参考になりそうな一冊です。




★★★★☆(星4つ)