キャットミルクの作り方

今日、アニマルプラネットのネコ番組を見ていたときのこと。子猫の誕生から、ある程度の大きさになるまでを紹介していた。
そのときに出てきたペルシャ系の子猫,生まれたときには元気だったのに,成長過程で成長が止まってしまい,ついに死んでしまった。
動物紹介番組でこうしたことを取り上げるのは非常に珍しいことだ。
番組の解説では、死んだ原因は子猫が十分に母乳を飲めなかったことではないかとしていた。それなら母乳が足りない分、人口乳で補えばいいのにと思ったが、この子猫は人口乳を嫌がり飲まなかったようだ。
これまで何十頭もの子犬や子猫の授乳をしてきて思うのは、いくらお腹がすいていてもすんなり人口乳を飲んでくれる子犬や子猫はほとんどいないということ。
母親の乳首とはまったく質感の異なる哺乳瓶の乳首ではなかなか受け付けてくれない。
また母乳と人口乳では味がまったく違うだろう。味の違いはどうしようもない。
さらに、あることが子犬や子猫の人口乳拒否の大きな理由になっている。
それは、人口乳の口当たり、あるいは舌触りなどの食感だ。
どういうことかというと、粉ミルクがちゃんと溶けていないと、ミルクを口に含んだときにざらついた感触があるということ。
このざらつきがあると、子犬でも子猫でも絶対に飲もうとしない。これは多分、本能的なものなのだと思う。
しかし、いくらネットを検索しても、この重大な事実に言及した記事、あるいは情報がまったくない。
人口乳のざらつきをなくす方法は粉ミルクを哺乳瓶に入れ、そこにお湯を足して、その後、哺乳瓶を振る際の、振る回数を多くすればいい。
ところが、子犬や子猫用の粉ミルクを製造しているメーカーのサイトでも、振る回数については何も言及していない。
これでは、せっかちな人だと、せいぜい20回ぐらい振っただけで、与えようとするだろう。
こんなやり方で作ったミルクを飲んでくれる子犬や子猫はまずいない。
では何回振る必要があるかというと、最低でも500回は振る必要がある。
これだけの回数を振ったミルクは、多分乳脂肪の粒子が細かくなる所為だろう、トロッとした質感になり、味もおいしくなる。
なぜそんなことがわかるのかというと、実際に飲んでみたから。
以前、私が、子犬や子猫の授乳に苦労していたときのこと、ひょっとして、ミルクの口当たりが悪いためではないかと思い当たった。
なぜその事に思い当たったかと言うと、私自身がこのことを経験しているからだ。
私の一番古い記憶は,哺乳瓶で与えられる人口乳の口当たりの悪さだ。
今の年になっても、母親は私が乳児のときにまったくといっていいほど,人口乳をうけつけなくて苦労したとこぼす。
私は、それを黙って聞き流すが、心の中では,「それはあんたのミルクの作り方が悪かった所為だ」と反論している。
私の母親はせっかちで短気。そんな人間が,一日に何度も作るミルクを、その都度、500回も哺乳瓶を振って作るわけがない。
人間用の粉ミルクは改良されて,もっと溶けやすくなっているかもしれないが,子犬や子猫用の粉ミルクはやはり,作るときに哺乳瓶を回数多く振らないと、飲んでくれない。