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2005-11-30

いろいろTB、コメントのお返し、バトン、翻訳の続きなどもたまっていますが、ナイトキャップがわりの液体片手に、アルコール度と眠気を自然上昇させながら、いくつかできること片づけます。

リアクティヴモードで雑感 リアクティヴモードで雑感を含むブックマーク

(fenestrae wrote about Mr. Sarkozy) 典型的な、そしてフランスの旧来保守の政治家としては珍しい、ポピュリストのタイプだと思います*1。実は私が一番不安を覚えているのは、彼の政策が右か左かということではなく、こうした彼のキャラクター。時代の空気によって世論の関心を求めて、表面的にジグザグに、右にも左にも走るタイプ。個々の思いつきはいいので、世論には一時的にはかなり受ける。が、そのことによって、フランス政治が左右も含めてある程度つちかってきた原則が、知らぬ間に破壊されるのを恐れています。

  • スカーフやヴェールなどイスラムヴェール関連のキワードでの検索がやたら来る。この問題と今度の騒動をリンクする向きの観測記事がどこかにあるのだろうか。すみずみまで調べたわけではないが、この問題との関連は、少なくとも「ほとんど」といえるくらいには、存在しない。個人的には「まったく」と言ってもいいくらいなのだが。もともと新学期がはじまったときにヴェール問題の紛争はほとんどなく(この理由についてはいろいろ観測もあろうが)、2年前、1年前の抗議の盛り上がりが嘘のよう。とにかくイスラム教徒のコミュニティの中でも社会問題としては姿を消した。火種として残っていれば、今回の騒動での要求項目としてめいっぱい利用されたろうが、そういう気配はなかった。今回の騒動の「非宗教性」を示すめやすとなる。騒動の宗教的な側面については、TVが「アッラー・アクバール」と叫ぶ少年たちの姿を放映したくらいだが、これはやっているほうの側でもおよそショー的なものに留まると私は見ている。比べて言えば、リセアンのチェ・ゲバラのTシャツくらいのもの。イスラム・ヴェールについては去年、行きがかり上、いろいろ書いたが、私の意見はせいぜい、リベやあひる新聞のおいていあるカフェに集まるおじさん、おばさんの議論くらいのレベルのもので、この問題についてははてな内に、id:kiyonobumieさんというもっと適任者がいらっしゃる。直接にヴェール問題を扱ったものではないが、「id:kiyonobumie:20051115 ライシテについての討論会」は、ライシテをめぐる議論の現在の状況のちょっとした内幕が分かる。私はかなりごりごりの共和主義的ライシテ派なので、id:kiyonobumie さんの文章のニュアンスから読み取られるような立場からすると、意見がちょっと違うかもしれないが、研究者でいらっしゃるからには、事実認識に関しての議論は、私より確実なはず。新学期でお忙しいようですが、いつか幾分なりとも詳しい解説を書いていただけたらと思う。

大学時代に、数学の先生から聞いた重要な言葉です。

「『わからないこと』をわかろうとするな。『わからないこと』は『わからないこと』として、ずっと心にとめておきなさい、すると、いつかわかるときが来る。」

ということば。そして26日の私のエントリーで、補導された少年たちのプロフィールを紹介するル・モンド記事の中で重要だと思い、その意見に応えて猫屋さんが翻訳してくれた少年たちの経歴の具体例の部分について、id:chorolynさんから「これは大事。いい仕事です。...こういうものを積み重ねた上で議論しないとマズイ。」というTBコメントをいただいた。今回、適確な判断を下しているのは現場を見ている社会学者で、「哲学者たち」「思想の首領たち(を批判した人)」のずさんさが目立つ。評論家、哲学者はブルデューいうところの「透視の幻想」を捨てろといいたいが、気にしない人は気にしないので言いたい放題だ。上のコメントの一つが「数学の先生」をレファレンスにしたものであり、もう一つは文書資料を実証的に吟味しながら仕事をしている(とお見受けできる)歴史学徒からのものというのは意味深い。このあたり、データから出発して自らの仮説に変更を変え、そのインタラクションで仕事をするというスタイルの学問的訓練を経ている人と、同じ学問でも、そうでなくても別に困らない(ほんとう困るのだが)ようなところで仕事をしている人との間にある溝のようなものを感じる。もっとも前者のカテゴリーに属する人でも、論ずる対象が変ればきれいさっぱりそうした訓練の習慣も忘れてしまうという例も往々にしてあるのだが。

...と、このあたりで、最近記事のコメントにお返事できないまま力つきる...

