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2003-10-03

「Google八分の刑」という難問

社会的な制裁あるいは刑罰として「Google八分の刑」ということを思いつきました。

基本的には、「Google八分の刑」はあるURLに宣告します。そのページがグーグルランクのマイナス査定を受けることになります。例えば、このBLOGが「Google八分の刑」と宣告されたら、このページのグーグルランクは無条件でマイナスになります。そして、グーグルで検索してもこのページは表示されません。

さらに、このページにリンクしたページも同様の影響を受けます。このページにリンクすると、リンク元のページのグーグルランクが下がってしまうのです。そのページのランクが低ければつられてマイナスランクになるし、元のランクが高いページでもランクが下がって、表示順位は後の方になってしまいます。そして、この影響はさらにリンク元に対するリンクにも波及していきます。

結果として、私のページにリンクする人はいなくなります。もしいたとしても、その人にリンクする人はいなくなります。だから、検索にも引っかからないし、私のページへのリンクも存在しない。私のページは存在していてもそこにたどりつくことができなくなり、この日記はインターネットの中に存在しないも同然となります。

これは技術的には難しいことはないので、Google社がその気になったらすぐにできることです。社会的な発言を一切封じることに等しい「Google八分の刑」の執行が可能なだけの、非常に大きな権力をGoogle社は持っているわけです。

もしGoogle社が恣意的にこういうことをしたら、いかにGoogleと言えど総スカンを食うでしょうが、例えば、http://www.sco.com/を「Google八分の刑」に処すると発表したらどうでしょうか?賛否両論に割れるような気がします。その場合には、私は「よくやったGoogle」と喜んで全面的に支持してしまうかもしれませんが、よく考えると一企業がこのような権力を行使するのはおかしいような気もします。

「Google八分の刑」の対象がURLならば、そのURLを放棄すればよいだけですが、さらに個人に対してそれが宣告されたらどうなるでしょう。この日記だけでなく、これから私が作るページは全てGoogleから抹殺されてしまうのです。さらに私が勤務先で作ったページまで同様のマイナス査定を受けるとしたら、私を雇う会社はネットから抹殺されてしまうわけで、そんなリスクを冒してまで私を雇う人はいなくなるでしょう。もちろん、匿名でページを作ることはできますが、essaというハンドル名でこれまでしてきた一切のこととつながりがバレないように細心の注意を払って運用しなくてはなりません。

つまり、Googleには社会的に(ヘタをしたら物理的に)一人の人間を抹殺することが可能なわけです。それが、データベースとプログラムをちょっといじるだけで可能になっているのです。たとえその刑の宣告のプロセスに合理的な根拠があったとしても、やはりそれはおかしい。

このアーキテクチャとそこに埋めこまれた価値観は、われわれの選んだアーキテクチャと価値観であるべきだ。それはいちばんふつうの意味で政治的なものだ。それは現実の生活を秩序だてる構造であり、したがってわれわれがなんらかの意味で選んだ構造であるべきだ。(「CODE」 by ローレンス・レッシグ p361)

ヤフオクもamazonも2chもそれぞれが独自の価値観を埋めこまれたアーキテクチャを持っています。そしてそのアーキテクチャは我々に大きな影響力を持ち、その影響力は日々拡大しているわけです。レッシグさんの言うように、そのアーキテクチャ=CODEの選択に関して、我々が一切関知できないのはあきらかにおかしいことです。しかし、どのように合意しどのように関わってものごとを決めていくのか、それは、とほうもない難問です。しかし避けて通ることのできない難問なのです。

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