酒がのみたきゃ、喧嘩をしろ、と

10月31日(水)放送分の第27回に、こんなエピソードがありました。
徒然亭草々(青木崇高)への恋心にモヤモヤするB子(貫地谷しほり)が、故郷の福井県小浜に帰省した回です、はい。

かあちゃん和久井映見)がB子を商店街に連れ出して、「さあこれからケンカするで」。実のところB子の実家は、塗り箸の売れ行きがかんばしくなく、家計は火の車。
そこで。これ見よがしの喧嘩をはじめれば、仲裁好きの商店街のおっちゃんが、「まぁまぁ、止めなはれ。これもって仲直りせぇ」と、晩のおかずに焼きサバをくれるから、というあの回です。

このエピソードにピンときた方は、さすがの上方落語通。
「どうらんの幸助」という噺をモトにしているのですよ。

オリジナルの主人公は、割り木屋(たきぎ小売)のおやっさん。ケンカの仲裁を生きがいにしているという、いっぷう変わった道楽の持ち主。
おまけに、仲裁したあかつきには、料理屋で仲直りの一席をもたせるのがシアワセこの上なしという金持なのです。

そのおやっさんが通るのを見越して、金のない二人が、できレースのケンカを仕組んで、タダ酒にありつこう……、というのが、前半部分。
後半は、浄瑠璃(じょうるり)をベースに、嫁イビリを仲裁しようと、おやっさんが京都まで、ひとっ飛びします。

推薦ディスクは、桂枝雀
全40集に及ぶ「枝雀落語大全」(東芝EMI)の第五集(税込2300円)に収録されています。
「でんぼがぁ、でんぼがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。と・れ・た」は、何度聴いても、タマりませんなぁ!( ← 聴いたことない方、すんません、ひとりで喜んで)。[rakuten:guruguru2:10171415:detail]


桂枝雀「どうらんの幸助」のオススメ度 (☆5つが満点。★は、0.5点)
ストーリー   ☆☆☆★
爆笑度     ☆☆☆☆☆
初心者度    ☆☆☆☆(後半は、☆☆☆)

(了)