facethemusic RSSフィード

2004-09-30

もはや『JASRAC音楽を殺す』と言えるかもしれない状況に

日本音楽著作権協会は29日、著作権使用料を支払わずにピアノなどの生演奏を行っている名古屋市中区のスナックやバー4店を相手取り、著作権侵害行為として、演奏禁止や楽器音響装置の使用禁止を求める仮処分を名古屋地裁に申し立てた。対応次第で今後、計3265万円に上っている未払い使用料の請求訴訟も検討する。

(記事より抜粋)

昨日の裁判での判例におけるJASRAC及び裁判官の姿勢を糾弾した上で、『利者の一方的な一元論では、今後ますますこのような裁判が行われ、終いには私達が十分に音楽を享受できなくなるのでは、という懸念を抱きかね』ないと自分自身記載したのですが、まさに判決の翌日に、新たな申し立てをJASRACが起こしてしまいました。

判例の翌日に申し立てを行う行為は脅し以外の何者でもない、と考えざるを得ません。著作権の侵害自体は問題かもしれませんが、著作権の問題を啓蒙すべき立場の、そして音楽の潤滑油であるべき立場にあるJASRACが行っている行為は、(昨日の判例を正当なものとJASRACが考えるのであれば、それを公の場で述べきちんと遵守するよう呼びかけるのが正当な手段でしょう、にもかかわらず)裁判という場を用いて、法外な金額(妥当な金額を冷静に算出する必要があるでしょう。様々なサイトで金額の問題が指摘されています)を搾取しようとしており、とてもその行為が音楽ルールを守ってもらう為の啓蒙活動とは程遠い、最早脅迫による圧力である、と指摘せざるを得ません。

著作権侵害の事態そのものに関しては問題である、と自分は考えます。しかし、きちんとしたルールもなく突然店に現れ、裁判してもいい等と脅迫まがいの取立てをかける等、これまで露出したJASRACの行為は、結局JASRAC自身がきちんと正しい音楽の遵守を啓蒙することを行わなかったことが根底にあるものと考えることができるのではないでしょうか。

飛躍した私見かもしれませんが、JASRACの行為は音楽の楽しみを奪い、最悪の場合街から音楽が消える、音楽が(本来潤滑油であるはずの)JASRACに(そして著作権そのものの孕んでいる矛盾に)殺されてしまう、そう思ってしまいます。

ソニー・ミュージックエンタテインメント"“レーベルゲートCD仕様の終了"を公式発表

以下、全文抜粋します。

ネットワーク認証型コピーコントロールCDレーベルゲートCD仕様の終了について


2004年9月30日

 株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント(東京都千代田区、代表取締役 榎本和友、以下SMEJ)を本社とするソニーミュージックグループのレーベルカンパニー各社は、著作権保護機能を付加したネットワーク認証型コピーコントロールCDレーベルゲートCD” (※) 仕様2004年10月発売タイトル分の一部から段階的に終了し、同年11月17日以降発売する新譜については全て通常のコンパクト・ディスクとして発売することにいたしましたのでお知らせいたします。

※“レーベルゲートCD” は“レーベルゲートCD2”を含みます。

 “レーベルゲートCD仕様の導入を決定した2002年11月当時は、私的複製の範疇を明らかに越えたCD-Rへの複製行為やインターネットを通じた音楽ファイルの違法交換が急増し、音楽業界全体にとって放置しておくわけにはいかない状況にありました。

SMEJでは、このような違法行為の蔓延に歯止めをかけるために、以下の活動を推進してまいりました。

音楽著作権保護とその重要性を訴える

音楽に支払われる適正な対価により、新しい音楽が創造されていく「音楽創造のサイクル」を健全に維持していくことへの理解を求める

 こうした活動の一環として “レーベルゲートCD”の仕様を導入いたしました。

 その導入より2年弱が経過した現時点において、導入前に比べますと、著作権保護に対して、多くの音楽ユーザーの意識が高まり、一時の混乱期を脱したと判断されるとともに、法的環境の整備も進んできました。

  その状況に鑑み、SMEJでは、音楽ユーザーが求める音楽パッケージのあるべき姿について慎重な議論を重ね、その結論として、新譜の発売について、“レーベルゲートCD仕様の終了を決定いたしました。

