2023 NFL ドラフト 結果編
NFL ドラフトが3日間行われました。
やっぱり予想と比べて、現実に起きた事象はカオスでした。開幕前に「史上最も予想できないドラフト」の名に恥じないカオス。
アメリカンフットボール・マガジン『NFLドラフト候補名鑑2023』 (B.B.MOOK1611)
今年もドラフト本は出ましたが、ここまで予想はしていなかったでありましょう。私が一番注目しているニューヨーク・ジャイアンンツもモックドラフトで担当したニューイングランド・ペイトリオッツもカオスに巻き込まれましたし、とにかく各チームの動き方が面白かったというのが印象でした。
その中で、結果的に成功と言えるチームはどこなのか?というと、個人的な意見としてはインディアナポリス・コルツ、ピッツバーグ・スティーラーズ、デトロイト・ライオンズあたりが入るかなと思います。勿論今年のニューヨーク・ジャイアンンツは良い点数ですよ。
"The First Step" | With The Next Pick Part 2 | 2023 Colts Draft Series - YouTube
特にコルツはこの映像が面白い。すべての指名を網羅しているうえにとてもドラマティックで、この映像だけでドラフトを見る面白さが集約されているとも言えるくらい。本当に面白い。(参考までにNFL.com、CBS、ESPNの評価)
Round1 | Pick4 | Anthony Richardson | QB | Florida | 6.40 | 9 | 10 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Round2 | Pick44 | Julius Brents | CB | Kansas State | 6.28 | 67 | 49 |
Round3 | Pick79 | Josh Downs | WR | North Carolina | 6.44 | 46 | 65 |
Round4 | Pick106 | Blake Freeland | OT | BYU | 6.14 | 70 | 92 |
Round4 | Pick110 | Adetomiwa Adebawore | DT | Northwestern | 6.12 | 41 | 41 |
Round5 | Pick138 | Darius Rush | CB | South Carolina | 6.12 | 96 | 169 |
Round5 | Pick158 | Daniel Scott | SAF | California | 5.87 | 71 | 100 |
Round5 | Pick162 | Will Mallory | TE | Miami | 5.80 | 152 | 156 |
Round5 | Pick176 | Evan Hull | RB | Northwestern | 5.80 | 188 | 279 |
Round6 | Pick211 | Titus Leo | EDGE | Wagner | 5.69 | - | - |
Round7 | Pick221 | Jaylon Jones | CB | Texas A&M | 5.98 | 115 | 133 |
Round7 | Pick236 | Jake Witt | OT | Northern Michigan University | 5.80 | - | 240 |
当然のことながら一番の注目は、1巡4位、トレードアップの噂やらいろいろあった3位、4位のポジションでアリゾナ・カージナルスがヒューストン・テキサンズとトレードしたことで、コルツ側はトレードアップすることなく4位の位置で指名できたQBのRichardsonです。Andrew Luck以来、色々なQBを連れてきては失敗していましたが、身体的な素材としてはいちばんの選手を指名しました。はっきり言ってコルツの今年のドラフトは彼次第で結果が決まるわけですが、ドラフトとしての評価は彼以外の指名が的確なので評価したいのです。
ニーズは、QBを除けばCB、OLです。そして新QBをサポートするWR、TEが入ればなおさら良い。順番としてはこんな感じです。そして入った面子は、彼らの好きそうなタイプの選手が入ったこと。これは良かったといえます。CBはXavier Rhodes、Stephone Gilmoreとベテランを入れていたポジションをドラフトで数名指名して競争させて向上させたいという意図が見えます。長身CBが多いのは、Gus BradleyがDCの2年目(HCは代わったけど彼は残った)であることがなんとなく思い出されます。Richard Shermanとか思い出してしまいます。一応彼もアトランタ・ファルコンズで優勝直前まで行ったHCなんですけどねぇ。あの試合は3-28ってのが・・・