P.Comme Politiques P.Comme Politiquesを含むブックマーク

ル・モンド社説 Jean-Marie Colombani, "Après le choc, (28/29.11.05)" いろはカルタ「P」項のココロ

政治家たちの力学関係--大統領権力の弱体化(健康上の理由を発端とし政治力学の問題となっていった)、反対勢力の自制(野党、組合)を背景に、突っ走るヴィルパンサルコジ二人三脚*2

社説全体の紹介は猫屋さんのところに。(>猫屋さん。超訳で翻訳分担のお返し。適当につまみぐいしてうめてください。)

*1:追記:シラク流のポピュリズニムには一定の限度というのがあった。

*2:[第5共和制に代る第6共和制を訴える社会党左派新勢力の]アルノー・モンブールをは気づいていないかもしれないが、大統領からより多くの権力を委譲された首相制という彼の考えは、もうすでに勝利を収めている。考えられないようなヴィルパン-サルコジというコンビが大統領権力の機能不全を埋めている。首相がすべての権力を行使し、内務大臣が現場を仕切るという役割分担のもとに。この二人は、二人三脚で、めざましく働き、秩序の回復という急務を解決した。二人は、世論の支持とさらには、まるでどこかにいなくなったかたに見えるほど論争のエスカレートをいっさい避けた野党の暗黙の支持を得て、言ってみれば、国家を維持経営した。▼われわれが共和主義的君主制にいることを考えれば、国家の最高権力が衰えをみせたときに秩序を乱す騒動が勃発したのを偶然と考えることはできない。大統領権力がすべての権力機関をまとめるたがであることを止めていながら何も起らないということは有り得ない。この事態は二つの方向に作用した。一方の晴れ晴れしい解放、他方の自制である。後者つまり労働組合は、おそらくとまどいながら、バンリュウの暴力による危機を政治社会運動へと接続発展させていくことは危険すぎると考えたのである。

猫屋猫屋 2005/11/30 09:43 おお、かたじけない。当方は酒が切れたのでこれで今日のところはこのまま寝ます。
明日にでもつまみ食い、実行させていただきたい所存であります。

KIYONOBUMIEKIYONOBUMIE 2005/12/01 07:14 funestraeさんからのトラック・バック光栄です。一時休止の後の最近のご活躍、嬉しく思っています。
過剰なご期待を寄せていただいていること、ありがたいながらも戸惑っています。某社が「ジェンダーと宗教」についての教科書を作ることになっていて(たぶん来年末には出るでしょう)、ヴェール問題についてのコラム(ほんと短いものです、原稿用紙5枚くらい)を書かせていただいたのですが、日本語で書かれたものではfunestraeさんが2004年7月に書かれているものが一番参考になったほどです。
今回の一連の暴動はヴェールの問題とほとんど結びつけられていないというのは、私もその通りだと思います。一昨日から今日まで3日間、Académie des sciences morales et politiques主催のcentnaire de la loi de 1905に出かけてきましたが、公教育省のdirecteur des affaires juridiquesが来ていて、ライシテの問題には様々な側面があるが、宗教的表徴の禁止についてはかなり「定着」したと言えそうだと述べていました。2004年の新学期に表徴を着用して登校した生徒はフランス全土で600人ほど(うち50人弱が退学処分、30人弱が司法上での係争)、2005年の新学期では表徴を着用して登校した生徒は10人に満たない(「対話」を経ても問題が残っているのはわずかに3人)そうです。
アクチュアリティを扱うには「現実的」ならびに「象徴的」に存在する事態をいかに解読するかの問題があって、本当に難しいと思います。歴史的な視線も、どこを強調するかではからずも(あるいは確信犯的に)立場というものが出てしまう。
「詳しい解説」書けるかわかりません。「かけないことをかこうとするな。かけないことはいつまでもかけないこととしてずっと心にとっておきなさい、するといつかかけるときがくる」に期待をつなぐことにいたしましょうか(笑)。(き)

國分國分 2005/12/01 18:52 こんにちは。当方のブログ(Fixing A Hole)に張っていただいたリンクをたどって来ました。ありがとうございました。

フランスの ?meute に関する一連の記事、なんだか圧倒されてしまいました。うちのブログよりはるかに広範…というか、もはや私の投稿にはほとんど意味がなくてみっともないので削除したいところですが、せっかくリンクを張っていただいたのでそのまま残しておきます。「何か書く前にはきちんと検索する」を今後の反省点にします…。