今後も引き続き、著作権保護と「音楽創造のサイクル」の維持に対するユーザーの理解促進の活動をより積極的に推進するとともに、著作(隣接)権侵害行為等の違法行為に対しては、これまで以上に断固たる姿勢で監視・警告・法的措置をとってまいります。

 SMEJは、技術の進歩と音楽を楽しむライフスタイルや環境の変化を先取りし、より多くの音楽ユーザーに満足していただけることを責務としながら、音楽マーケットのさらなる拡大に邁進してまいります。



以 上

これで正式にCCCD仕様の終了が宣言されたことについて、喜ばしく思います。

無論、今後何らかの形でコピー制御という方法が取られる可能性が無いわけではありません。レコード会社の動向をきちんと監視し続けなければならないとともに、仮に新たな制約が起こされるのであれば、一方的なレコード会社からの押し付け(そして犯罪者的目線で消費者を見下すこと)ではなく、きちんと消費者サイドと話し合うことを第一段階で行ってもらわなければなりません。

ソニーの動向に関連して。

音楽配信メモ9/30付、及びOTO-NETA『SMEがレーベルゲートCD終了』より。公式BBSの祝福の声が本当に凄いことになっています。OTO-NETA管理人、CABさんの『こんな多くのファンが喜ぶことを今までやってこなかったの、やっぱりおかしかったんだよね』というコメントに共感します。

文部科学省のパブリックコメント募集に是非意見を提出しましょう

はてなの杖日記『[レコード輸入権]文化庁長官官房著作権課:著作権法施行令の改正に関するパブリックコメント(意見提出手続)の実施について』より。以下、内容を抜粋します。

本年の通常国会において、著作権法の一部を改正する法律平成16年法律第92号)が成立し、平成17年1月1日から施行されます。これに伴い、いわゆる音楽レコードの還流防止措置の適用となる期間を定めるため、著作権法施行令(昭和45年政令第335号)の改正を行う予定です。

 本件について御意見がございましたら、下記の要領にて御提出ください。

 なお、御意見に対して個別には回答いたしかねますので、その旨御了承願います。


【1.改正の概要】

 国外頒布目的商業用レコードを輸入する行為等が、著作権法(昭和45年法律第48号)第113条新第5項本文に規定する要件をすべて満たす場合であっても、国内において最初に発行された日から起算して「7年を超えない範囲内において政令で定める期間」を経過した国内頒布目的商業用レコードと同一の国外頒布目的商業用レコードであるときには、著作権又は著作隣接権を侵害する行為とみなされないこととされています(同項ただし書)。

 このたび、関係権利者の利益の確保と、関係事業者や消費者の利益の調和を図ることを基本としつつ、音楽レコードの国内市場における流通期間や、相当の売上げが期待される期間を総合的に勘案して検討した結果、当該「政令で定める期間」は、国内において最初に発行された日(この法律の施行の際現に発行されているものについては、当該施行の日(平成17年1月1日))から「4年」とすることといたします。

【2.御意見の提出方法】

(1) 提出方法 :  郵便、FAX又は電子メール ※  電子メールによる場合、テキストファイルにてお願いします

(添付ファイルセキュリティ上の理由により開くことができませんので、御留意願います。)。

※  電話による御意見の受付はいたしかねますので、あらかじめ御了承ください。

(2) 提出様式 :  次の3つの項目を明記の上、件名は必ず「著作権法施行令の改正に対する意見」としてください。  御氏名及び御所属(会社名・学校名等又は職業)

 御住所及びお電話番号

 御意見

※  御提出いただいた御意見(記載内容)は、御住所及びお電話番号を除き、すべて公表される可能性があることを御承知おきください。

(3) 提出先 : ○ 郵送の場合  あて先 : 〒100−8959東京都千代田区丸の内2−5−1

文化庁長官官房著作権課法規係

: ○ FAXの場合  FAX番号 : 03−6734−3387

: ○ 電子メールの場合  電子メールアドレス : chosaku@bunka.go.jp

(4) 提出期限 : 平成16年10月13日(水曜日) (必着)

【本件お問合せ先】 文化庁長官官房著作権課法規係

電話:03-5253-4111(内線2775)

(以下略)