OLの指名はOTが2名入りました、OGも指名したほうがと思いましたが、Emil Ekiyor Jr.とUDFAで契約できています。
そしてコルツのドラフト注目はWRのDowns。この位置まで残っていたんだというような感じのスロットレシーバー。興味深いのは、彼らが先例として持ち出す、Andrew LuckとT.Y.Hiltonで上手くいった関係の歴史です。(Coby Fleener級のTEは取れなかったけど)Joe Burrowとか最近の上手くいった若手QBを見ていると、早いうちに良好な関係を築けるレシーバーを作ることが成功の鍵なんだなと改めて失敗していったチームのQBの名前を思い出すと感じます。
以上のように、2日目3日目の充実ぶりを考えると、一番とは言えないまでも高評価を出したいチームの1つと言いたい。まぁもちろん全ては結果次第ですが。私がモックドラフト担当した2019年のコルツ。
Rock Ya-Sin(2巡34位) → 3年でトレード
Ben Banogu(2巡49位) → 4年で契約切れ
Parris Campbell(2巡59位) → 4年で契約切れ NYGと1年契約
Bobby Okereke(3巡89位) → 4年で契約切れ NYGと4年契約
当たらん。この年のドラフトした選手で、今もコルツに残っている選手は、E. J. Speed(5巡164位)だけです。当時の映像を見ると、GMのChris Bullardは、BanoguとOkerekeを両方とも取れて喜んでいたんですけどね。コルツも大方指名を予想しやすいチームなんで見ていますが、まぁこれだ。
2023 NE ドラフト 実際編
NFL ドラフトが3日間行われました。
やっぱり予想と比べて、現実に起きた事象はカオスでした。開幕前に「史上最も予想できないドラフト」の名に恥じないカオス。そんなカオスに一役買ったのが、ニューイングランド・ペイトリオッツ(以下NE)です。モックドラフト、未練・或爺杯でNE担当した私からしても頭を抱えたくなる謎と想像を超えたピックがあったNEを見ていきましょう。
1日目、ドラフト1巡。14位指名権を持っていたNEは、17位と4巡120位をピッツバーグ・スティーラーズと交換しました。あまりに安いトレード対価、どういうことなのかといえば、これはHCのBill Belichickが因縁のあるニューヨーク・ジェッツが嫌いだから狙っている選手をドラフト指名できなくさせる意図をもって行ったということです。(本人は言わないけれど、ワシントンポストの記事とか、過去を知っていたらまぁわかる)おかげで、OTのBroderick Jones はスティーラーズへ。ジェッツは狙っていたLTは指名出来ず、グリーンベイ・パッカーズとはニーズが違って安心して静観し、ワシントン・コマンダーズは違うCB Emmanuel Forbesを彼らの理由で選びました。
ということで、17位でCB、Christian Gonzalez が来てしまいました。ドラフト前はTop10は当たり前だと思っていたので、14位で指名されるなんて思っていませんでした。1%の確率だとか書かれていましたが、モックドラフトといい、14位指名で考えるシナリオでも、まず有り得ないと思っていた選手が来てしまいました。この1日目だけなら100点満点というか、150点くらい与えたいドラフトです。まぁ本当の正解は選手が出す結果なのですが。
2日目、2巡目はDEのKeion Whiteが来ました。同地区のQB Josh Allen、そしてAaron Rodgersがいることを考えたらDLから相手をたたくことを考えて補強するという方策になりました。そしてNEの好きそうなタイプの選手です。まぁわからんでもない。シニアボウルの出来から選ぶのも毎度のこと。むしろ直前にデトロイト・ライオンズがトレードアップで飛び込んでBrian Branchを指名したので、もし彼が残っていたら指名したかなぁという気分です。
3巡目、予想通りというか、Marte Mapuが来ました。指名時のアナウンスではLB。まぁ来ると思っていたので来ましたね。ただ3巡目の予想外だったのは、Tyler Steenが早々に指名され、おそらく狙っていたであろうTank Dellも指名された状態でした。まぁ残っていたのが彼くらいだったんですね。この指名で思ったことは、さてOTどうするの?という不安と期待でした。それでも3巡までの評価は、90点くらいは出せます。
