京都の一級建築士事務所expoです。

2009-03-26

レストラン・ラ・ターブル・オ・ジャポン

久しぶりの更新です。

先日3/18日に、新しいフレンチのお店をオープンさせました。場所は高辻通に面していて、御幸町麩屋町の間になります。

「ラ・ターブル・オ・ジャポン」という名前で、フランスのトゥール・トゥールという街にある「ラ・ターブル」というお店の日本店です。

http://www.latable-jpn.com/

京都イタリアンは多いけど、フレンチはそれほど盛り上がってないんですよね。

うーむ、京都はパリと姉妹都市なんだけど、フランス料理というと少し敷居が高いような気がするし、イタリアンパスタのように

フレンチの料理は、と言われてパッとイメージが浮かんでくるものが殆どないよねー、ふむ。

など時々考えることを今回も考えながら、オーナーシェフになられるクライアントの迎(むかえ)さんとまずは物件探しにいそしみました。

迎さん御夫妻は、本当に温厚な方。いい意味で素朴でやさしい雰囲気を持たれるので、逆に我々expoは妥協せずこの人達にぴったりの素敵なお店を作ってあげなければ、と燃えました。

実は、この迎さん、グリグリのノリさんから紹介して頂いたんです。そういう意味でもやはり仕事は「つながり」です。

さて京都は繁華街が限られた小さい街ですし、もとから空き物件も少ないのに、イメージに沿う箱を選ばないといけないので、この段階が非常に苦労します。

此の度も、ここもだめ、そこもイマイチ、あそこがもっとリーズナブルなら、今度こそ、むにゃむにゃと数々の建物を探偵のようにチェックしとうとう、変な面白物件に遭遇しました。高辻通りに面した古い民家の2階。

f:id:expo_kyoto:20080916134955j:image

なんだこれはー!

一階は駐車スペースにするため、柱と壁が一切ありません。上に建物がのっているのが不思議です。

・・・魔法のような建物ということもできる。

建築的に言って、メチャクチャ不安定なのは一目瞭然。地震と言わず、風が吹いても天空に飛んでいきそうな感じです。

もしかして、非常時には下にある車が2階を支えてくれるのかなー。ふふ(涙)。

二階は見るからに天井が低そう! 中が使えるのか!?

まあ、一応入ってみますか。

f:id:expo_kyoto:20080916133629j:image

やはり、想像以上に天井が低い。端の方だと、110センチしか高さがありませんでした。奥の方は立てないのです。

しかし、この屋根裏部屋的な狭さが非常に気に入りました。これは面白くなるんじゃあないかな。

早速迎さん御夫妻をこんこんと説得し、この建物を借りて頂くことになったのです。

ここをフランスの田舎、しかも屋根裏部屋にあるような個性的なレストランにしてみせますっ!

という流れで工事着工。まずは2階を解体し、お客さんが50人ぐらい乗っても大丈夫なように構造補強していきます。

イナバの半分ぐらいです。

f:id:expo_kyoto:20081230155728j:image

明らかに老朽化しており、柱や梁が怪しい。

兎に角一旦すべてをバラバラにしてもう一度組み立てるぐらいの気分で作りあげていきます。

一番苦労したのは、厨房内部の天井高さを確保する為に、鉄骨を補強して床を下げたところの計算でしょうか。

でも、お客さんには関係がないところなので、迎さんにだけ、頑張ってる旨をこっそり伝えておきました。

最終的には最初に頭の中でパッとイメージした雰囲気に限りなく近い空間の完成です。

エントランスはこのような感じ。

f:id:expo_kyoto:20090310132145j:image

漆喰の白に、イメージカラーの青いランタンが美しく映えるように、シンプルにデザインしました。

店名のロゴマークは、ペンキで手描きで描いたのですが、細い字を筆で塗るのは難しい。 

手が震えるんですよ、失敗も許されないし。まあ、頑張りをチェックしておいて下さい。

階段を上がって店内に入ると、このような勾配屋根の、梁があちこちを横切っている不思議な空間となっています。

f:id:expo_kyoto:20090310185531j:image

お店のデザインを考える時に何かの映画をイメージしたりするのですが、今回は好きなデンマーク映画

パペットの晩餐」の気分でいこう、と思い立ち、素材感や色彩、光などを決めていきました。どこが?というつっこみは無しです。

f:id:expo_kyoto:20090310145028j:image

天井が低く、薄暗い屋根裏部屋という隠れ家的な面白さを損なわないように、天井からの照明を極力排除し、照度を抑えるよう気を配りました。

トップライト(天窓)部分には実は照明が仕込んであり、夜でも光が差し込むようにも出来ます。

でも、店内を暗くして欲しいので、夜は照明はいらないかも・・。でもそれを言ってはアレなんで、いいんです。

さらに、全ての椅子の制作は、我らがpotitek(ぽちてっく)であります。

素朴なタモ材のフレームと、こだわったオレンジ色の生地(もちろん張ってもらったのは村上椅子)、素晴らしい仕事です。

f:id:expo_kyoto:20090310193937j:image

凄く気に入っています。この椅子に座るだけでも、お店に食べに行く価値があります。

冗談ではありません。「どう、ポチ、これでいいかな?」「オッケー」

そして、18日のオープンに先駆けて、食事も頂きましたが、想像していた以上に控えめでとても美味しい味付けの料理を堪能しました。

どれも良いのですが、特にお肉料理やデザートは何度でも食べに行きたくなります。というか行きます。

自分が通える店がまた新たに加わるのは、本当に楽しい。

迎さん御夫妻のこれからの活躍を確信しています。だっていい店ですから(自画自賛含む)。

皆さんも是非行ってみて下さい。

http://www.latable-jpn.com/

一級建築士事務所エキスポ 山根

花咲おばさん花咲おばさん 2009/05/22 23:59  はじめまして!
 このお店、友達の知り合いのお店で、先日誘われて来月一週目に食べに行く予定です。
 「ひょっとしてネットに載ってるかなあ」とあけてみたところ、このブログがヒットしました。
 すごーいですねぇ。えぇーっ!と思うような古民家が、こんな風に素晴らしく変身するなんて!!当日はお料理もさることながら、素晴らしく変身したこの民家の雰囲気を楽しみたいと思います。前の姿を思い浮かべながら(笑)

yamaneyamane 2009/05/26 23:56 花咲おばさん。はじめまして。コメントありがとうございます。
確かに、元の状態をご存知の方なら、この空間を、より楽しんでいただけることと思います。
当日は頭をぶつけないように注意して、おいしい料理を堪能してきてください。

エキスポ 山根

スパム対策のためのダミーです。もし見えても何も入力しないでください
ゲスト


画像認証