読んだ本

イノセント・ゲリラの祝祭 (上) (宝島社文庫 C か 1-7)

イノセント・ゲリラの祝祭 (上) (宝島社文庫 C か 1-7)

昔「チーム・バチスタの栄光」を読んだことがあり、最近ドラマの医龍でバチスタ手術に感動したので、読んでみました。家にあったからですが。

主人公的な立ち位置にいるのは、不定愁訴外来?の田口先生。出世意欲や上昇志向が皆無でそれが強みにも弱みにもなっている田口先生が、官僚や教授たちの思惑に巻き込まれながら話は進んでいきます。田口先生の相棒は白鳥室長、携帯のかわりにたまごっちを持ち歩く、厚生労働省所属のおちゃめでかわいい官僚です。ほかにも、移動のためにパトランプを使ってスポーツカーで200キロ飛ばすかっこいい警視正、計算的に動きまわる暗躍する官僚などなど、魅力的な登場人物がたくさんです。
帯に、VS官僚と書いてあったのですが、まさにそんな内容でした。著者は病理医で、解剖のことがいっぱいでてきます。(ハイスコアを思い出してしまう!)死体の死因判明に、解剖という選択肢だけでなく、エーアイを気軽に使えるようにしたい、という内容の本だったと思います。最後のほうには、民主主義でないと出版できないような過激な会話も交わされています。
なかなか面白かったですが、なにせ登場人物はみんな頭脳派で驚くほど頭の回転が速い、会話の裏読みでストーリーが進んでいくので、少し読みにくさも感じました。けれど内容的には、こんな世界もあるのだなと満足です。あとがきにありましたが、ノンフィクション要素も多少含まれて書かれているようでした。