そこに物語があれば

秋田在住、作家志望兼駆け出しエロゲシナリオライターの雑記

エロゲレビュー「月光のカルネヴァーレ」

彼女は壊れたガラクタで、つまりは俺と似合いだった――
自動機械人形が観光客を迎える歴史都市ベルモント
過去を捨てた人狼ロメオは、記憶喪失の自動機械人形アンナを拾い、新たな生活を始める
だが平穏な生活は、ロメオがかつて所属していた人狼マフィア「オルマ・ロッサ」の刺客によって破られる
新たな家族を守るため、再びその鉤爪を抜くロメオ
時を同じくして、鳥兜(ルパーリヤ)と呼ばれる対人狼用の自動機械人形部隊が、200年の封印を破り蠢き出す――
というわけで 月光のカルネヴァーレ
あらすじだけみれば、如何にもニトロプラスらしい燃えゲーといった装いの本作ではあるが、綴られるのは、心踊る燃え展開とはまた少々違う悲喜こもごもな人間ドラマという表現がしっくり来る様な物語に他ならない
(人外が主役の物語に人間ドラマという表現は相応しくないかもしれないが)
本作のスケールは決して大きくはないが、それだけに非常に纏まりの良い物語だと言える
物語のメインは登場人物達の織りなす人間模様
ほぼ全てのキャラがしっかりと生きており、それぞれが何らかの戦う理由や事情を抱えている
これは、そんな様々な人物や組織の魅力と確執の上に成り立つ群像劇を描いた愛憎と哀愁のゴシックノワール
悪役を退治して世界の危機を救おうとするタイプのお話ではなく、むしろ悪役なんか存在しないお話だ
だから、この物語は、ほんの少しのボタンの掛け違いで全く違った展開を見せてくれる
どの√でも関わる組織や人物は同じなのに、辿り着く結末が全然違うというのは非常に面白い点と言えるだろう
掛け値なしのハッピーエンドもあれば
切なさに涙したくなるようなエンドもある
この幅広さも魅力の一つかもしれない
それと、この作品の魅力を語る上で忘れてはいけないのが世界観の良さだろう
BGMの秀逸さと相まって幻想的なヨーロッパの古都市というのを非常に上手く表現していた
そんな、爽快感は無いが必死に生きようとする登場人物達の姿が印象的な本作は、意外な程に癖が無いのでニトロプラス入門には最適な一作と言えるでしょう
後、最後になるが、本作には某ボーカロイドと良く似た外見のルナリアというヒロインもとい俺の嫁がいるが、勘違いの無いように言っておくと、むしろルナリアの方が登場は先である
そこを間違ってはいけない
パクリなどと言う無知蒙昧な輩はCV保村真キチガイ狼にSATSUGAIされるべきだ