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2009-08-19

蛸壷屋の同人誌の面白さを主張する

 

 どうやら、某所で蛸壷屋の「けいおん!」新刊が話題になってるようなので、昨日に続いて便乗記事を。

 

 さて、蛸壷屋の二次創作といえば「やりすぎ」だとか「原作に対する愛がない」と言われているわけですが、僕は声を大にして言いたい。

 

 愛があればいいのか、と。

 

 

 例えば、ハルヒの同人誌を見て感じるんですが、物分りのいいハルヒなんてハルヒじゃない

 涼宮ハルヒといえば、したたかでワガママで自分勝手で偉そうで憎らしい存在でなければならないんです。

 ハルヒを自分好みの女の子に仕立て上げようとする二次創作は、たとえ愛があっても認めるわけにはいかないんですよ。

 

 だって、ハルヒがただのツンデレだったら、三流ラノベになっちゃいます

 ハルヒは傍若無人にふるまってこそ、ハルヒなわけです。

 

 そんなわけで、蛸壷屋のハルヒシリーズ第一作「涼宮ハルヒの服従」(18禁)では、こんなシーンが出てくるわけですが、

 

 

蛸壷屋ハルヒ

 

 そう、いろんなところでよく見るキョンがマジギレしてハルヒを殴ってるシーンですね

 さすが蛸壷屋、よそではできないことを平然とやってのける! そこにしびれる、憧れるって感じです。

 

 が、この「涼宮ハルヒの服従」、個人的にはあまり好きじゃないんです。

 

 なぜなら、ハルヒを殴ってすむのならば、ハルヒ世界じゃないと考えているからです。

 

 ハルヒシリーズの一番面白いところは、ラスボスがハルヒ(無意識)であること。

 ハルヒの常識に反した行動をキョンが何とかしようとすると、長門だの古泉だのが、世界がうんぬんとか組織がうんぬんとか、よくわからない言葉で止めに入るわけです。そんなもどかしさこそ、ハルヒワールドでありまして。

 

 ハルヒを殴るなんてことは、世界の破滅の第一歩みたいなものです。

 それができないいじらしさが、ハルヒシリーズの魅力ではありませんか?

 

 だから、蛸壷屋のハルヒ第一弾「涼宮ハルヒの服従」を、僕はあまり評価していません。ですが、次の「みっくみくるんるん」(18禁)はすごかった。

 

 詳しい話をすると、18禁ネタばかりなので、ここでは述べることができませんので、最後の1コマだけを引用。

 

 

蛸壷屋ハルヒ

 

 なんと、朝比奈みくるが、あのハルヒから勝利をもぎ取るわけです。

 

 これはとんでもないことでありまして、なぜかといえば、そもそも、シリーズ最高傑作といわれる原作四巻の「消失」は、僕からすれば「ハルヒVS長門」の一騎打ちなわけで、健闘むなしく長門はハルヒに敗北を喫するのです。

 それは勝ち目のある戦いではありませんでした。初めから、ハルヒが勝つことは決まっていました。しかし、長門はすべてを賭けてハルヒに挑んだわけです。その意気や良し、であります。僕は「消失」を読み終えて、長門にスタンディング・オベイションをしたぐらいです。ナイス・ゲーム、長門ナイス・ファイト、と。

 

 それぐらい、ハルヒ世界では、ハルヒは強いんです。そんな絶対者ハルヒに、部外者の鶴屋さんにも劣るダメっ子の朝比奈みくるが貴重な勝ちをおさめたわけです。

 

 正直、僕は朝比奈みくるのことを、使えないグラビアアイドルとしか思っていませんでした。映画のキャスティングで、話題作りのために出演させたものの、演技力が全然ダメで、スタイルだけが立派な、役立たずアイドル程度にしか見ていなかったのです。

 

 ところが、蛸壷屋みくるは違った。ハルヒが絶対者である権限を生かし、みくるには制約が課せられるわけですが、それでもみくるは己の肉体を武器に、果敢にも運命に立ち向かうわけです。素晴らしいです。ブラボォ!

 

 と、この「みっくみくるんるん」を読んだときに、僕は蛸壷屋すげぇと思いました。ハルヒの二次創作は数あれど、感動したのは蛸壷屋みくるキョン子ぐらいなものです。

 

 そして、蛸壷屋ハルヒ第三弾の「みくるCCSP」(18禁)になると、エロパロ漫画として、とことん変態性を追求した素晴らしい内容になっております。

 

 名場面がすべて18禁なので、最後の4コマぐらいしか紹介できませんが。

 

 

蛸壷屋ハルヒ

 

 いやー、このたくましさですよ!

 

 原作7巻「陰謀」以降のつまらなさにウンザリしていた僕からすれば、この生命力あふれるみくるがいい感じなのです。原作者にはここまで割り切ってほしかった、と思います。そうすれば、「驚愕」がいつまでも未刊行という中途半端な状況にはならなかったでしょう。

 

 

 皆さん、エロ同人誌なんて、自分の性的嗜好にあった作家を探せば満足だと思っていませんか? しかし、蛸壷屋同人誌の、原作のご都合主義をスルーしない精神は、時に予想外の面白さをもたらすことがあるのです。

 

 そんな蛸壷屋の同人誌を、これからもひそかに応援しようと思う僕でありました。