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2004-08-20

医者たちの共犯、沈黙 −−米軍の捕虜虐待 06:43 医者たちの共犯、沈黙 −−米軍の捕虜虐待を含むブックマーク

医学雑誌の The Lancet ではじまり、イラクがでたところで、まとめではないが、この2つがからむニュース

アブ・グライブにいた医者たちは拷問を知っていた−−ランセット誌に論文

Abu Ghraib doctors knew of torture, says Lancet report

John Carvel, social affairs editor

Friday August 20, 2004

The Guardian

バグダッド西部のアブ・グライブ刑務所の軍医たちは、イラク人捕虜に加えられた拷問や人権蹂躪を隠すために医療記録を偽造していたと、本日発行のイギリスの医学雑誌ランセット」が伝えている。

...

同誌はミネソタ大学のバイオエシクスの専門家スティーヴン・マイルズ Steven Miles 教授論文を掲載。この中でマイル教授は、米軍の医者や看護婦はアブ・グライブにおける拷問や虐待の事実を明確に知りながら、1月に公式調査が始まるまでこのことを告発しなかった、と述べている。

この記事は各国の新聞、ネットで一斉に報道されているが、上のガーディアンの記事が最もよくまとめてある。

問題の論文

Steven H. Miles, "Abu Ghraib: its legacy for military medicine"

アブ・グライブ −− 軍務医療活動への教訓

は、 thelancet.comで参照できる。記事を読むには登録が必要だが無料で簡単。登録して入れば、PDFダウンロードもできる。2800語ほど(ランセット誌の割付で7カラム弱)の本文に対し、公聴会記録、公式文書などへレファレンスを59個つけるソリッドな論文

論文は捕虜の人権、ジュネーヴ条約に対するアメリカ政府の態度という背景から解説する。アブ・グライブ刑務所の医療体制が十分でなく捕虜に十分な医療を与えていなかったという「軽微な」過ちから出発し、米軍医療関係者が拷問の消極的、そして能動的共犯となったなっているケースが明確に存在していることを、アフガニスタンの事例も加えながら次々と指摘していく。主要ポイントを抜き出すと

・拷問への協力(立案・参加) The medical system collaborated with designing and implementing psychologically and physically coercive interrogations. Army officials stated that a physician and a psychiatrist helped design, approve, and monitor interrogations at Abu Ghraib.

病気や怪我の記録のごまかし The medical system failed to accurately report illnesses and injuries.34 Abu Ghraib authorities did not notify families of deaths, sicknesses, or transfers to medical facilities as required by the Convention.

・死亡証明書の偽造 Death certificates of detainees in Afghanistan and Iraq were falsified or their release or completion was delayed for months.24,39 Medical investigators either failed to investigate unexpected deaths of detainees in Iraq and Afghanistan or performed cursory evaluations and physicians routinely attributed detainee deaths on death certificates to heart attacks, heat stroke, or natural causes without noting the unnatural aetiology of the death.

沈黙 Finally, although knowledge of torture and degrading treatment was widespread at Abu Ghraib and known to medical personnel,13,41,44 there is no report before the January 2004 Army investigation of military health personnel reporting abuse, degradation, or signs of torture.

それぞれに具体例と文書証拠がつく。

そして軍医たちは職業論理に背馳していたと。

Military personnel treating prisoners of war face a "dual loyalty conflict". The Geneva Convention addresses this ethical dilemma squarely: "Although [medical personnel] shall be subject to the internal discipline of the camp . . . such personnel may not be compelled to carry out any work other than that concerned with their medical . . . duties." By this standard, the moral advocacy of military medicine for the detainees of the war on terror broke down.

しばしばスクープが自己目的の新聞とは違い、良質の「業界誌」らしくも、「告発」だけではなく「教訓」のほうに書き手の目は向かう。そしてこの事件から教訓を引き出し将来の防止策とするためには、現段階ではまず事実の全面的な調査が必要だと−−調査の試みが棚上げにされていることも指摘しながら−−訴える。

Such reform must begin with a comprehensive investigation. At this time, it is not possible to know the absolute or relative prevalence of the various abuses or fully assess the performance of military medical personnel with regard to human rights abuses.

....

Reforms stemming from such an inquiry could yet create a valuable legacy from the ruins of Abu Ghraib.


この論文は Opinion & Review 欄に掲載されているが、これを受けて編集論説(Editorial)も

How complicit are doctors in abuses of detainees?

捕虜の虐待に医者はどのように共犯か?

と題する文章で、ランセット誌自体がマイル論文の主張ににコミットしていることを表明している。アブ・グライブ刑務所の問題だけでなく、グアンタナモの捕虜の問題にも触れる。マイル論文と同様に、軍医は軍と医者としての職業論理という2つ主人をもつとはいえ、どんな場合も後者が優先されなければならないと確認する。これに関わった軍隊医療従事者へのモラルの覚醒を促し、すべての医療関係者に、そうした人々がその倫理を遵守できるように連帯すること、医療活動ににおける人権の価値の再確認を行うことを訴える。

Health-care workers should now break their silence. Those who were involved in or witnessed ill-treatment need to give a full and accurate account of events at Abu Ghraib and Guantanamo Bay. Those who are still in positions where dual commitments prevent them from putting the rights of their patients above other interests, should protest loudly and refuse cooperation with authorities. The wider non-military medical community should unite in support of their colleagues and condemn torture and inhumane and degrading practices against detainees. Abu Ghraib should serve as an eleventh hour wake-up call for the western world to rediscover and live by the values enshrined in its international treaties and democratic constitutions

(時間があれば日本語にしますがとりあえず原文のままで)

米、過半数がイラク大量破壊兵器(計画)の存在を信じる 02:37 米、過半数がイラクの大量破壊兵器(計画)の存在を信じるを含むブックマーク

世論調査 -- 多数がイラクと大量破壊兵器(計画)をいまだに結びつけている。

Poll: Many Still Link Iraq With WMD

Friday August 20, 2004 1:16 PM

過半数54パーセントのアメリカ人が、昨年のアメリカによるイラク攻撃前にイラク大量破壊兵器を所有していたか開発計画を進めていたと信じ続けている。こんな世論調査の結果が金曜日に発表された。

...