3日目、4巡107位 Jake Andrews。何故Cなんだ。4巡112位 Chad Ryland。トレードアップしてKなのか。PならわかるがKが先なのか。4巡117位 Sidy Sow デカいOG。5巡144位 Atonio Mafi またもデカいOG。このOTではなくIOLが3名指名は頭を抱えたくなりました。ただ他にOTで指名に値する選手がいなかったからという理由に帰結しますが、だからといってダブつくような指名はなんとも理解に苦しむ。5巡141位でミネソタ・バイキングスにJaquelin Roy取られたのは痛かった。
6巡187位 Kayshon Boutte。WRの補強はしたいところで、元々の才能ならDellよりも上の素材。コンバインの成績の悪さと怪我の履歴が順位を下げさせたとはいえ、この指名は運が良い。6巡192位 Bryce Baringer。Pは指名される可能性があったので驚かない。むしろ左利きのPを好んでいたに右利きを指名したことだけ驚いた。平均飛距離とか数値は良い。6巡210位 Demario Douglas。スピードあるWRが必要なのは当然、リターナーとしても使えるでしょう。6巡214位 Ameer Speed。デカくて速いCB、多分スペシャルチーマー。7巡245位 Isaiah Bolden。指名される候補にはあったスピードあるCB、キックリターナーとして結構期待。
以上、全てをみましたが、こんな指名されたら、正直頭を抱えます。予想と大きく違う。編成部長の言葉として「3巡までに良いOTが残らなかった、TEは取りたいときに良いのが残ってなかった」とありまして、まぁ本音でしょうね。14位でLTを取らなかった因果なのか、OTを取り損ねたのは印象が良くない。個人的にはLBは指名したほうがと思います。MapuがLBだというならSの指名が足らない。Jalen Millsがコンバートだということですけど、この辺はシーズン見ないと評価が難しい。TEがMike GesickiとHunter Henryがいるので、悪くないのですが1人指名は有り得たと思いましたがかなわず。それでもスペシャルチーム関連の補強はしっかりできているのは好印象です。
そういった意味で、3日間を総合すると71点くらいかなと思いますが、シーズン開幕してOLがどのような面子になるのか心配が先立ちます。繰り返しになりますが1日目のGonzalezだけなら勝者はNEです。ですから3日間を見ると謎が残る。
2023 NYG ドラフト 実際編
NFL ドラフトが3日間行われました。
やっぱり予想と比べて、現実に起きた事象はカオスでした。開幕前に「史上最も予想できないドラフト」の名に恥じないカオス。凄かったです。
32チームの欲が動くというのは一人の人間の予想を遥かに超えます。ドラフト直後に選出評価を出そうと思いましたがちょっと気力と体力がもたなかったのでかなわず、数日経ってしまいましたが見ていきましょう。
私が応援しているニューヨーク・ジャイアンツ(以下NYG)は以下のような選手の指名となりました。(数値はNFL.com、CBS、ESPNの評価)
Round 1 | Pick 24 | CB | Deonte Banks | Maryland | 6.37 | 32 | 25 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Round 2 | Pick 57 | OL | John Michael Schmitz | Minnesota | 6.41 | 53 | 42 |
Round 3 | Pick 73 | WR | Jalin Hyatt | Tennessee | 6.50 | 65 | 36 |
Round 5 | Pick 172 | RB | Eric Gray | Oklahoma | 6.22 | 168 | 128 |
Round 6 | Pick 209 | CB | Tre Hawkins III | Old Dominion | 5.60 | - | - |
Round 7 | Pick 243 | DL | Jordon Riley | Oregon | 5.63 | - | - |
Round 7 | Pick 254 | DB | Gervarrius Owens | Houston | 5.96 | 207 | 220 |
1巡指名は、コーナーバック、Banksでした。指名の本線は、WRのZay Flowersでしたが、直前の指名で取られ、本来持っていた25位指名権から24位にトレードアップ(5巡160位+7巡240位)してからの指名でした。WRが4連続で指名されて、狙っていた選手は取られる上に、24位に他所のチームが入り込んで欲しい選手がいなくなっては困るという後顧の憂いを断つトレードでした。
