お知らせ
・第十四回文学フリマで「骨の折れる電子書籍」を販売しました。
・TVブロスの『ジョージ・ポットマンの平成史』特集記事に寄稿しました。
・竹内道宏監督、笹口騒音ハーモニカ主演の『新しい戦争を始めよう』に出演しました。
・世界初の新技術「AR水嶋ヒロ」の開発に成功しました。
・特撮ドラマ『神話戦士ギガゼウス』に出演しました。DVD発売中。
2010-01-17
『成人式で配られたDVDがひどい件』をしらべてみた。
twitterを見ていたらid:rev84さんのTLで知った動画。作品の内容に感動のあまり放心しているうちにいっきにはてブでも人気エントリーになっていた。
最近、新成人になったらしいラクダ、ウサギ、ブタの三人が難しい選挙の意義や仕組みを歌でわかりやすく説明するショートアニメ。毎回、選挙に関するトピックを一つ取り上げて三人によるショートコント的な導入部分→歌→オチという内容を約三分で繰り返す。各話の題材は多数決、期日前投票、マニフェストなど、非常に難しいものが連続しますが、歌に乗せて平易に説明します。
歌詞を書き起こすとこんな感じ。
わたしの暮らしを助けてくれる
わたしの暮らしを守ってくれる
明るい政治(明るい政治) 頼れる政治(頼れる政治)
安心して食事ができるのも
みんな みんな 決めるのは
明るい政治(明るい政治) 頼れる政治(頼れる政治)
だから!
Oh....
明るい選挙
この歌は歌詞は違えどメロディは毎回同じ、それが三分毎に笑いどころがどこが全くわからない、いわゆるオフビートなコントを挟んでスピーディーに繰り返されるため、ある種独特のグルーヴを作っています。全編は20分ほどありますが、通して見るとまるでラモーンズのアルバムを聞いているかのような心地よさがあります。
いったいこの作品はいつどこで、誰がつくったのだろうか? そう思っていろいろと調べてみました。
制作者はうるまでるびさん
まず、この映像作品のタイトルは『うるまでるびのGO!GO!選挙』。映画でも「○○(人名)の××」といえば『アンディ・ラウのアルマゲドン』や『金城武のピックアップ・アーティスト』など名作が多いですが、これもその一つです。
うるまでるびさんは子供向けとは思えないシュールなギャグを連発していた『ウゴウゴルーガ』や、『みんなのうた』で放映されて特異な世界観が話題になり評論家の宮崎哲弥さんも絶賛した『おしりかじり虫』の作者の人。
しかし、「うるまでるびの」と銘打っている割には公式サイトを見てもぜんぜん情報が載っていません。かろうじて「成人式で配るよ」というニュースが載っているのみです。その記事ですら作品内容には一切触れていません。実はこのアニメはYOUTUBEに去年の五月に既に投稿されていたのですが、その時は何ら発表は行わなかったようです。何やら厳しい緘口令が敷かれていた模様。半年以上前に作って中途半端にYOUTUBEに投稿し、まったくアナウンスがないところを見ると、CGMからの口コミの広がりを狙ったweb2.0的なマーケティングだったのでしょうか? 最近は一国のリーダーである総理大臣がtwitterを始めたりと、日本の自治体も先進的になりました。
「明るい選挙推進協会」って?
アニメーションの制作を行ったのはうるまでるびさんですが、プロデュースをしたのは「明るい選挙推進協会」という団体のようです。検索すると公式サイトが出てきます。
明るい選挙推進協会は、?選挙違反のないきれいな選挙が行われること、?有権者がこぞって投票に参加すること、?有権者が普段から政治と選挙に関心を持ち、候補者の人物や政見、政党の政策などを見る目を養うことを目標に、全国約10万人のボランティアの方々とともに活動している団体です
なんとかなり古くからある団体のようで発足は昭和40年。選挙への関心を高めようと日々活動している団体のようです。選挙の大事さを訴えかけるポスターのデザインコンテストをやっていたりします。なんだかどれも似たり寄ったりで発しているメッセージも「投票行けよ」くらいのもんですが、オバマの「CHANGE」の例を見ればわかるようにシンプルなメッセージにこそ大衆は熱狂するもの。このポスターを見れば健全な大人なら姿勢を正して選挙に行くはず。
ほかに選挙啓発ゲームを作ってサイトからダウンロードできるようになっていたります。そう、ダウンロード。今やフラッシュが当たり前でウェブでゲームをやるならブラウザって感じですが、そんな軟派なことじゃいけません。ダウンロードを待つ時間のドキドキ、解答した瞬間のワクワク、協会は選挙の結果発表を待つ時間と同じあの熱気をゲームに込めようとしているのです。なので大人しくzipを解凍しましょう。WINNYでエロゲーをダウンロードしたら逮捕されちゃいますが、こっちなら安心です。
さらには「三ない運動」という活動もやっている模様。遅刻まで有名なイラストレーターの安斎肇さんは「遅れません・忘れません・言い訳しません」という非常に潔い「三せん運動」というものをやっていますが、協会の「三ない運動」とはいったいどのようなものなのでしょうか?
おお……なんかすごいタイムリーな気がしますが、気のせいですね。
さて、肝心の「GO!GO!選挙」情報ですが、うるまでるびさんの公式サイトと同じく、さっぱり情報がありゃしません。何てたってトップページに乗ってる最新情報は2007年10月のもの。情報の出し惜しみをして視聴者の飢餓感を煽っているのでしょうか。あらゆるものがwikipediaに書き込まれる情報飽食社会への痛烈なアンチテーゼに違いありません。
ところで「全国約10万人のボランティアの方々とともに活動」とありますが……YOUTUBEに投稿されていた選挙アニメは私が見たときは再生数が1000未満だったのですが……10万人のボランティアの方は見てくれなかったのでしょうか……?
