生TSデータの不思議・たぶん完結編

取り貯めた録画データのエンコード作業のついでに、昨日の「フルセグで録画したはずなのにワンセグのデータが再生される問題」についての調査を行った。
調べてすぐに分かったことだが、生のTSデータにはフルセグのストリームとワンセグのストリーム両方が含まれているらしい。RecTestで録画したデータが、何かの拍子にワンセグのデータが優先となって記録されたようだ。再生環境にはVLCメディアプレイヤーを使っているが、ここでストリームの切り替えはできず、最初再生したときは焦ったが、データ自体はフルセグの生データとして自然なサイズ(1時間で6GB前後)だったので、「もしかしたらフルゼグのデータ自体はあるのではないか」と希望を捨てずにデータを削除しないでよかった。

あまり意味は無いがワンセグとフルセグの比較。「フルセグで録画したはずがワンセグ画質だったでござる」の瞬間の動揺っぷりがこれで少しはお分かりいただければ幸いである。
さて、生TSデータはHDTVtoMPEG2でCMカット作業後、TSデータのまま出力することで自動的にフルセグのデータとなったため、とりあえず当初の目的は果たされる。
tsファイルのCMカット編集とmpeg2変換が一気に、簡単に出来ちゃうフリーソフトHDTVtoMPEG2 - ぼくんちのTV 別館
しかしそれで終わったのでは面白くない。そこで、今回は生のTSデータからあえてワンセグのデータを抜き取り、便利に使う方法を模索してみたいと思う。
生TSデータにフルセグとワンセグ両方のストリームが含まれることを再確認したのはTSSplitterなるソフトの発見からであった。
日々是炎上 TsSplitter活用。TS形式ファイルのCMカットについて
これによってワンセグとフルセグに分離する。コマンドラインから操作するTsSplitter.exeとGUIから操作するTsSplitterGUI.exeの2つが含まれているが、今回は後者を選択。操作画面左列の「ワンセグ映像を残す」にチェックを入れるとワンセグのTSデータが出力される。
容量は1時間分で百数十MB。ここで思いつくのは、「これくらいの容量ならWindowsMobile端末に入れたTCPMPで再生できるんじゃね?」ということであるが、結果から言うとダメだった。「暗号化されたMPEG2ストリームは再生できません」というメッセージが出る。TCPMPで再生するためにはなにか別のフォーマットにエンコーディングせねばならない。そこでTSConverterの出番となる。
UOT-100/LOG-J200 用予約録画ソフト -24時間ワンセグ野郎派生ツール
先ほど分離したTSデータを操作画面にドラッグアンドドロップするだけでソースファイルと同じディレクトリにmp4ファイルが生成される。生のTSデータをドラッグアンドドロップした場合も、ワンセグの部分のみが処理されるので、TSConverterを使ってワンセグ画質のmp4データを生成したい場合はTSSplitterは不要となる。ファイルサイズはTSデータの80〜90%に圧縮される。肝心の「WindowsMobile端末で再生できるか?」であるが…

残念、うちのW-ZERO3ではブロックノイズ出まくりで使い物にならなかった(PCでは再生できているのでファイルが壊れているわけではない。)残念ながらIntel PXA270 416MHzではパワー不足だったらしい。
圧縮された動画を再生するに足るパワーを持つ携帯端末は無いものか…と、すぐに思いつくのはPSPである。mp4を再生できることでも有名であり心強い。早速先ほど生成したmp4ファイルを転送してみると

おお、再生できているではないか。ちなみにエンコード時間もなかなか高速で、Opteron265(1.8GHzデュアルコア)×2で1時間のデータを圧縮するのに約5分である。これなら夜に録画したデータを翌朝エンコードして移動中に楽しむ、ということも比較的ストレスなく行えるのではないか、といったところで調査を終了としたい。