1日目だけの結果を見ると、悪くはない、80点ほどの評価でした。WRがいなくなる予想のモックはありましたから不満はありません。ちゃんとCBに転換できた点を評価したいです。
(この1巡25位に関してはTEに不安のあるダラス・カウボーイズの目前でジャクソンヴィル・ジャガーズがDalton Kincaid指名したのは感心しました)
2巡指名は、チームのポジションニーズでは一番の懸案事項、センターでした。他所のチームが誰を指名するのかハラハラする待ち時間でした。そして一番欲しかった選手を指名できたという素晴らしい指名でした。
3巡指名は、HC Brian Dabollの攻撃スキームから考えたら喉から手が出るほど欲しいスピードのあるWRでした。3巡89位から4巡128位を出してトレードしましたが、この次の指名権のクリーブラド・ブラウンズが指名するだろうという予想を考えたら、ここしかなかったトレードという感じです。
2日目までの3名の指名をみたら、もう完璧という他ない指名になりました。人によってはこの3名がNYGの1巡という予想もあり得た選手たちがそれぞれ加入ということです。
3日目以降の指名は、チームの底力を上げていく補強になりました。
RBは、Saquon Barkleyがいるうえでラン攻撃を充実させる、デプスを厚くする、3rdダウンで確実にヤードを進める、そんなタイプが欲しかったところにこの指名は悪くない。
6巡7巡の指名は、チームの趣向だと思いますがサイズの大きな選手が来ました。この辺りはこんなものだろうという印象です。懸念されたのはEDGEの指名がなかったことです。指名権をトレードで使ってしまった弊害ではありますが、Elerson Smithがケガから復帰して活躍してくれればというところになります。
というわけで、NYGの今年のドラフトはどうだったかといえば、指名だけでいえば85点は出したい。確かにEDGEが欲しかったというのはあります。個人的にはLBが欲しかったという気もします。ただ、それ以外はだいたい満足です。特に3巡までの3名なら100点つけたいそんな指名なのです。あとは選手たちの出す結果次第です。特に同地区でいえばフィラデルフィア・イーグルスが強力な選手を指名したので、オフェンスラインが頑張って今年は勝つことを願いま。3回も負けましたからね、去年。
2023 NYG ドラフト願望編
2023年のNFLドラフト 1日目が迫ってまいりました。
1日目は、1巡のみ。2日目が2巡と3巡。3日目が4巡から7巡までの長丁場です。
3日全てはDAZNで。1日目は日テレG+で日本語中継もあります。
NFLドラフト2023スペシャル! | NFL | 日テレジータス
3年連続でこのような詳細なドラフト本が出たことも、とても喜ばしい。
アメリカンフットボール・マガジン『NFLドラフト候補名鑑2023』 (B.B.MOOK1611)
1日目に、私が応援しているニューヨーク・ジャイアンンツ(以下NYG)は、誰を指名するのか?という予想は本当に難しいのですが、私個人が勝手に誰を指名してほしいのか?という点に還元すると話は単純になってきます。
ここ数年では、2年前のドラフトが一番期待を裏切りました。
この年、私が一番指名してほしかった選手は、Penn StateのMicah Personsでした。久々に現れたILBのスターになれる素材。個人的にはLuke Kuechly(2012年)以来ですから、約10年ぶりの本物の素材でした。ですが、この年のNYGの首脳陣はWRを所望し、1巡11位でAlabamaのDeVonta Smithを狙っていました。が、10位のダラス・カウボーイズが同地区のフィラデルフィア・イーグルスとトレードし、イーグルスにSmithが。11位で狙う選手が攫われたNYGは、PersonsがBPAでは最高の素材だったのに、シカゴ・ベアーズとトレード。Personsは12位でカウボーイズに。そしてNYGが指名した1巡指名したWR Kadarius Toneyは使い物にならず既にチームにはいません。Personsは、最優秀守備新人選手になりました。実力からして当然ですね。
Ereck Flowers(2015年)がここ10年間で最も失敗したNYGの1巡という記事が出ていましたが、心象の点でいえば2019年のToneyのほうが大きい。Justin Pugh(2013年)もハズレでした。この時ドラフトアナリストのMike Mayockは非常に良い指名と話していましたが、結果は散々。RTとしてはダメでした。(今もOGとしてどこかにいる)彼の次の順位の指名がKyle Longだったのも猶更腹が立つ。
