2011-07-31 岩手レポート その四 ボランティアとは?

かわいキャンプには、すごい人たちが集結していました。
遠くは九州・四国から、高校生から60代の方まで、さすがに女性は少なかったけど、それぞれみんな個性的で強い人たちばかりでした。
中でも強烈だったのは、あちこちでボランティアをしているらしい60代のTさん。
Tさんとは二日間とも作業をご一緒させていただきました。
この人の喋りが、凄まじく面白い。
とにかく、ボケてボケてボケ倒す。そこで機転の利く若い男の子がツッコミ役をやろうものなら、即席漫才が展開。
ボランティアに来てこんなに笑うとは思いませんでした。
かわいキャンプでは、食堂でお酒を飲むことも出来ました。
Tさんも交えて数人で飲みながら話していたとき、私は自分の考えを言いました。
ボランティアの活動は制限がある。
実働時間は短いし、事故防止のため神経質なまでに気を使われる。
やはりこういうことは、雇用という形をとったほうがいいのでは?
するとTさんから一喝されました。
「何を言う。無駄なことをするのがボランティアだ。仕事になんかできるか」
無駄なこと、と言うと語弊がありますが、彼は経験談を交えて話してくれました。
津波に流され土台だけになってしまった家の、瓦礫の撤去を依頼された。
そこは地盤もゆるく、新たに家を建てるのは不可能。
それでも、依頼主のおじいさんは、自分の家の敷地が見たいと言う。
三世代同居の夢を込めて建てた家の、道路から玄関までの通路が見たいと言う。
そこでTさんは「若い奴らをこき使って」おじいさんの希望通り、通路を掃除したのだとか。
他の人にとって意味のないことでも、当人にとっては意味のあることがある。
それを叶えられるのは、ボランティアだけだと。
迷いがすっと晴れた気がしました。
ボランティアをすることの意味が、自分自身でもよくわからないでいた。
自己満足と言えば、それでもいいと思っていた。
でも、やはり必要なのだ。行くべきなんだ。
ボランティアが増えて余るくらいになれば、それまで遠慮していた被災者の方が依頼しやすくなるかもしれない。
そしてそれで、気持ちを切り替えられるかもしれない。
初日に瓦礫を撤去したお宅の奥さんは、お隣がボランティアによってきれいになったのを見て、ウチもと思って依頼したのだとか。
そういう人が増えて、ボランティアが応えられれば、町がまるごときれいになる、かもしれない。
きれいになれば、きっと何かが変わる。
そのお手伝いのために、行こう。また。
出来る事は、まだ山のようにある。
Tさんは、私たちの出発する数時間前、なぜか午前4時にひっそりとかわいキャンプを後にしました。
彼を見送ったのは、お腹が空いて食堂に降りて来ていた高校生だけでした。
Tさんの言っていた、ブラックな合言葉が耳に残る。
「東海地震で、会いましょう!」
出来たらそれ以外で、彼に会いたいです。
■追記
車で現地へ向った私たち、行きは普通に高速料金を払いましたが、帰りはかわいキャンプで「災害派遣等従事車両証明書」の申請書をいただき、県庁で証明書を発行してもらい、無料で通行しました。
申請書や、県庁まで出向く手間はありますが、経済的に助かればまた支援に回せる。
車でボランティアに向う人は、ぜひ利用してください。
とっても会いたくなりました。一緒にお酒飲んで色々なお話を聞いてみたいです。
皆が起きる前に去って行ってしまうところもカッコイイ!(*^_^*)
「東海地震で・・」のブラックジョークは笑えないけど(苦笑)
本当にボランティアで行かれる方がどんどん増えて余る位になると良いですね。
私は行きたい、と言う気持ちだけで、やはり自分の事だけを考えてしまって踏み出せない、小さい人間です。
ボランティア本当に、本当にお疲れ様でした〜!!
またまた惚れ直しちゃったよっ(≧▽≦)
本当に、Tさんを筆頭にすごい人のオンパレードだったよ〜。すごく勉強になったよ。
出来る支援は現地に行く事だけじゃない!ウチの近所のスーパーでは「福島産のキュウリ」をチラシに掲げて売っていた。そういうのを買うのも支援!ちょっと嬉しくなっちゃった♪
1日目の方で無力感を感じた、とあって少し心配したけど持ち前の切り替え力で元気なようなので安心しました。無力感に囚われ過ぎちゃう人も出てきてるみたいだからねえ。
Tさんの「誰にも見送られずにそっと出ていく」というやり方も彼独特の皆との距離のとりかたなんだろうね。色んな被災地回ってるんだろうから抱えているものは大きいようなきがする。
なんにせよ、esaちゃんもこれからボランティアにかかわっていくのなら無理せずにね。
私は中野で食べ物を買って飲んで復興支援することに徹します。
本当に震災からこっち、以前じゃ考えられない事の連続です。なんでウチに大型犬がいるんだ?と、時々不思議になる(笑)
無力感・・・一番辛いのは被災された方々だもんね。たまたまやってきた私がそんなんで落ち込んだら失礼だ!ってね。
Tさんは前日言ってたんだよ、「明日4:00に出る」って。
でも話全部が、どこまで本当でどこまでネタかがわからなかったので、そのままにしてたら本当に行ってしまった。
まあ、東海地震で会えるしね(おいおい)
飲み食い支援、いいね〜♪楽しいのが継続には一番!
先日、「思うところあって東京でのボランティアをお休みする」ってコメント書いたでしょ?
詳細はここでは書かないけど、私もボランティアの意味を考えているんだ・・・
自分のやり方に問題があるのかも知れない。
Tさんはこうも言ってたよ。
「ボランティアは仕事じゃないんだから、一生懸命やりすぎる必要はない。他の人がやってたって、休みたければ休めばいいんだ」
無理せず気負わず、やりたいときだけやる、それでいいと思うよ♪