四月物語

岩井俊二
http://www.dnp.co.jp/museum/nmp/nmp_j/review/0515/movie0515.html


岩井俊二の映画をはじめてまともに見ました。これ以外に見たのは『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』だけです。この打ち上げ花火はけっこう好きで(ちと臭いのだが)、この監督のは他のも見てみたいな、と以前から思っていました。この『四月物語』は松たか子が北海道から東京の大学に進学して、ぼんやりとした大学生活を送る話です。ファンタジーではないですね、架空の武蔵野付近の街を演出している以外は。私は松たか子のファンでないし、ストーリーも実に他愛のないものではあるのだけれど、独特の霞のかかったような映像と、この世とも思えない絵本のような雰囲気は独特で魅力的だった。微妙な感覚をよくすくいとって映画にしています。スワロウテイルというのが代表作らしいので今度見てみようと思う。ところで、作中で彼女が映画館で見るのが『生きていた信長』という改変歴史物で、これが良くできています。DVDにはこの映画(全部で5分ぐらい)がタイトルからちゃんと収録されているんです。黒澤映画のような古い白黒映画の雰囲気が良く作ってあって、おちゃらけたシナリオをまじめに演じている江口洋介カールスモーキー石井、伊部雅人がいい味を出してます。


2002/10/23
few01