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2010-05-02

民主政権は「食の安全」を保障できなくなった - 口蹄疫感染問題から

 

 

 4月20日に宮崎県で発症が確認された、家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」対策のために、5月1日、東国原宮崎県知事は自衛隊に災害派遣要請を行った。

時事ドットコム:口蹄疫で自衛隊派遣要請=宮崎県

 

 

 2000年、同じ「口蹄疫」が発症した際は、農水大臣が記者会見を開き、マスメディアもそれを報じたものだ。

 しかし、現政権の赤松農水大臣は、この事実を知りながらも、4月30日からコロンビア・キューバに外遊している。

 担当大臣が記者会見を行わないかぎり、その問題が大々的に報じられることはない

 

 

 野党である自民党では、谷垣総裁を本部長とした対策本部を立ち上げ、谷垣総裁みずから現地視察を行い、4月30日に政府へ42項目の要請を申し入れた。

 

 ところが、その申し入れの対応を予定していた鳩山総理や赤松農水相は、当日になってその予定をキャンセルした

 その後、自民党本部で行われた記者会見では、驚くべきことに、国から宮崎県に消毒薬が一滴も支給されていないことが明らかにされた。

(くわしくは後述)

 

 中国・韓国では、この口蹄疫感染により、畜産業は多大な被害を受けた。

 現政権の対策が遅れていることは、甚大な被害拡散を招くと、畜産業界では懸念されている。

 

 これまで日本は「食の安全」を保障していたといわれてきたが、現状を見るかぎり、政府はそれを保障できなくなったと思われる。

 

 

 口蹄疫の発症は2000年以来のこと。

 当時は農家4戸での感染のみで収束したが、今回は2010年5月1日現在で15例の感染が確認され、殺処分対象となった牛と豚は計9000頭に達している。

アサヒコム:口蹄疫感染の疑い 14・15例目は豚と牛 宮崎県

 

 口蹄疫は家畜にのみ感染し、人体には影響しない伝染病だが、「口蹄疫清浄国」にならないかぎり、諸外国に牛肉を輸出することはできない。

日本経済新聞WEB:牛肉輸出を全面停止 農水省、「口蹄疫」で

(2000年3月に発症が確認された際は、4戸のみに感染被害をとどめたのに関わらず、同年9月になるまで、日本は「口蹄疫清浄国」に復帰することはできなかった)

 

 感染が発症した4月20日、赤松農水相は「万が一食べたとしても人体には全く影響はない」と説明した。

 しかし、今、日本産牛肉は、国際的に「危険」と見なされている状況なのだ。

 

 2000年に比べて被害が拡大している現状では、赤松農水相の辞任だけでも問題は収束できまい。

 ただちに、鳩山首相は国民に向かって状況を説明し、みずからが主導して対策しなければならないはずである。

 

 

 しかし、赤松農水大臣は外遊し、政府からの記者会見は行われず、「食の安全」に敏感であるはずの日本国民が、この問題にきわめて鈍感になっている

 

 

 そんな政府の対応を、自民党の口蹄疫対策本部は会見を開き、批判している。

 

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 そこでは驚くべき内容が語られている。

 

  • 10年前に比べ、現場対策の初動が遅れている。
  • 10年前は、100億という予算を即決し、4戸のみに感染を封じ込めることができた。
  • しかし、今回は、政府からは宮崎県に一箱も消毒薬が支給されていない。
    http://www.youtube.com/watch?v=UOSIYeXZIuA#t=8m57s
  • それどころか、舟山康江農林水産大臣政務官に申し入れた際には「県の対応の遅れ」を指摘された。
  • 一部メディアが「政府が対応した」と報じているが、それは誤りである。
  • 自民党は、谷垣総裁が本部長とした対策本部を作り、谷垣総裁みずから現場視察を行い、42項目の要請を申し入れをした。
  • しかし、赤松農水大臣はこのような状況を知っているのに関わらず、コロンビア・キューバへの外遊に赴いている。自民政権時代からすれば、前代未聞のことである。

 

 東国原宮崎県知事は4月27日に東京に赴き、赤松農水大臣および自民党谷垣総裁らに、口蹄疫対策の支援を訴えた。

YOMIURI ONLINE:宮崎の口蹄疫対策、農相が全面支援を約束

 

 しかし、谷垣総裁が翌28日に現場視察をしたのに比べ、赤松農水相は被害が拡大しているのに関わらず、4月30日に予定していたコロンビアやキューバへと外遊に発った。

 

 その4月30日、自民党・口蹄疫対策本部による政府への申し入れは、鳩山総理と赤松農水相も対応する予定だったが、当日になってキャンセルしたという。

江藤拓公式ブログ:官邸へ口蹄疫対策要望

 

 

 果たして、現政権は口蹄疫対策に真剣に取り組んでいるのだろうか。

 なぜ、経験豊富な自民党の対策本部と連携しようとしないのだろうか。

 口蹄疫は「人体に被害がない」とはいえ、「口蹄疫清浄国」でなくなった日本は、それに復帰できるまで、諸外国に牛肉を輸出することができないのだ。

 

 日本の牛肉輸出は生産の1%にすぎないとはいえ、「口蹄疫清浄国」に復帰するべく、全力で取り組まなければならないはずではないのか。

  

 

 これまでの自民政権では、担当大臣が記者会見を行うことで、これらの問題を国民に認知させていた。

 しかし、今の民主政権はそうではないらしい。

 そして、「食の安全」に敏感であるはずの日本人も、政府が記者会見を開かなければ、それを知らないままでいるのである。

 

 

 現政権は、「食の安全」すらも保障できない

 消毒薬の確保をはじめ、自衛隊の要請などは、すべて地方自治体が、国に頼らず、果たさなければならないようだ。

 

 そのために必要な経費を、いったい誰が保障してくれるというのか。

 少なくとも、自民政権のときは、即座に予算が確保され、封じ込め対策がとられていたはずだが。

 

 

 この「口蹄疫」対策を見るかぎり、現民主政権は「安全保障責任を放棄している」と結論づけざるをえない。

 

 

 韓国や中国では、民間はともかく、政府はその対策に真摯に取り組んできた。

 今の日本の場合は、民間や地方自治体のみが対策に奔走し、政府はそれに取り組もうとしない。

 

 宮崎県では、消毒薬が不足していると悲鳴をあげ、ついには自衛隊に派遣要請するに至ったのにも関わらず、である。

 

 

 現民主政権の危機管理能力は、韓国・中国以下と断言していい。

 

 「自民政権も民主政権も同じ」という人は、ぜひとも、このニュースを知って、そのことを考えてもらいたい。