こんないいサイトが! media@francophonie

うれしい驚きのあまり、思わず日曜休みの習慣を破る。

「フランス語圏プレスの記事の紹介と翻訳」と題したサイト
http://blog.livedoor.jp/media_francophonie/
を検索中に発見。知らなかった...

フランスだけでなく、フランス語圏の主要紙の記事を淡々と紹介している。選択もめくばりがききながら筋が通っていていい。クールでいいな。ほんとうはこんなのがやりたかったんだけど。

こちらはいつのまにゴタゴタ解説をつけはじめて裏ネタ狙いになってしまったけど、正統派の紹介は心おきなくそちらにまかせて、しばらくあれこれ試してみます。とにかくフランス語圏の目から見たニュースを知るにはtemjinusさんのところとあわせて必読サイト。

ついでに、余所での紹介記事にのっかって

日本の記事を検索中に、EUへのトルコの加盟に関するブッシュ発言をシラクがたしなめた件について、シラクがトルコ加盟に反対していると信じ、そうブログに書いている人が複数いることを知って驚いた。なるほどこんなブッシュの幼稚な戦略もきくのかということにも感心し、だからブッシュ(そのブレーン)もこういうのをやめられないのだと理解した。この日記でもこの件に関連するブッシュ−シラクの確執には2度ほど触れたがシラクの建前としてのEU加盟支持表明については自明なこととして扱ってきたから、上のような信じ込みを訂正するような情報を織り込んでいなかった。この問題について何かまとめて紹介したほうがいいのかなと思いながらそのままになっていたが、上の media@francophonie でこの件についてのル・モンドの記事が紹介されているので、これにリンクをはり私の中ではひとまずは一件落着で、トルコと欧州の問題については機会を改めて別の視点から紹介したい。

http://blog.livedoor.jp/media_francophonie/archives/3626100.html

バトラー報告書、直前にブレアを慮って手直し

大量破壊兵器についてのバトラー報告書はブレア氏を守ためにトーンダウンされていた
Butler Report on WMD was watered down to protect Blair

Telegraph (Filed: 18/07/2004)

サンデー・テレグラフ紙のスクープ。報告書作成チームのメンバーよりの内部情報。レポートは発表の10日ほど前に首相官邸側に提示され、ブレアを強い調子で批判する部分が官邸側の要請で書き換えられた。(当然だが)規則では調査対象になっている人間がレポートに事前にアクセスして意見を言うことは許されていない、等等。

こういうルール破りは後からばれて一時期スキャンダルになっても、長・中期的に見れば報告書の結果だけが肝心となる。だから制裁が何かの拍子で命とりにならない限り、やり勝ちだ(と、やるほうが知っている)。 が、こういうことが続けば第三者調査委員会というものに対する信頼がどんどん揺らぐだけだ。フランス人には見られないスタイルの、英国人の「公正 Justice」「廉潔 integrity」についてのコモン・センスには個人的には驚きに近い賞賛の気持ちを持っていたのだが、それがどんどんと薄らいでくる。内部告発者探しなんてことにはならないと思うが。

仏のユダヤ人はすぐに移住を(シャロン首相)


シャロン首相はフランスに住むユダヤ人にすぐにイスラエルに移住するようにと呼びかけ
Sharon appelle les juifs de France à immigrer "immédiatement" en Israël

AFP | 18.07.04 | 17h07

シャロン氏によれば、「フランスでは反ユダヤ行為が蔓延している」「フランスのユダヤ人はすぐに動かなければならない」とのこと。

去年にも、似たようなメッセージが発せられて物議をかもした。

「ユダヤ人は移住」で仏政府抗議。

続報

フランス政府は、シャロン首相のユダヤ人移住呼びかけに抗議。
Paris proteste contre l'appel de Sharon aux juifs de France

Sun July 18, 2004 8:00 PM CEST

外務大臣はこの発言を直ちに「許しがたい」として、イスラエル政府の説明を要求した。

20時のTVニュースでも大きくとりあげられる。国内のユダヤ人からも批判。仏ユダヤ協会代表評議会の元会長(現名誉会長)や反人種差別団体の代表がインタビューに応えて批判していた。最もフランス人の神経に触れるのは、「今日フランスの人口の約10%がイスラム教徒であり、そのせいで」云々というくだりだろう。数字の当否は別として、こういうのは国民戦線の使うレトリックをただちに想起させるから。RER事件についての後遺症もまだおさまらない時期にまた新たな火種とは、いやはや。