また半数が、戦争以前にイラクアルカイダと密接に結びついていたか(35%)、2001年9月11日の対米多発テロ事件に直接関与した(15%)と信じている。

WASHINGTON (AP) - More than half of Americans, 54 percent, continue to believe Iraq had weapons of mass destruction or a program to develop them before the United States invaded last year, according to a poll released Friday.

...

Half believe Iraq was either closely linked with al-Qaida before the war (35 percent) or was directly involved in the Sept. 11, 2001, terrorist attacks on this country (15 percent).

AP電。調査機関 Knowledge Networks が8月5日から11日に733人の成人を対象に調査。許容誤差3.5%。フランス語の記事は 「Une majorité d'Américains toujours convaincus que l'Irak avait des armes de destruction massive」として Nouvel Observateur に。

コカイン依存症になるネズミ 19:10 コカイン依存症になるネズミを含むブックマーク

この機会に医学関係でもう一つ紹介。一週間ほど前、仏国立衛生学研究所(INSERM)の面白いタイトルプレスリリースニュースに流れていて目を引いた。

ネズミと人の...麻薬中毒患者

Des rats et des hommes…toxicomanes

INSERM Information presse

Paris, le 11 Aôut 2004

麻薬の自発的摂取は動物界の多くの種に見られる現象である。しかしこれまで、麻薬の強迫的・病理的な摂取として定義できる中毒現象は人間に特有な行動でその社会構造に関係すると考えられてきた。本日、Pier-Vincenzo Piazza (Directeur Unité Inserm 588 "Physiopathologie du comportement 行動の整理病理学" )のグループによる研究は人間の麻薬中毒を特徴づける行動がコカインを自発摂取するネズミにも現れることを証明した。人間とネズミの中毒患者は驚くほどの類似を見せる。この動物に薬物依存行動が見られることで、麻薬中毒は本格的な脳の病気であり、薬物の長期摂取だけでなく個人の影響の受けやすさにも原因があることが考えられるようになった。この研究結果は麻薬中毒患者の生物学秘密を明らかにし、そこから、治療法を改善することを可能にするだろう。

8月13日付けの「サイエンス誌」に掲載とのこと。訳した上の部分はプレスリリースのリード文の部分で、あと詳しく解説がつづき、論文の長いレジュメといっていい。最新研究が素人にもわかることばでしかもある程度詳しく解説されているのは助かる。

コカイン摂取を覚えたネズミのうち17%が決定的な依存的中毒患者になる。人間ではこの比率が15%。これは脳に関係する個体差らしいという。これらのグループは薬物絶ちの療法が効かず、罰を与えても、自己の健康を破壊してまで、必ず摂取行為に戻っていく。

これが事実なら、完全な依存に陥っている中毒患者には、薬物絶ちによる治療や心理的・社会カウンセリングではなく、別の治療が絶対に必要ということになる。

鳥インフルエンザの豚への感染が発見 18:24 鳥インフルエンザの豚への感染が発見を含むブックマーク

鳥インフルエンザ・ウィルスが豚から発見。

Le virus de la grippe aviaire découvert chez des porcs pour la première fois

LEMONDE.FR | 20.08.04 | 10h26

研究者はH5 N1 ウィルスが変異により人間に感染する危険性を危惧する。

Les chercheurs s'inquiètent d'un risque de mutation du virus H5 N1, qui pourrait permettre une transmission à l'homme.

中国は20日金曜日鳥インフルエンザウィルスの致命種を世界で初めて豚から発見したと発表した。人間への感染を容易にするものとして世界じゅうの専門家から恐れられていた現象である。

鳥インフルエンザについては、ヴェトナムで新たに人間への感染例が見つかり、7月から8月に3人死亡者が出ているというのも8月13日のニュースに大きく出ていた。

そういえばしばらく前の記事でクロイツフェルト・ヤコブ病に関する↓はあまり注目されなかったようだが、続報や日本国内での報道はどうなっているだろうか。

クロイツフェルト・ヤコブ病の潜伏期間に新見解 クロイツフェルト・ヤコブ病の潜伏期間に新見解を含むブックマーク

イギリスでクロイツフェルト・ヤコブ病の新たな発症の可能性

Nouvelle épidémie de Creutzfeldt-Jakob possible en Grande-Bretagne

LEMONDE.FR | 06.08.04 | 12h49 • MIS A JOUR LE 06.08.04 | 13h13

狂牛病の人間版の潜伏期間は人によって現在知られているものより長く、多くの人が発症しないままプリオン感染者である可能性があるという研究結果が出た。

Selon une étude scientifique, la période d'incubation de la forme humaine de la maladie de la vache folle pourrait être plus longue chez certaines personnes. Un grand nombre de personnes pourraient ainsi être porteuses du prion sans avoir développé les symptômes de la maladie.

The Lancetに発表された論文に基づくものでBBCも取り上げているとのこと。

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