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2011-05-28

Wikipediaの英語版と日本語版の違い ―虚か実か―

 

D

 

 デーモン小暮(現・デーモン閣下)で有名な「聖飢魔II」の代表曲のひとつ『EL. DORADO』

 この曲の公式クレジットは「作詞: デーモン小暮、作曲: デーモン小暮・紫馬肥」となっている。

 

 しかし、ファンならば、誰もがこの曲のメロディラインを作ったのは、当時「聖飢魔II」に加入していなかった「ルーク篁」であることを知っている。

(「紫馬肥」というフザけた名前は、デーモンとルークがデビュー前に組んでいたバンド名)

 だから、実態を反映させるなら「作詞: デーモン小暮、作曲: デーモン小暮・ルーク篁」と掲載するべきなのだ。

 

 ところが、レコード会社の宣伝広告媒体ではないはずのWikipediaでも、テンプレートでは、レコード通りの表記が徹底されている。

 

EL. DORADO - Wikipedia

 

 こういうところは、日本語版だけの慣習である。

 悪弊であると言ってもいい。

 

 英語版では、それは異なる。

 作詞・作曲者のクレジットは、著作権登録されたものではなく、その実態を示すものに改められているのだ。

 

 例えば、リンゴ・スターが、ビートルズ解散後に、初めてシングルヒットを飛ばした曲『明日への願い/It Don't Come Easy』。

 

D

 

 レコードでは、作詞・作曲は「Richard Starykey(リンゴの本名)」単独表記になっている。

 しかし、この曲でビートルズの元メンバー、ジョージ・ハリスンがライティングに加わっていることは有名だ。

 だから、英語版Wikipediaでは作詞・作曲者(writer)は「リンゴ&ジョージ」となっている。

 それでも、日本語版Wikipediaでのテンプレートは、リンゴ単独表記なのである。

 

It Don’t Come Easy - Wikipedia, the free encyclopedia

明日への願い - Wikipedia

 

 このような例は、他にあげればキリがない。

 

 映画「イージー・ライダー」の主題歌のひとつ「イージー・ライダーのバラッド」。

 

D

 

 レコードでは、この曲のライターはByrdsのロジャー・マッギン単独表記になっているが、実際はボブ・ディランが曲作りに大きく関わったといわれている。

(レコード会社との契約上、ディランは映画に曲提供ができなかったらしい)

 ゆえに、英語版Wikipediaでは、作詞・作曲者は「ロジャー&ボブ」となっているのである。

 

Ballad of Easy Rider - Wikipedia, the free encyclopedia

 

 レコードにおける作詞・作曲者の公式クレジットは、著作権が絡み、印税問題が発生するために、当事者が問題を解決するまで改まることはない。

 しかし、Wikipediaにおける表記が、それに従う必要はないはずだ。

 

 ネット世論の重要さが日増しに唱えられているなか、このような、実より虚を取る日本語版Wikipediaの慣習は改めるべきであろう。