知られざるゆるキャラ「めいすいくん」
協会はこんなゆるキャラも作っちゃっていました。「めいすいくん」というらしいですが、クリーンな選挙を浸透させるために、一糸まとわぬ姿で頑張っております。まさに捨て身の広報。草なぎメンバーリスペクト。こいつ、単なるカワイさを振りまくそこら辺の着ぐるみと違い、こんな勇ましいところも見せちゃってくれてます。
とにかく寄付にはNOと言いたい協会。一円でも受け取ったら問答無用で退場させられるようです。今世間を騒がせている某氏もこれを突きつけられたら跡形もなく消し飛ぶでしょう。寄付が欲しいなら政治家やめなきゃね!
ちなみにめいすいくんには家族がいるのですが、妹の名前は「メイちゃん」。家族内で名前が被っちゃってますがDQNネームよりはマシなのでしょう。
協会制作の他の映像作品
選挙に行かないキミたちのために、5人の映画監督がメガホンを取った。 It’s your CHOICE!
クリエイティビティ溢れる協会は数々の映像作品を世に送り出している腕利きのクリエイター集団のようです。探せばまだまだあるかもしれませんが、とりあえずサイトに情報が乗っているのはこの一品。選挙の大切さを説くオムニバス形式のドラマ作品。なんといっても各話を監督している面々がすごい。『萌の朱雀』の河瀬直美から始まり、『平成ガメラシリーズ』の金子修介、『ナイトヘッド』の飯田譲治に、『濱マイクシリーズ』の林海象、そしてこれからの活躍が期待される山田英治さん。こんなゴールドメンバー、テレ東深夜の30分ドラマでも揃えられませんよ。協会のブッキング力はすごすぎる。ひょっとしたら黒澤明や小津安二郎にもなにか撮らせているかもしれない。
ちなみにこの作品、なぜか三話までしか見れません。ああ、残念。見たかったな……山田英治さんの回……。
さてさて、本題の『うるまでるびのGO!GO!選挙』に戻りますが、この作品、あまりにも前衛的すぎる内容のせいか、「税金の無駄遣い」「内容が幼稚すぎる」などのジョージ・バーナード・ショーなみの辛口コメントが並んでいたりします。みなさん、ちょっと軽率すぎませんか。もう一度制作者の名前を見てみましょうよ。そう、作ったのはうるまでるびさん。あの『ウゴウゴルーガ』を作った人です。ウゴルーといえば子供向けの朝番組でシュールなショートアニメを連発し、世の擦れっ枯らしどもをメロメロにした伝説的なTVプログラム。一説には朝起きた子どもではなく、朝帰りの大学生に向けて作っていたんだとか。DVD発売時の特別番組で素敵にニートライフを満喫していたウゴウゴくんは再就職できたのでしょうか。
つまり、ウゴルーが子供向けに見せかけて大人に向けてギャグをやっていたのに対し、今作では新成人に配る大人向けと見せかけて子供向け、と見せかけた大人向けアニメというかなり捻くれた構造になっているのです。笑いの天才、松本人志が「バカはギャグの面白さがわからないと怒り出す」と言っていましたが、たぶんそれと一緒です。ハイブロウ過ぎてみんなついていけてないのです。
このようにして分析してみると協会はあまりにも策士ではありませんか。web2.0的なマーケティングに情報を少なくして飢餓感を与える周到ぶり。ここまでくるとニコニコ動画に投稿したのも協会の人間の手によるものかもしれません。そう考えてみるとニコ動の投稿者コメントは怪しすぎます。情報が充実しすぎている。ひょっとすると私たちは明るい選挙推進協会の手のひらの上で踊らされていただけだったのではないでしょうか。な、なんだってー。なんて恐ろしい……。恐ろしいといえばはてブでこんな話も出ています。
明るい選挙推進協会は事業仕分けで廃止の結論だったが、22年度予算では3億の要求で2億ついた。4年後の廃止と注記されている
東京五輪招致PR映像がわずか10分にも関わらず、約5億円もの制作費をかけていたことを批判された石原慎太郎は「言われてみれば高いかも……」と苛烈な自己批判をしていましたが、協会の人間には2億を高いと思う人はいない模様。「三ない運動」の精神で「そんなに予算いらない」と言えなかったのでしょうか。政治家じゃなかったらいいのでしょうか。ほら、めいすいくん! レッドカード、レッドカード! NOと言わせなきゃー!
しかし、四年後に廃止とのことですが、四年の間にこのアーティスト集団はいったいどんな作品を残してくれるのでしょうか。最後の最後になにかすごいことをしでかしてほしいものです。
- 1833 http://gigazine.net/index.php?/news/comments/2000118_headline/
- 923 http://members.jcom.home.ne.jp/sarasiru/
- 627 http://www.hatena.ne.jp/
- 552 http://gnews.x0.com/
- 498 http://b.hatena.ne.jp/
- 476 http://b.hatena.ne.jp/hotentry
- 424 http://www.sleipnirstart.com/
- 228 http://www.mew5.com/
- 204 http://members.jcom.home.ne.jp/sarasiru/nikki.html
- 189 http://b.hatena.ne.jp/hotentry?mode=general











