こりゃまずいぜ



我々の世代は、医療の最先端といえばアメリカ合衆国で、医師になって留学する方のほとんどがアメリカ留学です。大学病院などで出世する方は、アメリカ留学を経験しハクを付けます。皆様も、経歴にアメリカ留学の経験があると、なんとなく立派な人だなぁ〜。なんて思いません?


そういえば、アメリカ留学という経歴詐称のおかげで、議員を辞職された方もいましたね!


つまらない話はさておき、アメリカの医療には、光と影があり、我々日本人は、アメリカの光の部分ばかり注目し、国を挙げてアメリカの医療をまねしようとしています。


アメリカというのは、資本主義が徹底しているチャンスの国です。チャンスをつかみに行くには大変いい国ですが、チャンスをものにできなかった人には、大変住みにくい国ではないでしょうか?


以下の記事では、アメリカ医療の影の部分が濃縮されています。少々長くなりますが、読んでみてください。




日本で意識回復 米・カナダ滞在中に脳死判定の3人


記事:毎日新聞社


脳死:米・カナダ滞在中に判定の3人、日本で意識回復----02-05年度、損保調べ


 ◇現地で「脳死」、日本で回復----「治療中止」納得せず


 米国やカナダ滞在中に脳血管の病気で意識不明になった日本人で、家族らが現地の医師から「脳死」と説明されたにもかかわらず、帰国後に意識を回復した人が3人いたことが中堅損害保険会社の調査で明らかになった。東京都内で開かれた日本渡航医学会で、損保の担当者が報告した。海外での脳死診断は日本ほど厳格でなく、治療を打ち切る場合があることを浮き彫りにする事例で、報告した担当者は「医療文化が違う国にいることをはっきり認識すべきだ」と警告する。


 報告によると、02-05年度に、旅行や仕事で米国、カナダに滞在中の旅行保険契約者9人が脳血管障害で入院。主治医は家族や損保の現地スタッフに「脳死」と説明した。うち3人の家族は「治療中止は納得できない」などと訴え、チャーター機で帰国。日本で治療を受け、意識が回復した。搬送費用の約2000万円は保険で支払われた。残り6人は、チャーター機手配に必要な額の保険に加入していなかったことなどから帰国を断念。現地で死亡したという。


 意識が戻った60代男性の場合、カナダで脳梗塞(こうそく)となり、入院した。人工呼吸器をつけなくても呼吸できる自発呼吸はあったが、医師は家族に「脳死」と説明したという。しかし、男性は帰国後1カ月で意識が戻り、記憶も回復した。


 日本、米国、カナダとも生命維持に欠かせない自発呼吸があれば脳死とは判定されない。回復した3例は病院の診断書に「脳死」との記述はなかった。病院側は損保に「保険会社で死の解釈が違う。治療費を保険で確実に出してもらうため、(病院としては)脳死かどうかは書かない」などと返答したという。


 日本医科大の横田裕行助教授(救命救急医学)は「海外の基準でも脳死なら意識は回復しない。米やカナダなどの一般医療現場では、回復は難しいなどの意味で脳死を使うことがある」と言う。


 ■解説


 ◇判定基準、病院間で相違


 米国は脳死者からの臓器移植先進国で、年間6000例前後が実施される。脳死は人の死という考え方が広く受け入れられているためだ。松本歯科大の倉持武教授(哲学)は「臓器移植を強く推進するムードが強く、医療現場に影響しているかもしれない」と指摘する。


 日本とは医療制度、保険制度が異なり、医療も「営利産業」とされる。患者死亡の場合、保険会社が死亡直前の治療を「無駄」と判断するケースもある。病院側は保険会社からの支払いを受けるため、早めに治療を打ち切る傾向もあるようだ。




いかがだったでしょうか?アメリカでは、健康保険の変わりに保険会社が医療保険を扱い、診療費を保険会社が負担するような状態です。したがって、普段から保険料をたくさん払っている方は上等な医療を受けることができ、保険料を出し渋っている方は、最低限の医療を受けられるだけの状態です。”診療方針は保険会社が決める社会”が、こんなにいいんでしょうか?


う〜む、考えさせられますね!


今日の一言
 「”診療方針は保険会社が決める社会”が、こんなにいいんでしょうか?」