モチベーションは楽しさ創造から

自分自身のモチベーションアップ、仕事を楽しくする方法から、部下・上司・顧客のモチベーションアップのヒントとなるノウハウ、コラムをまとめたブログです

「やらなければいけないとは思うが、やりたくない」という心理



モチベーションとは、分かりやすく言えば、「やりたくないという気持ちを、やろうという気持ちに変える」ことです。モチベーションが難しくなるのは、「やらなければいけない」という気持ちと、「やりたくない」という気持ちが混在してしまう場合がある際です。


例えば

  • ブログを始めなければならないと思っているけど、思い始めて1年。始めてない
  • DV夫と別れたいけど、別れられない
  • 週間行動計画を作らなければいけないとは思っているけど、作っていない
  • もっと部下の意見を尊重しなければならないとは思っているけど、いつも怒鳴ってしまう

このように、一つの行動に対して「やらなければいけない」という気持ちと「やりたくない」という気持ちが同居して存在するようなケースは、実はとても多いのです。「やる気の矛盾」というヤツです。「やる気の矛盾」に陥ってしまうと、行動が前に出ません。

あなたや、あなたの部下にも「やらなければいけないとは思っているがが、やりたくない」となっている「やる気の矛盾」のケースはありませんか?





「やる気の矛盾」はなぜ生まれるのか?

あなたの身体が天秤になっているのを想像してください。右手と左手を身体の中心が支えているというイメージですね。





右手には「やらなければいけない」という気持ち。左手には「やりたくない」という気持ち。完全に「やらなければいけない」という思いが強ければ、右側に傾きます。逆に、完全に「やりたくない」という思いが強ければ、左側に傾きます。





「やる気の矛盾」というケースは、この天秤のバランスが「やりたくない」という思いと「やらなければいけない」という思いが同じ重さで、平行均衡を保っているという事です。「やらなければいけない」という必要性もメリットもそれなりに分かっているのです。しかし、「やりたくない何かの理由」も存在するのです。2つともあるが故の混乱状態なのです。





「やる気の矛盾」に入ってしまうと、自分で何とかする事が難しくなってしまいます。自分の気持ちの中では、「やりたくない」という思いと「やらなければいけない」という気持ちがバランスが取れているのです。ただ、前に進む事ができないだけですね。





ここで役に立つのが、上司や同僚です。上司や同僚等の第3者がサポートしてやる事で、「やるべきだ」という気持ちを強めて、「やりたくない」という気持ちを弱めてあげる事で、「やる気の矛盾」に陥っている天秤のバランスを変えてあげる。





しかし、多くの上司はこの作業を失敗しています。上司から見ると、このような人は「やるべきだ」という思いが足りない人のように見えてしまい、それを説教する事で分からせようとするパターンが多いのです。結果、上司が支援する事で、「やりたい」気持ちを弱めて、「やりたくない」という気持ちを強めるケースが多発しています。





例えば、「週間行動計画を作らなければいけないとは思っているが、作れていない部下」を持っているケース。そのようなケースでよく見られるのが、上司が説教するというパターンです。





「君は週間行動計画を作らないといけないのは分かっているだろう。

週間計画の意味は・・

週間計画ができるようになると・・」

と部下に説教をし始めるのです。





そんな上司の気持ちも分かります。「なんで、こんな簡単な事ができないんだ。やろうとしないんだ!」という思いから、つい説教をしたくなる気持ち。しかし、これを「やる気の矛盾」に陥っている人にやってしまうとアウト。





彼らも「やるべきだ!」と思っているのです。「やる必要がない」と思っているわけではないのです。ただ、「やる気の矛盾」に陥っているというい事は、同じくらい「やりたくない」という気持ちが強いという事なのです。





上司が説教すると、気持ちのバランスが崩れてしまいます。「やるべきだ!」という側から、上司が頭ごなしに説教をすると、部下は「やりたくない」という立場に立つしかありません。彼の現状天秤は平行均衡です。それを無理矢理、上司が「やるべきだ!」という圧力をかけると、その現状維持を行う為に、自分が「やりたくない」という立場で論陣を張るしかなくなるのです。今まで中立的立場だったものが、逆に「やりたくない」という立場に彼を追い込む事になってしまうのです。





上司が、「やるべきだ」という説教を始めると、「やる気の矛盾」に陥っている部下は、「確かにそうですが、でも・・」という論陣を張り出す形になってしまいます。一度、「やりたくない」という立場に立ってしまうと、その主張の一貫性を保とうという行動になり、「やりたくない」という部分への理論武装を始めてしまうのです。平行均衡がとれていた天秤を、「やりたくない」という方向に完全に傾かせるという結果を生みだしてしまうのです。





これが何度も繰り返されると、「絶対にやりたくない」という事になってくるのです。





このようにな失敗をしない為には、上司や同僚は、彼をどうサポートしてやる事が大事になるのか?「やる気の矛盾」に陥っている人が、冷静に考える場を提供していく。冷静に整理するお手伝いをしていくという事なのです。「やる気の矛盾」に陥っている人にあなたの主張(どんなにあなたの主張が正しくても)を押しつけると、上手くいくモノもいかなくなるのです。

  1. 現在抱えている問題は何かを聞き出す
  2. その問題を解決する為に「やるべきだ」と思っている事を聞き出す
  3. 今、やっていない理由を聞き出す。(やりたくないという理由を聞き出し、それを認めてあげる。)
  4. 「やらないでいた場合、どうなるか?」を聞き出す。(やらない場合の失敗イメージ)
  5. 「やるべきだ」という事を実施していくと、どうなるか?を聞き出す(やった場合の成功イメージ)
  6. 「矛盾状態」に陥っている事を整理してあげる
  7. 「やるべきだ」と感じている事は、それ程難しくない事かを確認する。確信させる
  8. 「じゃぁ。どうしようか?」と、変化への決意を自ら表明して貰う

人は「やる気の矛盾」に陥るケースが多々あり、そのような状況で、説教などの圧力をかけると逆効果になってしまいます。「矛盾」を整理してあげ、自分で何をすべきかを決断してもらうお手伝いをしてあげる事が大事になってくるのです。




PS

私の本、「モチベーションが上がるワクワク仕事術」。増刷が決定しました。皆様のおかげです。
これからも応援よろしくお願いいたします。

めざせ!仕事のプロ モチベーションが上がるワクワク仕事術

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