2009-02-10
大人がみる珠玉のおとぎ話/吉田篤弘の本
クリームシチューのCMみたいな物語
私が吉田篤弘さんの本を読んでみたいと思ったのは、現代版の宮沢賢治をイメージする(と言ったらちょっと重すぎるかな)、大人向けの現実と幻想の世界が交錯した作風に惹かれたからでした。
吉田篤弘さんの本を手に取ると、ふっと、クリームシチューのCMが頭に浮かんでくるのは私だけかな〜^^;いつか見たような、ほんわかした家族が集うアニメーションと優しい音楽、温かい食事。強張っていた肩の力が抜けていく優しいイメージを呼び起こしてくれます。バックミュージックは山崎まさよしのバラードが似合いそう。
ちょうど今流れてる「ウコンの力」のCMのビジュアルも、なんとなく物語のイメージが重なるんだけど、商品がちょっと渋すぎるからな〜^^;
アートな魅力が光る装幀
聞くところによると、吉田篤弘さんは、奥様の吉田浩美さんと「クラフト・エヴィング商會」というユニットを組み、本の著作や装幀の活動も行っている方なんだそうです。2001年に、その分野に秀でた優秀作品に贈られるという、「講談社出版文化賞・ブックデザイン賞」を「稲垣足穂全集」と「らくだこぶ書房21世紀古書目録」の装幀で受賞されました。
- 作者: クラフト・エヴィング商會,坂本真典
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2000/12
- メディア: 単行本
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受賞作も美しいけれど、今回私が読んだ以下の本3冊も、シンプルなのに、まるで作品の顔のようにその世界観を映し出していて、それぞれの物語の扉にふさわしい素敵な装幀だと思います。
1冊目「それからはスープのことばかり考えて暮らした」
3冊のうち、1番最初に読んで、1番好きだと思ったのが本書。他の2冊は、どこかしら息をひそめて静かに流れる空気感を彷彿とさせるんだけど、この本の登場人物達は皆イキイキとしてるんですよ。版元が「暮しの手帖社」だし(関係ない?)、生活感、感情、生命力がくっきりあって、キャラクター達がちゃんと呼吸してる感じがとても良かった。
そして、この本のレビューをあちらこちらで読んでいると「サンドイッチとスープが食べたい」と、皆さんが口をそろえて言っていた理由がよ〜くわかる物語です。これは確かに食べたくなる(笑)というか、自分で作ってみたくなるかも。
美味しいサンドイッチ、特別なスープを作るコツは・・・?その秘密を知りたい方は、ぜひぜひご自身の目でお確かめ下さいませ。
- 作者: 吉田篤弘
- 出版社/メーカー: 暮しの手帖社
- 発売日: 2006/08
- メディア: 単行本
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2冊目「空ばかり見ていた」
ひとつひとつのお話が短く、10〜20分もあれば読めるので、寝る前やちょとゆったりした気分になりたい時に、1話だけ読んで幻想的な気分に浸るのもいいですね。ただ、内容がやや抽象的すぎたり、寓話っぽいお話もあるので、頭をほぐす目的で読もうとしたら逆に疲れちゃう・・・なんてパターンもあるかな。
私は「彼女の冬の読書」「ローストチキン・ダイアリー」「永き水曜日の休息」「草原の向こうの神様」の4つが好き。
「ローストチキン・ダイアリー」の、ティーバッグにちっこいお楽しみを入れておくプレゼントは、素敵なサプライズですよね。お話によると北欧の国の慣習らしいですが、小さい子が喜びそう。
ちなみに一つ前の記事の最後で触れた*1、「読みたいと思った時の気持ちが、数か月たった時にも残ってる本と、熱が冷めてるものがある。」というエピソードは、この「ローストチキン・ダイアリー」の中で出てきます。
「彼女の冬の読書」での手帳のエピソードはちょっと切なかった。手帳をどうして使わなくなったのか?使わない人はどうやって記憶をつなぎ留めているのか?
手帳なしでどうやって予定をたてるのか?どうやって昨日のことや明日のことを手元に引き寄せておくのか?たとえば、何か思いついたり、何か小さな発見をして「あっ」と思ったとき、まずは忘れないように手帳にメモをとるのではないのか?
それとも、もう誰も「あっ」と思わなくなってしまったんだろうか?
(〜中略〜)
「それをメールにしてすぐ送っちゃうわけです。『あっ』と思っては送り、『おっ』と気付いては送り、書き留めるんじゃなく、捨てるようにどんどん送ってしまうんです」
このエピソードを読んで、私は手帳にますます愛着が湧いてきちゃいました。私のほぼ日手帳は、相変わらずしょーもない落書きまみれなんだけど、「これからもずっと大事にしよう」って心から思った。
- 作者: 吉田篤弘
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/01
- メディア: 単行本
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3冊目「つむじ風食堂の夜」
「それからはスープのことばかり考えて暮らした」が面白くて、これも食堂がメインテーマということで、同じ食もの繋がりで期待していたんだけど・・・うーん、一番最後に読んだこともあって変に想像が膨らみすぎたかな。でも幻想的であり、現実的でもある世界観は変わらずに好ましく、面白かったです。
主人公の父上が出入りしていた劇場は、ドラマに出てくるような、昔の下町の埃っぽい演芸場をイメージして、ちょっとほわ〜っとノスタルジーを思い起こし、心が癒されます。
ラストシーンは切ないけれど、とても爽やかな感じ。きっと映像にしたらすごく絵になるシーンですよね。ミニシアター系で映画化してほしいなぁ。
これも、全8話からなる短編の連作集なので、気持ちを癒したい時に1話1話、ゆっくりと読み進めるのにうってつけの本です。
- 作者: 吉田篤弘
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2002/12
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- 11 http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&rls=GGLG,GGLG:2006-20,GGLG:ja&q=女性自身 江戸しぐさ
- 8 http://d.hatena.ne.jp/keyword/山崎まさよし
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- 5 http://ezsch.ezweb.ne.jp/search/?sr=0101&query=吉田篤弘
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- 5 http://www.google.co.jp/search?hl=ja&source=hp&q=吉田篤弘&lr=&aq=f&oq=
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