そして、極めつけが2019年です。Deandre Bakerを何故トレードアップして指名したんだという恨み節がまだあります。素行が悪い選手をわざわざトレードアップして1年で解雇する愚かさです。この年、1巡6位でDaniel Jonesを指名したことに疑義が呈されました。この時の首脳陣の言い分はワシントン・レッドスキンズ(当時)が1巡15位で取る可能性があったから。1巡17位の指名権(この年はクリーブラド・ブラウンズから選手のトレードで得ていました)では指名出来ないと思って6位の指名権を使いました。Jonesに関しては、Eli Manningの後継者として適任でしたし、この2019年のレッドスキンズが1巡指名したQB、Dwayne Haskinsが上手くいかなかったことを考えたら、失敗ではありませんでした。ただ大失敗がBakerでした。BPAを破ってこの失敗は悲しい。
さて、今年の1巡25位指名。BPA指名になるのなら、誰が来てほしいか?というと
まずは、Devon Witherspoonになります。IlllinoisのCBです。今回のドラフトでは2番評価。人によっては1番と評することもありますが、25位までに残るようなシナリオが存在するのか?という点で祈りたい存在です。
続いて、Bijan Robinsonです。TexasのRBです。今回のドラフトで1番評価。RBというポジションだから15番手以内という評価にされていますが、NYGのSaquon Barkley(2018年全体2位)以来の本物の超スター級。彼が25位まで残っていたら指名してほしい。26位は同地区のカウボーイズ。ここは昨年までのエース、Ezekiel Elliottが退団したので、26位までRobinsonが残れば指名するでしょう。普通に考えたら。
これが惚れ惚れするBPAのベストシナリオ。
モックドラフトや、ドラフト前調査の情報を自然と信じるなら指名になりそうなのは、Jordan AddisonかZay Flowers。両名ともWR。特段驚くことはありません。
可能性がなきにしもあらずなのは、John Michael Schmitzです。現在チームで一番穴のポジション、センターの1番評価の選手です。2巡まで残らないだろうと思うなら、1巡指名するしかない。特殊なポジションゆえに指名してしまうということです。プレーオフでも、レギュラーシーズンでも、同地区のイーグルスの守備陣にやられたオフェンスラインの立て直しを優先するならこのプランも考えられなくない。
そして、WeatherspoonやChrisitian GonzalezではないCB。所謂2nd Tierの部類にいる人たちから選ぶ。これも考えられなくない。TEは個人的には1巡指名ではないと思っていますが、Michael MayerやDalton Kincaidは2巡でなら欲しい素材。1巡ではやはりニーズに合わない。
総合して、一番、来てほしいのはBPAで、Bijan Robinsonです。夢と希望があるドラフト1巡指名なら、彼しかいません。ニーズやチームのスキームよりも、素材から夢を見る指名。ただし、現実のドラフトは他のチームとの神経の磨り減る戦いです。
とにかく、失敗だけは引かないでくれ。失敗を引くと補填に数年はかかるのがドラフトの怖いところなので。
2023 NYG ドラフト予想編
2023年のNFLドラフトは、日本時間4月28日に行われます。
NFLドラフトは日本時間28日の金曜日に行われます。
日本でも生放送があります。(DAZNでも配信があります)
NFLドラフト2023スペシャル! | NFL | 日テレジータス
このような本も3年連続で発売することもあり、とても喜ばしい。
私が応援しているニューヨーク・ジャイアンンツ(以下NYG)は、誰を指名するのか?というのが非常に楽しみであります。
まず、基本情報としては、NYGのドラフト戦略は基本的にBPA、Best Player Available、その順位で残っている一番ベストな選手を指名、という方針なのでトレードの面白さが出せないのでモックドラフトでは別のチームをやっているだけ。
それでも、Joe Schoenが新GMとなった2022年は、Kayvon Thibodeaux、Evan Nealと1巡で大成功ドラフトピックをしました。(ただし5位と7位という高順位では手腕がわかりづらい)
2年目の今回、25位という下位順位で誰を指名するのか、という手腕の見せ所になります。
ただBPAの場合、重要な部分がもう一つ、他所が指名すると思っていた選手が漏れてくるという可能性があります。モックドラフトの予想で難しいのは、全チームを予想した上で自分のチームを予想するという、この作業が難しい。(あとリアルのドラフトはトレードが多い)
