進化する大人たちへ

2017-07-19 購入本

品種改良の世界史・作物編

品種改良の世界史・作物編

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2017-06-22 購入本

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2017-06-05 読了(杉山『グローバル経済史入門』)

グローバル経済史入門 (岩波新書)

グローバル経済史入門 (岩波新書)


学問分野が細分化されている昨今、テキストとは言えども、世界経済史を単独の著者が書き記すのは、まったく容易ならざることだろう。だが、著者はその困難に敢えて挑んだ。まず、このことは高く評価されるべきだろう。「あとがき」によれば、本書は、著者が長年教壇に立った慶応大での講義を基礎にしたものだというが、おそらくそれゆえにこそ、書きあらわされた書とも言える。また、世界経済史の著作としてはやや異例ながら、アジアに相当の分量を割いて論じていることや、日本経済の江戸時代からの発展過程を世界経済の発展過程のなかに位置づけて論じているのも、特筆されるべき点である。また、最近のグローバル・ヒストリーの研究動向を反映してか、エネルギーについての視点が重視されていることにも、好感を持った。


ただ、著者は本書の範囲を「約700年」と言っているが(p.12)、これはどうか。700年ということは、1300年代の前半から議論がなされるはずであるが、1300年代についての記述は、本書では、ごくわずかしか見当たらない。1400年代についての記述は、さすがに増えるが、それでも全体から見ればわずかであることに変わりない。本書で扱われる主たる時期は、やはり大航海以降の約500年である。


新書という制約のなかで、世界経済史の約500年を論じたがゆえの結果なのか、本書の記述は、事実関係の簡潔な紹介に徹する形で淡々となされており、著者の思いや息遣いのようなものは抑制されている(「エピローグ」を除く)。つまり、川北稔や玉木俊明の新書のように、著者の思いや息遣いが伝わってくる本と比べると、随分とトーンが違うのである。したがって、世界経済史の基礎知識=史実についてある程度の知識を持っている者にとっては、本書をグローバル・ヒストリーの観点からの史実の再解釈の書として読めるにしても、この淡々とした叙述ゆえに、「入門」を謳う割には、初学者が引き込まれる読みやすさを備えているとは言えないように感じられる(こうした点では、川北や玉木の本のほうに、分がある)。私自身は、本書と同じようにアジアに重点を置いた世界経済史の書物としては、本書よりも史実を丹念に紹介しつつ、著者の息遣いもある程度感じられる『世界経済史入門:欧米とアジア』(長岡新吉・太田和宏・宮本謙介編、ミネルヴァ書房、1992年)のほうが、初学者にとっては学びやすいのではないか、と思う。したがって、本書は、世界経済史の完全なる入門書ではなく、むしろ、世界経済史についてある程度の知識を持っている者が、それらを関係史的な視角から捉え直すための入門書である、と評されるべきだろう。

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2017-05-29 読了(藤井『大地の五億年』)

良い本。

人間は、食料によって供給される栄養分なしに生存できず、人間の生存なしに高度に発展した経済社会も成り立たない。そして、その食料に含まれる栄養分(窒素、リン、カルシウムなど)を供給するのが土壌である。

本書は、土壌そのものと、それに影響する森林、きのこ、微生物などの生物、さらには飛躍的な食料生産増を可能にした肥料などの関係を、多面的に、歴史的展開も含めて、平易に論じている。多くの文系学徒、とりわけ経済学徒が読んでおくべき本である。

著者は、理系の若手研究者ながら、映画や文学作品、格言などを話の入り口に据えながら議論を展開するなど、土壌を専門としない読者をひきつける文才をも持っている。

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2017-05-24 購入本

応地先生の本、ちょっと高いっす。

トンブクトゥ 交界都市の歴史と現在

トンブクトゥ 交界都市の歴史と現在

稲と米の民族誌 アジアの稲作景観を歩く (NHKブックス)

稲と米の民族誌 アジアの稲作景観を歩く (NHKブックス)

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2017-05-18 メモ(インド農業、灌漑、井戸、地下水)

○インドの地下水灌漑とその持続性

→参考:

藤田幸一「インドの米需給と関連する諸政策」日本農業研究所編集『世界の米需給動向と主要諸国の関連政策:世界の米需給動向と政策研究会報告』(日本農業研究シリーズNo.18)、2012年、pp.79-94。

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2017-05-17 メモ(スリナム農業)

○スリナムにおける水田開発、灌漑稲作の歴史的経緯:オランダ植民地支配下時代の1950年代に、スリナムのワーヘニンゲンで、大規模稲作プロジェクトが実施された。これにより、人口一人あたりで世界最大規模の灌漑稲作水田を有するようになった。また、この地では、セスナ機を活用した農薬散布などによる、大規模な機械化された稲作が展開されている。だが、この機械化された稲作農業は、東南アジアの稲作農業よりもコストが高い。これが何とか成り立ってきたのは、ACP加盟国として、EC/EUへの輸出が特恵関税の恩恵を受けていたから、の模様。


→参考:

及川洋征「スリナム低地農業の現状と課題」『熱帯農業』49, pp.87-88

・Theodorus Petrus Maria de Wit, "The Wageningen rice project in Surinam: A study on the development of a mechanized rice farming project in the wet tropics", <http://edepot.wur.nl/45837>

・Bastiaan de REGT, "Irrigation and the rice sector in Suriname", http://www.nzdl.org/gsdlmod?e=d-00000-00---off-0hdl--00-0----0-10-0---0---0direct-10---4-------0-1l--11-en-50---20-about---00-0-1-00-0--4----0-0-11-10-0utfZz-8-00&cl=CL2.14.6&d=HASH987f9add1c8651aadec09d.7.11&x=1

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2017-05-16 メモ(東南アジアや南アジアで灌漑が発達していた地域)

○東南アジアや南アジアで灌漑が発達していた地域(それゆえに緑の革命に反応した地域)

・フィリピン中部ルソン

・インドネシアのジャワ

・インドのパンジャーブ

・スリランカ など

→以上についての参考:

・速水佑次郎『開発経済学』新版、創文社、p.112。

・粗信仁「灌漑の国スリランカ」『ARDEC』第54号。

・中村尚司『スリランカ水利研究序説:潅漑農業の史的考察』論創社

・山岡茂樹「王様のタンクから平和の水を」『農業土木学会誌』72(2)、pp.136-138。

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2017-05-15 メモ(単収、灌漑・土地改良、改良品種の採用の伸び方)

○世界各国の穀物(特に米)の単収の伸び方、灌漑・土地改良の伸び方、改良品種の採用の伸び方の歴史的経緯とデータ

・日本、インドネシア、フィリピン、台湾、朝鮮・韓国での単収と灌漑の伸び方→速水佑次郎『開発経済学』新版、創文社、2000年、pp.96-107。


・日本、台湾、朝鮮・韓国、フィリピンでの単収と灌漑の伸び方→速水佑次郎・神門善久『農業経済論』新版、岩波書店、2002年、第4章。

*台湾、朝鮮での灌漑の整備は台湾で先行し、朝鮮は少し遅れたこと、それゆえに単収の伸びも、台湾のほうが先行したことが、紹介されている(pp.115)。


・日本、タイ、フィリピン、ビルマ、仏印、マレー、蘭印、台湾、朝鮮、中国での単収の伸び方→下村恭民「農業生産力から見た東南アジアの開発初期条件」『国際開発研究』第25巻第1・2号、pp.139-145(自給率のデータもあり)。


・フィリピン、スリランカでの単収と灌漑比率と改良品種の伸び方→菊池眞夫「緑の革命と灌漑:アジアとサブサハラ・アフリカ」日本農業研究所編集『世界の米需給動向と主要諸国の関連政策:世界の米需給動向と政策研究会報告』(日本農業研究シリーズNo.18)、2012年、pp.21-56。

