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2007-04-10

公開できる5W1Hの量が会社の価値を決める

週間現代が、NHKの「ためしてガッテン」という番組について「捏造がある」と報じた所、NHKは素早く反論文書を公開した。

一読して感じるのは、5W1Hが豊富で情報量が多いということだ。誰がいつどのように取材して、どのような実験を行ないどういう結果が得られたか、そういうことについて具体的な日時や人名も含め、詳しく番組が作られるまでの過程を開示している。

TBSが、不二家からの抗議に対して、一切反論できずにダンマリを通していることと対照的だ。(4/10現在、公開質問状への回答は一切なし)

一般的に、5W1Hを詳細に公開できるということは、何もやましいことが無いことを証明していると思う。その取材結果、実験結果をどう解釈していくかについては、異論があり反論があるかもしれない。しかし、少なくとも意図的に事実を曲げてないことを証明するには、全てを公開することが一番明解だ。逆に、何らかの公開できない意図があった場合、虚偽のストーリーを構築してそれに添って釈明する必要があり、日時のある履歴をつけると、そこから他の事実との不整合を指摘されるリスクを侵すことになる。

これまで、企業や政治家等、公的な性質を持つ存在は、金の出入りを記録し公開することで、透明性を担保してきた。目的は、透明性の確保であるが、手段として、金銭に関わる記録がコストパフォーマンスが良いからだ。金の出入りは公開する必要がなくても記録していることが多いし、社会的活動において重要性が高いので、それを公開することによって、企業や政治家の活動全体についての情報が効率的にチェックできる。

しかし、ネットやITがあらゆる社会的活動の基盤になっている現在、社会的活動に関する記録のコストは、根本的に変化している。

コミュニケーションの主体は、メールからチャットやIM、そして、twitterのようなリアルタイム系のツールに移行している。こういうものでは、なんらかの事業の遂行の為の日常的活動の多くが、自動的に5W1H付きで記録されていく。記録し公開する為のコストが実質的にゼロである。オフラインの活動も、携帯を使えば音声、動画、写真等をGPS付きで手軽に記録できる。

これからは、企業や政治家、メディアに限らず、一定の社会的な責任を負って活動する人は、金銭の出入り以外にも多くの社会的活動を公開することを求められるのではないだろうか。

つまり、何らかの疑念がある時に、利害関係者が、決算帳簿の公開と同じような意味で「社員のチャットを公開せよ」と要求できるような、そういう社会的責任が生じるのではないだろうか。あるいは、社会全体が共有するリソースを預かる組織、新聞社や放送局や検索エンジンのようなような組織の運営には、そういう意味での透明性が求められるようになるのではないだろうか。

もちろん、メディアにおいては取材源の秘匿という問題があるし、社員のプライバシーとの関連もある。だから、何が何でも100%公開は難しいかもしれないが、原則公開とし、公開しなくてもよい部分を例外として規定していくべきだと思う。そのような合意を社会全体として作っていくべきである。

あるいは、社員のプライバシーを守りや業務遂行を妨げない形で、公開できる範囲を広げていく。そういうイノベーションを成し遂げた企業に、社会の多くのリソースを預けていくべきだと思う。

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