とりあえず、各社、有名識者の予想を整理。(最後の数値はNFL.comの評価、CBSのプロスペクトランキング、ESPNのプロスペクトランキング)
Mel Kiper Jr. | ESPN | DJ Turner | CB | Michigan | 6.41 | 73 | 40 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Daniel Jeremiah | NFL Media | Joe Tippman | IOL | Wisconsin | 6.35 | 55 | 35 |
Todd McShay | ESPN | Emmanuel Forbes | CB | Mississippi State | 6.36 | 40 | 29 |
Peter King | NBC Sports | Michael Mayer | TE | Notre Dame | 6.44 | 28 | 20 |
Charles Davis | NFL Media | Jordan Addison | WR | USC | 6.36 | 30 | 27 |
Dane Brugler | The Athletic | Jordan Addison | WR | USC | 6.36 | 30 | 27 |
Matt Miller | ESPN | Emmanuel Forbes | CB | Mississippi State | 6.36 | 40 | 29 |
Peter Schrager | NFL Network | Zay Flowers | WR | Boston College | 6.46 | 20 | 21 |
Bucky Brooks | NFL.com | Zay Flowers | WR | Boston College | 6.46 | 20 | 21 |
Chris Trapasso | CBS Sports | Zay Flowers | WR | Boston College | 6.46 | 20 | 21 |
CBSのRyan Wilsonは、ロサンゼルス・ラムズとトレードをするという予想になっていました。(2巡36位と3巡69位)
基本的に多いのはWRとCB。穴ですからね。そしてCとTEが1名。この両名の指名の場合、WRのAddisonもFlowersも25位には残らないというのが重要なポイントです。CBが予想の場合も、WRが売れてしまっているという前提が多いです。ESPNの大御所、メル・カイパーJr.は、NYGのテイクアウェイの少なさと、Turnerのスピード、ヴァーサタイルな部分を推して1巡に据えています。結構チャレンジングです。ESPNのミラーもWRよりもインターセプトの少なさでCB優先、そしてブリッツが多い守備のスタイルを踏まえてForbesになっています。
とりあえず、今ドラフトで大事なことの1つは、CBの上位2名は、ここに上がっているCBではなく、Christian GonzalezとDevon Witherspoonです。この2名が落ちてくるというのは結構考えにくく、残ってそうなのはWRのAddisonとFlowersというのがとても現実的な予想。昨年からHCに就いたBrian Dabollの攻撃スキームを考慮すると、今の面子からさらに加えたいのはスピードのあるWR。だからこそBPAは、欲しい素材がちゃんと残ってくれるのか、神経の磨り減る戦いがあります。
ドラフトってのは、当日に失敗がわからないので、正解不正解というのはありませんが、今回の状況はよほどのことがない限り1日目で低評価をつけることはないと思います。だからこそ、チームに加入してからしっかりと活躍してほしい、ここ数年のDeandre Bakerとか、Kadarius Toneyとか、どうしようもない失敗がないように願うばかりです。
2023 NYG ドラフト準備編
NFLドラフトは日本時間28日の金曜日に行われます。
日本でも生放送があります。(DAZNでも配信があります)
NFLドラフト2023スペシャル! | NFL | 日テレジータス
ドラフトは何故面白いのかというと、全32チームファンがそれぞれ夢を見るから、スーパーボウルは選ばれた2チームしか参加できませんからね。
アーロン・ロジャーズのトレードがついに決まりました。ドラフト本番でこれがどういう影響を及ぼすのか本当に楽しみなってきました。
モックドラフトではニューイングランド・ペイトリオッツを担当しましたが、応援しているのはニューヨーク・ジャイアンンツ(以下NYG)なので、今回からドラフトに向けてNYGを見ていきましょう。
