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ヨーロッパから環境事情 (オックスフォードの環境博士の日記) このページをアンテナに追加


新しいブログを自分のドメインで始めました:
http://blog.takeshitakama.com/


基本的に、もうはてなダイアリーは更新しないつもりですが、今のところ上のブログと同時のアップしています。

英国の古都オックスフォードに住んでもうすぐ8年。オックスフォード大学の環境学部で博士を取り、そのままシンクタンク系の環境研究所で働いています。クライアントは主に国連、欧州連合、政府系開発エージェントで、活動地域はアフリカなどの途上国が中心です。その為、私の活動範囲は環境単独でなく、発展と環境の仕事です。

例えば、私が関わっている温暖化・気候変動のプロジェクトは、気候モデルの研究ではなく、「適応策」といわれる「温暖化が始まっている不確定性を考慮した」発展問題についてです。他に興味がある事は、マイクロ・ファイナンス、クリーン・燃料としてのバイオ燃料、アフリカ問題、赤道原則などのCSR、発展と教育、不確定下での意思決定、それから、もちろん日本の動向の事。 ただいま、日本の某離島生活中!

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2008-04-21 スパコン・プロジェクトと見た目じゃない気候変動のモデル このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

「それは問題だ」


地球シュミレーターが出来た頃、オックスフォードパブ北米学生とその話をした時にいきなり言われた言葉だ。


「何が問題なんだよー」


と言うつもりだったが、言わなくても何故彼が「問題だ」といったか分かっていた。日本スパコンで負けるのは、アメリカには理由がなくともって言うか、何らかの理由をつけてまで問題になるのだ。

だから、「京速計算機で最速のスパコン再び!」の話がでた時は、「ヤレー!、ヤレー!」と応援したいたけど、こんな事になっていたんですね。

この「京速計算機」というのは、悪評高い「日の丸検索エンジン」を上回る、まさに戦艦大和級のプロジェクトのようだ。

そもそも、このプロジェクトの発端は、地球シミュレータの年間維持費が50億円と、あまりにも効率が悪く、研究所側が「50億円もあったら、スカラー型の新しいスパコンができる」という検討を始めたため、ITゼネコンがあわてて次世代機の提案を持ち込んだことらしい。事実、最近のスパコン地球シミュレータの性能価格比は、次のように桁違いだ:

名称 完成年  最高計算速度(TFlops)  建設費($)  TFlops単価($) 

TACC Ranger 2007 504 300万 6万

IBM Blue Gene/L 2004 360 1億 28万

Earth Simulator 2002 36 5.5億 1500万

スパコンの戦艦大和「京速計算機」 - 池田信夫 blog


この様な基礎「的な」研究も必要なのでしょうが、あまりにも予算が違いすぎてびっくりです。

これらのスパコンを使った「プロジェクト」で必ずしも予算が大きいものが成果や評価を上げているとは限らないので、少し考えることが大事かもしれませんね。例えばオックスフォード大学climateprediction.net世界中の家庭のコンピューターインターネットでつなげて気候変動をシュミレートしているわけですから、スパコンは一切使っていません。それでいて、成果や評価も上げています。

気候変動のシュミレーションについてもっと言えば、コンピューターの速度はある意味諸刃の剣」になっている部分もあります。「ハイレゾの結果」を最速のスパコンが出しても、それが気候変動・温暖化予測の精度を上げているとは限らないのです。しかし、「ハイレゾの結果」を見ると、いい結果が出ていると勘違いしてしまいます。少なくとも、ある英国官僚の方はそれで、気候研究者から怒られていました。

ある意味、「シム・シティー」や「セカンド・ライフ」のグラフィックが向上したのを喜んで、「人工知能」に近づいたと勘違いしているようなものです。「見た目が大事」なの色恋の話だけでは無いんですね。

京速計算機どうなるんですかね。大金をはたくのですから、出来て数年で大したことないスパコンになっていないことを願っています。せめて、あの学生にどこかのパブで「京速計算機は問題だ」といわせるぐらいのものに仕上げてもらいたいです。





それに異議をとなえる外資を排除することで、御用学者食物連鎖の末端でおこぼれにあずかっているわけだ。

霞が関の食物連鎖。:貞子ちゃんの連れ連れ日記 - AOLダイアリー

特に情報産業のようにイノベーションの激しい部門では、人々や企業の目的を集計して計画を立てているうちに状況は変わってしまう。社会主義重化学工業では一定の成果を上げたが、1960年代以降、イノベーションの速い情報産業に適応できなくなり、最終的に崩壊したのと同じことが、経済学経済政策にも(40年遅れで)起こっているのである。

「社会工学」はなぜ失敗するのか - 池田信夫 blog