岡田勉「Happiness」07年
ひょっとして初リーダー作なのか、岡田勉(b)「Happiness」を聴く。先日御茶ノ水ユニオンのジャズ館にて購入*1。
岡田/峰厚介(ts)/村上寛(ds)/野力奏一(p)のレギュラー(らしい)カルテット。自身のTOASTからリリースで、今年の10月10日の東京Jay-J's Cafeでのライヴ録音。
かつての峰グループや、日野グループ、はたまたQuietStormでのアグレッシヴさからはちょっと離れた、全体的にスロウからミディアムなテンポのサウンドだが、野力・村上との精密ともいえる間の構成に痺れまくる。集中して聴かないとならないが、その時間が惜しくない。そして、そこに最近またひとつのピークを迎えているかのような自由な峰の音が確認できる。この峰の、探り探りながら、ぶつぶつとつぶやくようなフレーズ。観にいかないと。
- アーティスト: 岡田勉,峰厚介,村上寛,野力奏一
- 出版社/メーカー: TOAST
- 発売日: 2007/12/23
- メディア: CD
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ジャズベーシスト岡田勉 official website
*1:月の5枚の1枚(ジャズ枠)。原田さんのは3000円超で泣く泣くあきらめる
Robert Plant & Alison Krauss「Raising Sand」07年
なんともすばらしい。ため息出まくり。
録音は、ナッシュヴィルとLAとハリウッド。レーベルはRounder。で選曲はカヴァーばかり、Canned Heat、Every Brothers、Hollies、Byrds、Townes Van Zandt、Doc Watson、Little Miltonという60年代からこっち、という次第(Tom WaitsとかJohn Prineとかもある)。
ボストンのフォークシーン出身のJay Bellerose(ds)と、ナッシュヴィル一押し(自分が)のセッションマンDennis Crouch(acc-b)というリズム部隊を据え、ギター数本(BurnettとMark Ribot)というコンパクトな固定の編成(2曲でNorman Blake、1曲にMike SeegerとRily Baugus、別な1曲にPatrick Warren)で、古今のカヴァーを、ややライトに、乾燥したようにあっさりと演っている。このギターも含めたリズムがすばらしく、ずーっと聴いていたい。TVZ「Nothin'」だけは表情が異なり、重く感動的*1。
なんとなく、大西洋を越えて英国にもようやく「O Brother」がたどり着いたんか、とか思っていたが、いやいやこれはそういう後追いの企画(の可能性はややあるが、そのレベルの)ものじゃない。聴いてて、最初に思ったのは、曲の扱いがYo La Tengoに近いな、だった。コレクションケースの中身を見せるような。しかしリヴァイヴァルではなく、外挿のようなもので。
ヴォーカルの押し出しの弱さがPlantのらしからぬところで、しかし反って本人の主体と本気を感じる。
この録音は、Plantがやりたくなり、T-Bone Burnettの助力を仰いで、Alison Kraussと出会ったということではないか。想像だが。*2。→はずれ。Leadbellyのトリビュートコンサートで出会ったのがきっかけだってよ。
で、なにをやりたかったのか。それは現在の音楽のキャプチャだと思うデスよ。自分の音楽マニアとしてのコレクションを、現在の音楽のひとつである、フォーク/カントリーに、外挿してみせた。そういうことじゃないですかね。Rounderによる画策という線も捨て切れないが、結果オーライで。
なんかよくまとまんないけど、自分はこれは買いで正解だった。巡回先に感謝。
- アーティスト: Robert Plant,Alison Krauss
- 出版社/メーカー: Rounder / Umgd
- 発売日: 2007/10/23
- メディア: CD
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*1:そう今年は10年目なんだ
*2:で2名のからみがまたちょっとエロいのもいいデスね。こういうエロさは、Steve EarleやBilly Joe Shaverじゃでない(当然か)。違うエロさはKris Kristoffersonなら出そう