まずはドラフトニーズを考えていきましょう。チームがどのポジションの選手を必要としているのかを考えるためには現有戦力の確認を、デプスチャートから考えていきましょう
QB | Daniel Jones | Tyrod Taylor | |
---|---|---|---|
RB | Saquon Barkley | Matt Breida | Gary Brightwell |
WR | Isaiah Hodgins | David Sills | |
WR | Parris Campbell | Sterling Shepard | Wan'Dale Robinson |
WR | Darius Slayton | Jamison Crowder | |
TE | Darren Waller | Daniel Bellinger | Chris Myarick |
LT | Andrew Thomas | Matt Peart | |
LG | Shane Lemieux | Joshua Ezeudu | Wyatt Davis |
C | Ben Bredeson | J.C. Hassenauer | |
RG | Mark Glowinski | Jack Anderson | |
RT | Evan Neal | Tyre Phillips |
支配下選手はまだまだいますが、最終ロスターを見越して書いていってます。
LDE | Jihad Ward | A'Shawn Robinson | Vernon Butler |
---|---|---|---|
NT | Dexter Lawrence | Rakeem Nunez-Roches | D.J. Davidson |
RDE | Leonard Williams | Ryder Anderson | |
WLB | Kayvon Thibodeaux | Tomon Fox | |
MLB | Bobby Okereke | Carter Coughlin | |
ILB | Jarrad Davis | Micah McFadden | Cam Brown |
SLB | Azeez Ojulari | Elerson Smith | |
LCB | Adoree' Jackson | Darnay Holmes | Nick McCloud |
FS | Xavier McKinney | Jason Pinnock | |
SS | Bobby McCain | Dane Belton | |
RCB | Cor'Dale Flott | Amani Oruwariye | Aaron Robinson |
ある程度の予想の面子をそろえてみるとわかることがあります。
まず、明らかな穴になっているポジションは、センターです。Bredesonは本職はGですし、昨年のスターター、Jon Felicianoは放出しました。OLは2年連続1巡指名したThomas、Nealの補強もあり、あとは内側。特に同地区にディフェンスが優秀なチームが多いため、QBのJonesを守るためにもドラフト上位指名が必至です。
続いて、名前的にインパクトが弱いのはコーナーバック。James Bradberryは高額契約に見合わずに昨季開幕前に放出。2019年に1巡へトレードアップして取ってしまったのかDeandre Bakerという負の遺産がこのポジションにのしかかっています。
Jonesの負担を軽減させるという意味で、ドラフト1位予想に出てくるポジションはワイドレシーバーも出てきます。個人的には1巡で優秀なCBが取れるなら取りたい。Cのドラフト候補は1巡というよりは2巡相当と言われているため、Cを2巡で指名。1巡でCBというのがベストなシナリオになります。
NYGは基本的には、トレードアップもトレードダウンもせずBPAで選手を指名するので、他のポジションの指名も考えられますが、1日目、誰を指名するのか。とにかく弱いポジションはどこかはわかっていると思うので、適切な指名をしてくれることを望みます。
2023年 NE ドラフト候補考察編
2023年のNFLドラフトは、日本時間4月28日に行われます。
今年もアメリカンフットボールマガジンから、ドラフト特集の雑誌が刊行される偉業です。モックドラフト、「未練・或爺杯」でニューイングランド・ペイトリオッツ(以下NE)を担当したので、実際のドラフトで考えられることを見ていきましょう。