コメントを書き込む場所が間違ってたらごめんなさい。取り急ぎお礼でした。

fenestraefenestrae 2005/12/02 09:21 (き)@KIYONOBUMIE さん、
ご丁寧なメッセージありがとうございます。今年のデータについて、どこかで読んだまま、探し出すのを横着していたので助かります。ヴェール問題についての私の文は、私自身があのときの一連の変化する状況の中で多くの人ともに考えを変えながら行き着いた一つの点と、安易な先入観に囚われたままの外国(日本)での紹介の落差のいらだちの中で書いたという部分があるので、学問的には、一つの立場のサンプルというようなものになると思います。中断してしまったのは単に別の物理的要因で、最後まで筋道が見えていながら、書き留めなかったのがちょっとくやまれます。
そういえば
http://d.hatena.ne.jp/fenestrae/archive/190101
あたりに、前にどこかの高校の先生がネットにまとめてあったかなり詳しい資料(本家は消失)をコピーしてあります。ざっと流れを見るのに便利なのでよろしければ。
解説文の希望、プッレッシャーをかけてしまったら申し訳ありませんが、まとまったものでなくても、折々の感想などでも日記に書いていただければうれしいなと思います。
そういえば今日(2日づけ)のル・モンドは1905年法についての特集を掲載していますね。

chorolynchorolyn 2005/12/02 09:48 TBありがとうございました。「実証的に吟味〜」恐らく、僕を知っている歴史学関係者が読んだら吹きだしてしまうかもしれません(笑)。
それはともかく、やはり、イメージ先行の議論は、こういう問題だからこそ、特に慎重に避けるべきだということは、今一度確認する必要があると思いました。もちろん、自分も含めて。
ただ、ああいった事例をきちんとメディアで取り上げるところがあるというのは、フランスのメディアはまだまだ健全だと思うし、ちょっと羨ましいとも思いました。

fenestraefenestrae 2005/12/02 09:48 國分@Fixing A Hole さん、
ようこそ。メッセージありがとうございます。
御記事、意味がないどころか、短いスペースで要点よくまとめてあって感嘆しました。私のところが個人的な感想がぐだぐだ入ったり、行儀のよくない全訳を入れたりするので、長くなりがちなのと対照的に。御記事は申し分なくまとまっていたので、トラック・バックを送るのにちょっと迷ったのですが、もし読者でもう少し詳しく知りたいと思う人がいればということで、送ってみました。▼「何か書く前にはきちんと検索する」は個人的には、特に外国記事を紹介する際に、そこから派生した国内記事を全部みて踏まえるべきかという点でいえば、善し悪しだと思っています。実は私は、コメントなどでつながった近隣ブログのかた以外ののものはほとんど見ていません。これを気にすると、一次ソースから自分が感じとったものを書くというモードから、言説の競いあう場の中で書くというモードになって、計算に入れる事項が多くなり、前者の運動で書くというダイナミズムがそがれてしまうような気がします。そして今回、國分さんが、事前に私の別系統の紹介を見ていなかったのが幸して、私は、自分と同じ情報を汲み取っている方がいるといううれしい発見にあずかれたわけです。なのでおたがいあまり重複など気にしないでいったほうがむしろいいのではと思います。読者層も違うようですし。▼ところで前に2つほどこちらのブログで記事を簡単に紹介させていただいたことがあるのですが、Fixing A Hole は私にとって奇跡のような存在のブログです。コレクティヴのものとお見受けしますが、どのの粒も光っていて、文章のプロフェッショナリズム、要点のおさえかたや切り上げのよさによるエレガンス、話題の豊富さにいつも感嘆しています。こういうのが書けたらと読むたびに思うのですが、自分で書くだんになると、いつもずるずるになってしまい、まあそろぞれスタイルがあるからと自分を慰めています。▼そういえばお送りしたトラックバックで重複ができ3件になっていて、まるでTBストーカー(笑)みたいになっているので、もしお手数でなかったら、重複文の削除をお願いします。▼今後ともよろしく。

fenestraefenestrae 2005/12/02 11:22 chorolyn さん
今日はなんとTBとコメントが錯綜する日。フランスもテレビはひどいもので(5チャンネルのような特殊の例を除き)、はたしてル・モンド、リベのような新聞がどれほどの影響力を持ちうるか、というのが難しいところ。非行少年の経歴なんて辛気臭い話を文字で読んでられるかというのを、逆に人に読ませるのがジャーナリストの腕なんでしょうが。

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