九十九の奏 〜欠け月の夜想曲〜

SkyFish最新作『九十九の奏〜欠け月の夜想曲〜』を応援しています!!

(※核心的なネタバレをいろいろ含みます。)

2012年9月28日にSkyFishより発売の伝奇ホラーADV(18禁)。

主人公は故郷に戻ったところ九十九神に襲われ、以後伏姫から護られるようになります。主人公には失われた記憶があることが次第に明らかになり、主人公は記憶を取り戻すことに興味を抱くようになります。(体験版の感想

スタッフロールまで一度読みました。
かなり情報量の多い作品で、公式サイトに紹介されているメインキャラクター以外にも重要な登場人物が複数存在しており、過去の出来事がかなりのボリュームをもって描かれています。読み進めることで次第にパズルのピースが集まり物語の全貌が明らかになるような構成で、序盤から後半に至るまで自然なミスリードが多重に用意されています(あるキャラがある九十九神依代であることが途中まで伏せられている等)。1999年、2000年、2011年に起きていた多数の出来事や各旧家の特徴、各九十九神の形代と依代と能力の対応といった設定周りは豊富に用意されています。

本編にはホラー要素があります。主に怖い顔のグラフィックでビジュアル的に表現されている印象です(玉ちゃん以外に複数)。それらはあやかしに対する怖れと畏れ、裏の顔を持つ人間の二面性のようなものを表しているようです。フルスクリーンの円さんは夢に出るレベル。後に怖くない同じイベント絵が登場するのですがトラウマになってましたよ、ええ。
サブキャラにしてはかなり登場回数とセリフの多かった晶子と優香は、本編の貴重な癒し要員です(ホラーな場面で怖がってる顔が怖いですが)。

追記;フルコンプしました。
和風調の世界からプレイヤーの目を覚まさせるかのような西洋調のエンディング曲は良曲。エンディングは17種類のようで、やられ方のバリエーションに定評のある一二三きゅん、エンディングの002〜010は撃たれたり刺されたりと散々です。白蛇精の力をもってしてもこの有様。017へ辿り着くにはやや困難がありました。
個別ルートと共通ルートは終盤まで合流と分岐を繰り返し、結果として一二三きゅんは複数のヒロインと一定以上の交流を深める女たらしっぷりを発揮するので、心に決めたヒロインのいる一途なプレイヤーにとってはやきもきさせられる場面もあったかと思われます。
総じて色々と最強のヒロインは、物語冒頭から一二三きゅんを掻っ攫える三角さんでしょう。他のヒロイン勢の誘惑を目の当たりにしても耐え忍び、九十九神の多彩な能力を保持しながらも愛人としての可能性すら考慮できる三角さんは、本編終了後に確実に勝てます。

本編で繰り返し言われていた九十九神による寿命の減少については、事実であればメインキャラは本編終了後から数十年と経たず全滅するはずなのですが、特にその辺りには触れられていませんでしたね(積極的に見たくなるようなシーンでもないと思いますが)。一連の事件に関してはだいたい娘に執着した静花さんのせいだと思われるのですが、当の本人は2000年にラスボスにやられて姿を消しており、本編中に表立って静花さんを非難する者は現れず、大人な対応のできるみなさんであったと認識させられるのでした。

追記:公式サイトでキャラクター人気投票の結果が発表されました。(2012/10/19)
1位は堂々の玉ちゃん。まったく、お前らの性癖ときたら……w 18禁でありながら1度もHシーンのない玉ちゃんが1位となるあたりに、日本人の奥ゆかしさやら文化レベルの高さやらが見てとれますね。総じて年上・ドSキャラ大勝利の結果に、時代の変化を感じられます。個人的にも投票コメントが複数採用されていて楽しませていただいています。

追記:公式サイトで玉ちゃんの一位獲得記念感謝贈呈品が公開されました。(2012/11/30)
玉ちゃんの書き下ろし壁紙のエロさがすさまじいです。これは夢に沈んでも致し方ないことですね。書き下ろしショートストーリーは玉ちゃんメインの内容。一二三きゅんが安定すぎて、思わず読み直してしまいました。壁紙は細部に至りストーリーの内容とリンクしているようで、作り込みを感じさせられます。