DNA

●DNA鑑定
大学の授業のページに、このようなニュース記事が掲載されていました。


[http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090421/trl0904212257022-n1.htm:title=DNA型鑑定の「万能神話」揺らぐ 足利事件で(産経,2009/04/21) ]


記事の内容は、
栃木県足利市で平成2年、4歳の女児が殺害された「足利事件」で殺人罪などに問われ、無期懲役が確定した元幼稚園バス運転手、菅家利和受刑者(62)の再審請求即時抗告審で、東京高裁が嘱託した再鑑定の結果、菅家受刑者のDNA型と女児の下着に付着した体液が一致しなかったことが判明した。今月末にも再鑑定結果の最終報告書が同高裁に提出される見込みで、DNA型が一致したとする捜査段階での鑑定結果を有力な証拠とした確定判決が覆り、再審開始の可能性も出てくる。
という内容で、DNAが絶対的ではないことを示す内容でした。


何か事件が起きて、犯人を特定したいとき、DNAはとても役に立つものだと思っています。それは、DNAは嘘をつかないと思っているからです。ですが、今回のようにDNAが以前は一致していたのに、二度目は不一致という正確さを欠くものであったら、完璧に冤罪だし、犯人と疑われた人が可哀そうすぎると思います。その犯人にされてしまった人の人生を台無しにしてしまったので、DNAの不一致はとても大きな社会問題だと思いました。
今は昔と違い、科学が進歩しているためDNA鑑定は本当に正確だと言われていますが、もしかしたら正確ではない時もあるのかも?と少し疑ってしまいます。この記事を知ってから、私は少しDNAを信頼することはできないですが、DNAが様々な事件の手助けをしていることも分かっているもで、DNA鑑定を否定することはできないです。科学の進歩が進み、ますます精密なDNA鑑定をできることを期待したいです。もうこのような事件が二度と起こらないでほしいと思いました。


2009年9月現在。
足利事件は解決しました。そのきっかけは、DNA鑑定の発展でした。


まずDNA鑑定とは、
DNA多型を利用して個人、親子などを鑑定することで、次に2種類がある。
  (1)異同識別検査;2つの試料が同じか否かの検査をすること
  (2)血縁関係検査;親子・同胞など血縁関係の検査をすること
鑑定の目的は、
  (1)刑事鑑定;刑事訴訟で必要な鑑定
  科学警察研究所(科警研)と各都道府県の科学捜査研究所(科捜研)において、捜査の段階で行われる(年間5000件程度)。再鑑定など公判中に必要な場合もある。
  (2)民事鑑定;民事訴訟で必要な鑑定で、その多くはいわゆる親子鑑定。
鑑定に使われる試料は多様である。
  (1) 刑事鑑定---人体由来と思われる試料がほとんど
   ? 現場試料:血液、体液(精液、唾液、尿など)とその斑痕、臓器組織、毛髪、骨、歯、爪
   ? 対照試料:口腔粘膜細胞、吸いがらなど
  (2) 民事鑑定---主に口腔粘膜細胞が使われる(かっては血液が使われていた)。
   綿棒で頬粘膜を強くこすって容易に採取でき、綿棒を乾燥させれば長期保存が可能。特殊なものでは臓器組織ブロックや乾燥したへその緒なども利用されることがある。


足利事件におけるDNA鑑定について
最初の鑑定は、MCT118法で行われた。当時最新技術であっても現在では分析技術が進み、旧法となってしまった。最初の鑑定に使われたDNAサンプルは使い切られており、同じサンプルでの再検査はできていない。再鑑定で使われた試料は、同じ衣服のMCT118法で鑑定された別の個所からの試料から抽出されたDNAで、最初の鑑定で使われたDNAと同じではない。18年を経過した試料からの抽出したDNAであるが、分析方法は最新のSTR自動解析法によったものであり良かった。
18年経ってもDNAが得られ、鑑定が実施可能であることを示せたことはよかったが、2003年に新法が開発された時点で再鑑定をしておくべきであった。そうすれば、裁判の決定を早められたのではないかと言われている。足利事件から、現在のDNA鑑定技術では分析不可能であっても、将来は分析できるようになる可能性が高いことが再認識された。試料DNAを使い切らずDNAのままで保存保管しておくことが絶対必要であることも明らかになった。

 
DNA鑑定の課題
今後の課題として以下のことが考えられる。
・現場からの確実な試料を採取することが重要で、これには鑑識の意識向上が必要。
・試料からのDNAの抽出で確率が大きく変わる場合があり、技術者の習練が必要。
・調べるDNA・部位は多いほどよく、ミトコンドリアDNA、SNIPSの採用も検討中。
・証拠能力として適切に解釈されるために、検事・弁護士・裁判官及び警察の上層の理解が必要。
混合試料をどう扱っていくかが、DNA鑑定に残された最後の課題となるだろう。



DNAは色々な事件解決に必要なもの。DNA鑑定の課題を解決し、これからも様々なことに役立ってほしいと思いました。


*参考ページ:ここから転送