ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

NHK「クローズアップ現代」〜ブンガクに異変アリ!?

今夜NHKテレビで放送された「クローズアップ現代」で、「ブンガクに異変アリ!?」という話題をやっていた。若手作家が続々デビューして同世代にウケてます、ってな内容。25歳以下の作家を文学系/エンタテインメント系の区別なくあれこれ紹介しつつ、高橋源一郎に現況を解説させていた。インタヴューで登場した作家は、『野ブタ。をプロデュース』の白岩玄と、これからデビューする河崎愛美という女の子。
番組では、若手の特徴は、1.メール的口語文体 2.マンガ的表現 3.歌詞的繰り返し――と解説し、彼らのテーマは「生きにくさとサバイバル」だとまとめていた。可もなく不可もなく……。
ただ、ナレーション中心の番組作りのなかで、『野ブタ。をプロデュース』、佐藤友哉クリスマス・テロル』、綿矢りさ蹴りたい背中』、西尾維新ネコソギラジカルISBN:4061823930日日日ちーちゃんは悠久の向こうISBN:4797495588読されたのは、ちょっと面白かった。解説のナレーションはいかにもNHK的で、話し言葉よりむしろ書き言葉に近い、あの調子なわけだ。それに対し、声優だかアナウンサーだが知らんが、若手作家のくだけた文体を朗読する声の、どこかためらったぎこちなさがむずがゆかった。話し言葉になるべきなのにいまだに書き言葉っぽいナレーションと、従来の書き言葉から脱線した文体との対比。解説の理屈よりも、耳の居心地悪さのほうが言葉感覚のズレを伝えていた。
それにしても、TV的にそつなく話した源一郎に比べ、司会の熟女アナがていねいな言葉使いを維持つつも、こんなものが文学なんですかねぇ? という態度をわりと露骨にみせていたのがおかしかった。言葉へのこだわりぐあい(というか、こわばりぐあい)が、作家以上に“文学者”を気取ってる感じで(笑)。
野ブタ。をプロデュース

  • 今夜の献立
    • 親子丼(ごはんは白米1:玄米1)
    • もやしとニラの味噌汁
    • 小松菜と大根のサラダ(コーン、かつぶしをトッピングし、だいだいポン酢)
    • はっさく