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ヨーロッパから環境事情 (オックスフォードの環境博士の日記) このページをアンテナに追加


新しいブログを自分のドメインで始めました:
http://blog.takeshitakama.com/


基本的に、もうはてなダイアリーは更新しないつもりですが、今のところ上のブログと同時のアップしています。

英国の古都オックスフォードに住んでもうすぐ8年。オックスフォード大学の環境学部で博士を取り、そのままシンクタンク系の環境研究所で働いています。クライアントは主に国連、欧州連合、政府系開発エージェントで、活動地域はアフリカなどの途上国が中心です。その為、私の活動範囲は環境単独でなく、発展と環境の仕事です。

例えば、私が関わっている温暖化・気候変動のプロジェクトは、気候モデルの研究ではなく、「適応策」といわれる「温暖化が始まっている不確定性を考慮した」発展問題についてです。他に興味がある事は、マイクロ・ファイナンス、クリーン・燃料としてのバイオ燃料、アフリカ問題、赤道原則などのCSR、発展と教育、不確定下での意思決定、それから、もちろん日本の動向の事。 ただいま、日本の某離島生活中!

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2008-04-16 バイオ燃料 VS 食料 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

何だか、「バイオ燃料」対「食料」の様になってきて心配です。昨日も書きましたが、バイオ燃料が食糧価格の高騰に与えている影響は地域特定の要因であり、世界的な要因ではない。アメリカなどでバイオ燃料は活発ですし、それにより穀物投機目的で売り買いされている事も事実。その事実は、ある一部の世界での話。

多くの世界では、「バイオ燃料」が食糧価格の高騰に大きく影響を与えているとは言えない。「バイオ燃料」をもっと必用としている地域はある。その理由は、温暖化・気候変動などの為の炭素排出削減といった世界規模の理由ではなく、健康女性労働削減と言ったもっとローカルな理由からだ。

先日も書いたが(アフリカのバイオエナジー事情)、僕は少なからず、エチオピアの「バイオ燃料」のプロジェクトに関わっている*1

ここで一番使われている燃料は「薪」、「チャコール」、「ケロシン」。どれもあまりクリーンな燃料とは言えない。これらは多くの煙をだし、匂いもきつい。先日も書いたように、もしこれらの「エネルギーの階梯(Energy ladder)」をあがっていければ、これらの健康を害する煙を家庭から排除できる。

「薪」と「チャコール」から「ケロシン」に「エネルギーの階梯」をあがるのはよい。それにより、女性などが何10キロの薪を運ばなくてすむ。しかし、「ケロシン」も煙を出すし、爆発の恐れがある危険な燃料だ。僕も日本オーストラリア自転車で何ヶ月も旅行したとき、ケロシン・ストーブを使っていたので知っているが、かなり臭くて、爆発の恐れでいつも多少びくびくしていた*2

「ケロシン」から「バイオ燃料」に移れば、これらの問題は解決される。エチオピアのProject Gaiaは現地で「エタノール」を作って成功している。地元でもかなり「ケロシン」から「エタノール」の「CleanCook Stove」に移ってきている。


バイオ燃料対食料」が一般化して、「使われ方」や「バイオ燃料のもと」を考慮にいれず途上国バイオ燃料プロジェクトに支援が得られなくなることが心配です。

AFP】「バイオ燃料大量生産は、世界の食糧価格破壊する『人道に対する罪』である」。国連UN)の「食糧を守る権利」に関する特別報告官ジャン・ジグレール(Jean Ziegler)氏が14日、ドイツラジオ番組で発言した。

■食糧用耕地を乗っ取る燃料用穀物生産

 

 独バイエルン放送(Bayerischer Runfunk)のラジオ番組に出演したジグレール氏は、「今日バイオ燃料生産は人道に対する罪だ」と述べた。

 耕地をバイオ燃料用の穀物生産に使用することで、食糧生産のための耕地が減少してしまうとの指摘は、多くの専門家らが警告している。

バイオ燃料生産は「人道に対する罪」、国連報告官 国際ニュース : AFPBB News

バイエルン放送のラジオ番組に出演した国連「食糧を守る権利」特別報告官ジグレール氏は『今日バイオ燃料生産は人道に対する罪だ』と述べた。

 まったくその通りだ。

 食糧を燃料にすることは本末転倒だ。

 我が輩はバイオ燃料を全面的に反対するのではない。

 生ゴミ、雑草など廃棄処分にしなければならないものを燃料化することは大賛成だ。どんどん推進して欲しい。

島谷的舞録゛

ワシントン=渡辺浩生】食糧の世界的な価格高騰を受け、ブッシュ大統領は14日、2億ドル(約200億円)の緊急食糧支援を行うと発表した。食糧不足に悩む途上国では政情不安につながり、13日にワシントンで開かれた世界銀行国際通貨基金(IMF)合同開発委員会でも緊急支援の必要性が叫ばれた。食料インフレの元凶として米国バイオ燃料政策が指摘されており、政権の素早い対応には、こうした批判を回避する思惑もありそうだ。

「食糧危機 米大統領が貧困国へ2億ドル緊急支援」世界から‐南北アメリカニュース:イザ!

基本的な食料品の価格は過去数か月で急騰しており、エジプトカメルーンコートジボワールモーリタニアエチオピア、マダガスタル、フィリピンインドネシアなど多くの国で激しい抗議活動が行われた。コメトウモロコシ、小麦などの穀物価格は、今後も上昇するとみられている。

現在、世界穀物在庫量は記録的な低水準となっていることに加え、2007年3月以来、大豆価格87%、小麦は130%上昇している。この背景として、中国インドでの需要が増加していることや大豆トウモロコシバイオ燃料に使用されていることなどが指摘されている。

持続可能な社会と金融CSR: 食糧危機対策として農業分野での改革を、専門家組織

だから、この問題を解決するのに必要なのは、熱帯雨林破壊してCO2を倍増させるバイオエタノール生産をやめ、穀物価格の安い時期に欧米農家保護するために設けられた輸出補助金などの農業保護を廃止して穀物価格を引き下げることだ、とEconomist誌は指摘している。

「食糧危機」の本当の原因 - 池田信夫 blog

*1:Project Gaia http://www.hedon.info/goto.php/ProjectGaiaEthiopia

*2:一度1Mくらいの火柱たったときは腰がぬけました。