エロ本編集者の憂鬱と希望

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2005-11-12

久しぶりに『エンタクシー』(扶桑社)を買う。

目当ては付録につけられた笠原和夫文庫サイズのシナリオ集。未映画化シナリオの『実録・日本共産党』と『日本暗殺秘録』が収められている。大特集が「七〇年代東映」蹂躙の光学というもので、それに関連しての付録だ。いや、僕は『実録・日本共産党』というタイトルにひかれて買っただけなんですが、笠原和夫って『仁義なき戦い』の人なんですね。この時代の東映ヤクザ映画に興味がわいたのはもちろんだけど、一番関心をひかれたのが、田中眞澄という人の「東横映画史略――満映後史・東映前史」という原稿で、東映がどのように出来上がっていったかの概略が書かれている。東映は東横映画株式会社が前身となっているもので、これは文字通り東横線のターミナルである渋谷駅を発展させるため、東急(当時は東京横浜電鉄)の子会社として設立された。製作・配給は行っておらず、当時は興行会社だった。これが戦後、製作・配給にも乗り出したのだが、この製作能力を担保したのが、満州映画会社だった、という内容なのだが、いつの時代でもメディアがどんな資本とくっついて発展していくかっていうのは非常に興味深いものですね。

『実録・日本共産党』では、のちに日本共産党中央委員長になる渡辺政之輔と、戦後の日本共産党委員長になる徳田球一の出会いの場面。


徳球「君はすぐれたオルガナイザーだ。今日が初対面だが、君に惚れたよ。女にモテるだろう、君は」

渡政「(面食らって)……!」

徳球「女にモテないようじゃ、いいオルグにはなれんさ。ところで相談があるんだが……君のアジプロの腕前で、鐘紡に潜りこんでストライキを起こして貰えんかね」

渡政「(唖然と)鐘紡でストを起こして、どうなるんですか?」

徳球「俺は証券会社顧問弁護士をやってるんだが、鐘紡にストが起これば、当然株の変動が起こる。うまく利用すれば、大儲け出来るんだよ。君の所だって運動資金に不自由してるんだろう。一口、乗らんかね?」

宮崎「徳球さん、純真な労働者に変な政治技術を吹き込まんでくださいよ」

徳球「(破顔一笑)いやァ、済まん、済まん、冗談だよ。じゃァ、今日は女を買いにゆくか!」


見事に徳田球一の人間性を伝えるエピソードである。いや、ほんとにこんな人だったのか全然知りませんけど。

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