保有している指名権は、1巡14位、2巡46位、3巡76位、4巡107位、4巡117位、4巡135位、6巡184位、6巡187位、6巡192位、6巡210位、7巡245位と中位以下は多いですが、やっぱり3巡までの少なさが気になります。現状のNEの問題は各ポジションに優秀な選手をそろえたいというのが本音のため、3巡までの指名権を増やしたいと思っています。(トレードしなかったら各チーム、3巡までに3つしか指名権はないのに不思議なことを書いている気分)
それを踏まえて、ドラフト1巡目の1日目の考察はプランが数本考えられます。
1. CB(特にChristian Gonzalez)もしくはLT(Broderick Jones)を14位で指名。最悪トレードアップしてでも取る。
2. 14位で違う選手をBPA(Best Player Available)指名する。候補としては、Lukas Van Ness、Myles Murphy。
3. 14位からトレードダウン。1巡下位から2巡の指名権を増やす。
今ドラフトは1巡級が不作ですが、2巡3巡の2日目に指名する素材は多くいるので、チームを着々と強化するのではと思っています。
そんな指名が考えられる選手を紹介。まずはオフェンスライン。とにかく欲しいのは、Broderick Jonesですが取れなかった場合を考えるのも重要。
Tyler Steen | OT | Alabama | 6-6 | 321 |
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シニアボウルの評価が高く、シニアボウルの結果から指名に走るタイプなのがNEなので、結構Steenの可能性は見ています。
Marte Mapu | S | Sacramento St. | 6-3 | 216 |
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無名校からの指名が結構好きなNEの傾向。LB並みのサイズのS。TEを抑える役割としては欲しいとも思えます。3巡で取れるかどうかの素材。
Dalton Kincaid | TE | Utah | 6-4 | 246 |
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Jonu Smithを放出し、Mike Gesickiは取ったけれどデプスが薄いタイトエンド。実は欲しいと思っているかもしれない素材。1巡下位から2巡とみられているので結構ギリギリ。
Jaquelin Roy | DT | LSU | 6-3 | 305 |
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Christian Barmoreが期待ハズレになりつつあるうえ、他の選手の高齢化も厳しいのでDLは一人3巡までに備えたいというのが本当。
Ivan Pace Jr. | LB | Cincinnati | 5-11 | 231 |
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身長の問題はあれど、ハイモーターなLBは欲しいのも本音。3巡から4巡あたりで指名が来そうな評価。この辺りチームによって評価が変わる。引退したDont'a Hightower級のLBが今ドラフトにいないのも現実だが、だからと言ってLBの補強がないのは心許ない。
以上の5名に加えて、Jordan AddisonかZayb FlowersのいずれかのWRを指名出来たら、強化としては美味しいプランCかもと思います。
あとは、CBについて。私の1番の希望は戦術のGonzalezですが、彼は早々に売れる可能性が高いので、取れそうな選手を考えた場合、Emmanuel Forbes、Julius Brentsというのは可能性があります。指名するなら後者は体躯の良さがあるので、小型のCBしかいない中でほしい素材ではあります。昨年は取りそうなウワサがあったMarcus Jonesが3巡でリーチかと思っていましたが活躍しましたので、今年もBrentsの3巡はアリかもと思いたい。(大型CBなので残るか否かが難しい)NEはCBを下位やUDFAで上手に拾ってくる伝統があるので、そちらにも期待。
Sは、Devin McCourty引退に伴い、Brian Branchというモックドラフト予想もあったりはしますが、NE側にそんな雰囲気が少ない。一応FSには、Jalen Millsがコンバートという話も出ていて、高順位で使う感じではないのかもと思います。Mapuは個人的に見たい。
兎にも角にも、実際のドラフトでどんな展開が起こり、誰が指名されるのか、楽しみです。NEは昨年Cole Strangeという大変残念な指名をしてしまいましたので、今年は挽回してもらいたいものです。