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2004-05-05 「消費者は犯罪者予備軍」

輸入盤CD規制に関するシンポジウム


遅れましたが、昨日新宿ロフトプラスワンで行われた同シンポジウムに参加してきました。

キャパ180人の場所に対し300人以上の聴衆者が集まり、引き換えできなかったドリンクチケットは換金し返還してくれたロフトプラスワン側の厚意に感謝しきりです。


詳しい内容については、以下のサイトを参考いただければ、と思います。

  …ブライアン・バートン・ルイス氏の番組で流れるって事は、J-WAVE金曜深夜2時からのTR2でも流れるかも。チェックしてみます。



今回のシンポジウムに参加して分かったことですが、改めてこの法案成立のいろいろな意味での脅威を感じてしまいました。

  • この法案成立にRIAA(全米レコード協会)が通すよう圧力をかけていること…つまりは日本では高く売れると踏み今回の法案成立を通そうとしている。しかもその文書があるのになぜかそれが出てきたのは最近のこと
  • レコード会社の人間の中に、今回の法案成立云々の問題を知らない者が多々存在すること
  • 流通量年間68万枚の還流CD(アジアから日本に逆輸入するCD。本来はこちらを阻止するのが法案成立の理由だった)は脅威でも何でもない数字なのに、これにより年間6000万枚もの輸入CD(並行輸入含む)が阻止されてしまう
  • 再販制度と輸入権のダブル行使により、消費者は高いCD(しかも大半がCCCD)を買うしか選択肢が与えられない状況になってしまう
  • 日米租税条約の04年7月の施行とリンクした今回の急な法案成立への動き(RIAA絡みか)
  • そもそも通常法案は衆議院通過が先だが、今回の参議院から、というのはその法案が「審議に取るに足らない」「議論の余地は無い」ものだからだ、という政治家の認識

取り上げればキリがありません。是非上記のサイトにてまずはシンポジウムの内容に触れていただければありがたいです。

自分の意見ですが、今回特に印象に残ったのはピーター・バラカン氏の発言。自分の考えと全く一緒でした。


レコード会社は客を犯罪者予備軍として扱っている」


この時出ていた話題は、今後mp3ファイルにコピーされた場所、人が追跡できるコードが入り、マイクロソフトの次のOSからそのコードが入れられる仕様になる、ということ。コードの話は世間にあまり大きく取り上げられてはいません。

ただ後で調べたところ、このコードについては音楽業界が強く要請して誕生したということです(英語資料へのリンクです。 音楽配信メモから情報を戴きました)。

CCCD絡みの話でもあるのですが、CCCD輸入盤禁止への布石も要はレコード会社が再販制度の矛盾に佇みながら再販制度自体にメスを入れない、つまりは金額はそのままなのでCDの過渡期に入り売れなくなるのは自然の摂理(コアなユーザー層:アーティストのファンとして絶対CDを購入すると決まっている人、彼らしか買わなくなってくる)。なのに「CDが売れなくなったのは違法コピーや輸入盤を買う客のせいだ」との一方的な論理のままにCCCD輸入盤禁止の方向にだけ動き(輸入盤禁止にはRIAAの力もあり)、結局レコード会社努力は何もしていないのです。

前に日記にも書いたけど、15年も前にはCD複製用CD-Rが発売される見込み、とのニュースも流れていて本来ならその時に複製の脅威を感じてコピーワンスとかPCCD-R機能をつけないとかの働きかけをすればよかったのでは、と思うのです(結構極論に近いとはいえ)。それを最近まで放置し、しかも携帯の普及等でCDへ回るお金が少なくなってきていて、コアなユーザー層以外がCDへの支出を抑えてきている現在にあっても、CDの値下げという価格を下げて消費者の需要を喚起する、という経済では当たり前のことを何もしないで、売れないなら輸入盤禁止へ、というレコード会社のベクトルはどう考えても間違っている。つまりレコード会社の言い分はこうですね。

論旨のすり替えも甚だしいですね。今回のシンポジウムで某アーティストメジャーレーベルなんか滅びてしまえばいいと言ってたけど、それが凄く分かる。

今後私たちはどうすればいいか?

とにかく現状を周囲に伝えることが大事です。その上で署名や、現状の認知度の低いまま法案に賛成する勢いの衆議院議員への働きかけ、署名等も必要です。ネットで現状を知らせる、ということもすごく重要な作業なのです。

が。

署名を集めて分かったことですが、今回の件、とにかく認知度が低すぎます。現状を全く知らない人が知り合いのミュージシャンにも多すぎだった辺りから察するに、正直なところ

の力が十二分に必要なのです。ネットも大きな力を持っていますが、音楽を普段聴かずにいる人にも知ってもらわないといけないな、と思うのです。

5/1発売の音楽誌ROCKIN' ONで今回の輸入盤禁止の件が掲載される、という話を聞いたのですが、実際のところは今回の号でCCCDしか取り上げておらず、輸入盤禁止問題については次号、ということでした。正直腹立たしいです。今月下旬に衆議院で審議されるのですから、ROCKIN' ONの今回の参加というのは結局スタンドプレイなだけ。見事な裏切りです。

今回のシンポジウムに来ていたメディアはテレビ朝日(カメラ1台)とJ-WAVETBSラジオ。今のところこれらのメディア報道がされた動きは全くありません。まさかROCKIN' ONと同じスタンドプレイでは…そうならないように祈っています。もしスタンドプレイだったならば、例えその意図が無くても、CCCDで萩原健太氏が反対発言をした時にレコード会社が圧力や嫌がらせを行っていたことと同じことが起きているものと勘繰ります。というか、その圧力に負けて消費者の立場になってくれない現状こそ、今のメディアの脆さと愚かさを思っています。

是非とも上記の今回取材メディアにきちんと報道してほしいです。