なぜか日本人が知らなかった新しい株の本
24冊目
[★★★★★]
- 作者: 山口揚平
- 出版社/メーカー: ランダムハウス講談社
- 発売日: 2005/07/20
- メディア: 単行本
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<感想>
投資とは何なのか、なぜ株式投資なのか、を教えてくれる本。
まずお金(投資)についての説明から入っており、投資というものがどういうものかが良くわかった。
「確実に80万円もらえる」か「サイコロを振って6以外がでた場合のみ100万円もらえる」の場合、
「80万円払う」か「サイコロを振って6以外が出た場合のみ100万円払う」とを比較し、
人は「感情の罠」にはまって、合理的な考え方が出来なくなるといった所がとても納得できた。
投資には感情を含めてはいけない、あくまで合理的に考えるべきだと思い知らされた。
投資に対して興味がますます増しただけでなく、お金に対する考え方も改めさせてくれたのが良かった。
<まとめ>
私たち人間は、小さな可能性を(確立)をより重視し、その確立よりも大きな代償を払ってしまうという性質をもっている
もしかしたら当たるかもしれない3億円・・・、ひょっとして起こってしまうかもしれない事故・・・。
これらの期待と不安という私たちの感情は、その確立以上の代償を要求します。
99%から100%にあがる1%と、36%から37%に上がる1%とでは、私たちの捉え方はぜんぜん違うと思いませんか?
99%から100%への1%は、物事の完全性を担保し、安心という名の高い感情的価値を与えてくれる心の清涼剤となります。
企業の価値は、その企業が稼ぐ「利益」と、過去に稼いで、会社という「蔵」に貯めている「財産」から成り立っています
そのため企業価値を算定するには、事業が利益を生む仕組みを暴く力と、財務諸表を読み解き、財産の価値を見抜く知識が必要です。
株価の下落は、実は「買い」
株価が下がるという事は、より高い得られるチャンスを意味する。
世の中に出回っている金融商品の利回りの高さは、通常、単にリスクの高さを意味しているだけなのです
利益を上げるためには、その期待利回り以上の利回りを実際に生むかどうかが大事なのです。
投資とは、「今ある資産(現金)をより価値のある資産(証券や現金)に交換するプロセス」です
すべての投資は「交換作業」、それだけのことです。
合理的な交換のできる投資家は長期的には勝てます。
現金にしろ株にしろ、価値の代替物であることに変わりありません。
会社を丸ごと買う気がないのなら、そのたった1株でも買ってはいけないのです
私たちはたった1株の購入をするときでも、その企業全体の価値を考えて、価格の妥当性を判断する必要があります。
私たちが株を買うときは、買収を行う企業のトップと同じ視点に立つ必要があるのです。
財務や会計から出てくる数値は、単に会社が過去に生んだ業績という「結果」にすぎない
肝心なことは、利益を生む原因、つまりその会社が価値を生み出す「しくみ」を暴くことです。
利益の源泉を見抜く4つの質問
- その企業は「なに」で稼いでいるのか?
- 「なぜ」稼げているのか?
- 今後、稼げるしくみに変化はあるのか?
- これから「いくら」稼げるのか?
よく私たちは、ちょっと小耳にはさんだ情報から、その企業にほれ込んで投資を行い、失敗することがあります
それが「本当に良い製品か」を知ることではなく、まずは「その製品から上がる利益が全体に占める割合はどの程度か」を知ることです。
企業の価値の源泉は、通常たった1つしかない
「女性を口説き落とす成功の鍵をたった1つ挙げるとしたらなんですか?」
歌舞伎町のNo.1ホストの言葉
「その女性の本当にカユいところに"だけ"、手を伸ばしてあげること」
企業の分析をするとき、「その会社の強みを一言でいうと・・・」とつぶやいてみてください。
株式投資とは、価値と価格の差を人よりも早く見抜くゲームだといえます
株価は、短期的には相場のムードや企業の人気によって上下動しますが、中長期的には株主価値に収歛します。
世の中は合理的な投資家たちによって、最終的には価値と価格が一致するまで売買が繰り返されます。
根拠なき投資はバクチと同じ
人の紹介で株を買うと、株価が上がっても下がっても、その理由がわからない。
「後悔」と「プライド」が損を抱く
後悔とは、「とれると思っていたものがとれなくなる」ときに生じます。
プライドは、「勝ち負け」の意識から生まれます。
株式投資を「勝ち負け」で考えているため、利益の大きさよりも、利益が出ているかどうかのほうが問題となるのです。
ですから、少ない利益でも、買値より高く売れば、「勝ち」と考えるのです。
こうして、大きな利益を逃してしまいます。
大事なことは株価の「上がった、下がった」という結果ではなく、その理由です
人が学ぶとは、究極的には、世の中にの因果関係のパターンをたくさん知り、より本質に近づくことだと私は思っています。
多くの投資家が株価を追いかけチャート分析に走る理由は簡単で、みんなが知っている指標が、ただ1つ、株価という"結果"だけだからです。
結果をいくらこねくり回しても、次につながる価値ある知見は得られません。
あなたにとって、投資とはいったいなんですか?
そしてその真の目的は?