*「改良品種の導入に先立ち灌漑比率の上昇が始まっている」(pp.37-38)、「灌漑面積の増加がより大きな稲生産量の増加をもたらす」(p.38)、「灌漑発展→改良品種普及→肥料増投という、モンスーンアジアにおける典型的な稲作発展経路」(p.38)、「途上国の灌漑投資は、(中略)太宗は世銀やアジア開発銀行等の国際援助金融機関の融資やUSAIDやJICAのような先進国の国際援助機関の支援によるもの」(p.40)、「国際米価水準の高騰傾向が灌漑投資を誘発し、それが改良品種の導入、肥料の増投を準備した」(p.41)、「いったん建設された灌漑システムはシステム運用のための維持管理費(O&M)を必要とし、また建設から時間が経てば、システムの大修繕、近代化が必要」(p.41)、「灌漑は先行条件的重要性を持つ」(p.50)。

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2017-05-14 メモ(東南アジア農業の2類型)

○「内向きで閉ざされた農村社会」と「外向きで開かれた農村社会」に関わって

→参考:

・加納啓良「農村社会の再編」加納啓良責任編集『植民地経済の繁栄と凋落』(岩波講座東南アジア史 第6巻)岩波書店

・斎藤照子『東南アジアの農村社会』(世界史リブレット, 84)山川出版社


○「山地での焼畑稲作」と「平地での水田稲作」に関わって

高谷好一『「世界単位」から世界を見る:地域研究の視座』京都大学学術出版会。

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2017-05-13 メモ(東南アジアでの稲作水田開発と灌漑整備の歴史的経緯)

○東南アジアでの稲作水田開発と灌漑整備の歴史的経緯(「開かれた農村社会」にも関わって)

→タイ、ビルマ=ミャンマー、仏印=ベトナム、蘭印=インドネシアでの大規模な灌漑・排水事業について、下村恭民「農業生産力から見た東南アジアの開発初期条件」『国際開発研究』第25巻第1・2号、pp.139-145、では、19世紀以降の下記のことについて、言及がなされている。

・チャオプラヤーデルタのランシット地帯の排水運河建設・灌漑事業

・ビルマ運河条例下での灌漑用水、築堤工事

・メコンデルタでの多数の運河開削・排水事業による水田面積の急増

・オランダの近代技術によるジャワでの科学的灌漑の推進


抜粋:

「このような戦前の経験は、戦後の精力的なインフラ整備の苗床であったといえる」。「1938年度のビルマの灌漑面積は総耕地面積の8.5%」、「ジャワの水田における『科学的灌漑』普及率(1940年)は42%」、「台湾の田畑の灌漑率(1941年)は62%」(下村論文、p.143)。

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2017-05-12 メモ(東南アジアのデルタでの稲作について)

チャオプラヤーデルタ、メコンデルタ、イラワジデルタでの19世紀後半以降の水田開発についての比較記述と統計データ

→参考:

・宮本謙介「植民地社会の経済構造:南・東南アジア」長岡新吉・太田和宏・宮本謙介編『世界経済史入門:欧米とアジア』ミネルヴァ書房、pp.181-185、にまとまった記述あり。

・杉山伸也『グローバル経済史入門』岩波書店、pp.161-167、にまとまった記述あり。

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2017-05-11 メモ(ビルマ=ミャンマー、イラワジデルタ農業)

○外向きで開かれた農村社会(3):イラワジデルタ

→参考:

・斎藤照子「ビルマにおける米輸出経済の展開」加納啓良責任編集『植民地経済の繁栄と凋落』(岩波講座東南アジア史 第6巻)岩波書店(輸入したヨーロッパ側での需要の質についても論じられている)。

・岡本郁子の一連の業績。http://ris.toyo.ac.jp/profile/ja.1500ead950115d802765177cca62de78.html

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2017-05-10 メモ(ベトナム、メコンデルタ農業)

○外向きで開かれた農村社会(2):メコンデルタ(原洋之介『開発経済論』第2版、岩波書店、第6章より要約)。

→参考(メコンデルタの農業開発について):

・高田洋子「インドシナ」加納啓良責任編集『植民地経済の繁栄と凋落』(岩波講座東南アジア史 第6巻)岩波書店

・高田洋子の一連の業績。http://www.u-keiai.ac.jp/teacher/international/inter-study/takada/index.html

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