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2007-07-31

ずっと高齢者のターン

今の高齢者も若い時に搾取されていたのかいないのか

はてなブックマーク - ネットはてブ / 2007年07月31日

これが重要な視点だと思う。

今の高齢者も若い時に搾取されていたし、上の世代から圧迫されていた。そこだけ見たら、今の若者より大変だった所も多いと思うけど、その代わりになるものがあった。彼らは「10年たったら、20年たったら俺の番だ」と思えたのだ。

この感覚が若い人にはわかりにくいと思うので、その実感がどのように生まれたのかについて、思いつくままいろいろ書いてみる。

一番わかりやすいのは、投資のリスクという話だと思う。

右肩上がりの経済で一番楽なことは、投資に失敗が無いということだ。銀行から借金をして、土地を買い工場を立てる。経済が右肩上がりに成長しているから、その工場をヘタに経営しても儲けるのが楽だけど、それ以上に失敗した時の始末が楽であることが重要。黙っていても土地が値上りするから、しばらく待って土地建物を売り払えば、投資は回収できて借金は残らない。

90年代に金融機関の経営者が揃ってこれをやって傷口を広げたのはご存知の通り。

もちろん、このメンタリティで実際に投資や融資の判断をした人はごく一部だけど、この「何もしなくても黙っていればそのうち問題は解決する」という意識は、一般庶民の間でも共有されていたと思う。

若者は「黙って待っていられる」期間をたくさん所持しているので、何事にも有利だった。

一戸建てを買うということも、投資としてリスクとリターンを予測して判断したり、自分の人生を設計するという意識ではなく、多少の無理をしても銀行にローンを認めさせれば勝ちという感じだ。

ベアという言葉もほとんど死語になっているけど、給料も何もしなくても毎年上がるものだった。インフレだから物価も上がるのだけど、実感として手取りが毎年上がることから受ける刷り込みは大きい。

音楽でもそうで、80年くらいまでは、知らない曲を聞いてもそれがいつごろの曲かおおよその判定はできた。ギターのエフェクターは一方的に種類が増えていくし、ドラムの音は一方的にクリアになっていくし、ビートは、4→8→16と一方的に細かく緻密になっていった。

私は鉄腕アトムをリアルタイムで見たけど、そこに描かれている21世紀の未来都市に向かって自分が今生きているこの社会が着実に進歩していくと思っていた。

「世の中が輝かしい未来に向けて着実に進歩している」という意識があれば、たいていのことはガマンできるものだ。

そして、自分が一切の主体的判断をしなくても、世の中は輝かしい未来に向けて着実に進歩していくと、大半の人は思っていた。

もちろん、右肩上がりの経済でも倒産する会社があったように、そういう時代にも悲観的な人や絶望的な人はいたと思う。でも、回りがみんな輝かしい未来を信じている時には、悲観したり絶望したりするには努力というかエネルギーが必要である。特別の知性やエネルギーの無い人並みの人は、普通に学校へ行って普通に就職して普通に出世して普通に家を買うという人生に流されていくしかなかったのだ。

エスカレーターと階段の違いのようなもので、転落するというのは上りのエスカレータを逆走することを意味していた。

これは、団塊世代でもかなり特殊な人だと思うけど、特殊なだけにくっきりとこの世代の意識を写している所もあると思う。

「同人誌」も「個人誌」も「自費出版」。詐欺商法は悪いが、正直、騙された人は世間知らずすぎ。たった何百万だか払えば全国の書店に並ぶとなぜ思うのだ。自分が出版会社側なら、採算とれるか考え以下略

はてなブックマーク - ガラマニによる栞とコメント / 2007年07月05日

そういうふうに世の中の仕組みを考えなくても、十分生きてこれたのである。

というか、裏付けのない夢を持つことがむしろ奨励されたのである。

だから、高齢者も若い頃は、今と同じかそれ以上に搾取されていたのかもしれないが、「輝かしい未来」というコモンズ(共有地、共有財産)を与えられていた。それを食い散らかしてそのまま逃げようとしていることに無自覚であることが、私にはフェアでないことのように思える。

また、「輝かしい未来」というコモンズ無しで生きる知恵にしても、それを再興するための努力にしても、若い人の方がずっと真面目に考えていると思う。

年寄りは「ずっと俺のターン」と言い続けている恥知らずなフリーライダーにしか見えない。

Dan the Shameless, but Conscious, Free Rider

404 Blog Not Found:The Single Most Important Open Source Project

この署名がカッコいいなあと思ってしびれてしまったけど、私も、せめて、自分が何の上に乗っかっているかについては、できるだけ自覚的でありたいと思う。

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