音楽レコードの還流防止措置の適用となる期間を定めるため』の意見募集ということで、予定されている妥当期間が4年、とのことですが、何よりもまず、その"4年"という理由が全く分かりませんし、では4年間の間廃盤にもせず確実にCDを手に入れることができることが保障できるのか甚だ疑問です…など、不安や問題を挙げればキリがありませんが、まずはそういった意見をどんどん提出していきましょう。また今回は4年でOKか否かではなく、個別の意見が問われているので、前回(昨年12月)の著作権法改正案の是非に関するパブリックコメントで、文化庁がYESかNOかということだけしか明らかにしなかったような多数決の論理は起こらないはずです(前回のパブコメでは各レコード会社が社員総出で提出した、まるで文章例があったとしか思えないような、ほぼ一字一句同じ文章の意見が多く見受けられる現象−「茶番」と言っても過言ではないでしょう−があり、数として法案賛成と受け取られたばかりか、その茶番の文章を文化庁が公表しなかったという、隠蔽工作と捉えて仕方ないパブリックコメントになってしまいました)し、起こさせてはいけません。

音楽評論家高橋健太郎氏は今回のパブコメ募集の日から2週間が民意の勝負である、と説いています。

今日から二週間がひとつの正念場です。民意で押し戻す最後のチャンスとも言えます。ここで頑張らねば、いつ頑張るんだ!

(owner's log by Kentaro Takahashi『9月も終り』より)

このパブコメ運動は音楽未来を左右する大きなものになるかもしれません。

(個人的には、政治参加への大きなきっかけになり、これ以上の政治の悪事を民意で監視し防ぐ、そのはじまりになり得るとも考えています)

●関連

著作権法改正要望のパブリックコメントを提出する

http://publiccomment.seesaa.net/

パブリックコメント提出運動掲示板

http://jbbs.livedoor.com/study/5142/

The Trembling of a Leaf -パブリックコメント提出運動編-『[パブコメ提出運動] ポータルサイト仮公開』より。管理人の謎工氏が上記ポータルサイトを作成されています。こちらを活用し、是非民意で著作権法改正の動きを水際で止められるよう努めましょう。

日本レコード協会 機関誌「THE RECORD」9月号で掲載された前会長『「仏」を作る』発言

造反有理『「THE RECORD」9月号』より。

ここでの新旧会長の交代挨拶における依田前会長の発言が造反有理『「THE RECORD」9月号』に掲載されていますので、こちらでも抜粋させていただきます。

この制度導入の実現は、今まで以上に強固になった関係諸団体との連携、国会の諸先生方のご理解とご支援、法案を作成された文化庁のご尽力、経済産業省、知的財産戦略推進事務局他のお力添え等々、政財官民が一体となって誠心誠意取り組んだ成果であり、どれが欠けても成就できなかったものと考えています。特に、立法過程における議論の中で、国会の諸先生方にはご自身のご苦労を顧みず、知財立国の実現という国益の観点から制度実現にこの上ないご尽力をいただき、心強いかぎりでありました。まさに感謝の言葉が見当たりません。

 私としては、一つの法制度、いわば「仏」を作る過程に携わることができ、大変幸せでした。来年1月からの運用、すなわち「魂を入れる」ことについては、他の課題と併せ佐藤会長にお願いすることになりますが、強力なリーダーシップを発揮して道を切り開いていってくださるものと確信しております。

政財官民、とは言うものの、民意が全くといっていいほど反映されず、依田氏が前会長を務めていたavexは、言わば消費者をコピーの犯罪者(予備軍)扱いしたCCCDを最初に、そして全編に渡って導入してきたことからも、民意を聞く耳を持たない人物だったと言っていいでしょう。しかもこれら民意置去りの諸制度の導入が『「仏」を作る過程』と言い切れるというのは、どう冷静に考えても驕り高ぶる行為です。仏は民意を聞き入れることの出来るものであるでしょう。その対極にある今回の制度導入過程は圧政であり脅迫です。

会長が真の意味で仏の心を持った人間であることを望みます。

hogehoge 2004/09/30 00:14 ギター一本抱えて仕事してる流しのおじさんも訴訟対象かな?

face_urbansoulface_urbansoul 2004/10/02 09:18 コメントが遅くなり申し訳ありません。絶対訴訟対象にならない、と断言することが今の時代は出来ないのでは、という畏怖の念を抱かずにはいられません。音楽を守るはずの著作権に自由な音楽が殺されることほど異常な時代はないと思います。