スルガ銀行「第三者委員会調査報告書」雑感

この長い長い報告書を、さまざまな方面に思いを馳せながら飛ばし飛ばし読んだわけだが、その終盤に差し掛かったとき、そもそもコレ何だっけと、わからなくなってしまった。キーボードのHomeボタンを押して、文書の先頭に戻って、委員会設置の目的を読んでみると、こう書いてある。

スルガ銀行は、2018年1月に株式会社スマートデイズ(以下、「スマートデイズ」または「スマートライフ」という。)がシェアハウスオーナーに対する賃料支払を中止したことに端を発するシェアハウス関連融資の問題の発生を受け、外部の弁護士で構成される「危機管理委員会」を設置して、事実関係の調査を実施し、同年5月15日、その概要を公表した。


同行は、事態の重要性に鑑み、ステークホルダーに対する説明責任を果たすことが不可欠であると判断し、同日、同行から完全に独立した中立・公正な専門家のみで構成される「第三者委員会」を設置して、事案の徹底調査と原因の究明を行うこととした。

https://www.surugabank.co.jp/surugabank/kojin/topics/pdf/20180907_3.pdf


うん、やっぱりわからない。ステークホルダーに説明するのはいい。内容も部分的には面白かった。ただ僕が知りたいのは、結局のところ誰が得して、誰が損したのか。より大きな視点で、一体何が起きたのか。


うん、ここまで書いただけで、なんとなく見えてきた。要するに、ずさんな融資をして、まず損したのは株主だ。得したのは借り手。そう思うとガバナンス問題に見える。他方でスルガ銀行は、読んで字のごとしだが、預金を受け入れる銀行でもある。ずさんな融資をするなら、預金者にとってリスクが高まったり、あるいは預金保険*1を実質的に使うことになる。更に言えば、政治的に潰せないとなれば、いずれにせよ納税者の負担がそこにある。



公的セクターとしての銀行が起こした、ずさんな仕事の問題。そう、東京電力なんかと一緒さ。資本主義の看板のための、民営モドキ。そうすると気になってくるのは、選挙モドキとしての議決権行使だが、その話はまた今度やろう。