めくれたオレンジ

どうも、
副都心線で電車が遅れなかったそこのあなた。



それだけでもうラッキーでしょう。
ffです。


いやもうホントあの電車は時間通りに着かないと思った方がいい。
特に朝。






「サポーターは選手と違って移籍できない」



これはよく言われる言葉ですが、(たぶんね)
一度応援すると決めたクラブ。
よく理由はわからないけどなんか好きになってしまったクラブ。
試合に負けると何とも言えない虚無感を感じずにはいられないクラブ。
そんなチームができてしまったサポーターはもう他のチームに対して、
同じような気持ちを抱くことはできないのです。
そんなことを表した言葉です。
場合によっては皮肉で使われることもある言葉ですが、
基本的にはサポーターのクラブに対する愛情を表した言葉です。


そして、今回。
新たに僕が思った言葉があります。


「サポーターを辞めることは自分以外の人間にはできない」
です。



まぁ、
例えば。



宮崎あおいが目の前に現れて、
エスパルスと私で、私を取ってくれるなら
 あの冴えない旦那と別れるからケッコンしましょ!」
とか言われるならね、
考えなくもないけど。


まぁ、考えるまでもないけどね。


ただ、考えられないよね。


板野友美と一発やらせてくれるならね、
考えなくもないけど。


まぁ、たぶん服脱いでると思うけど。


ただ、考えられないよね。



つまるところ、考えられないということです。





ただ、選手は移籍もできるけど、
いたいと望んでもそれが叶わないこともある。


生涯エスパルスの選手でいたいと思ってくれている選手でも、
クラブ側が要らないと判断したらそこでおしまい。
実に世知辛いものです。





これを読んでくれている約8割を占めるエスパルスサポーターの皆さんには
既にご存じの通りだとは思いますが。


長谷川健太監督の退任。
田坂和昭コーチをはじめとするコーチ陣の退任。
こちらがJリーグ残り6試合という状況で発表されていました。


そして、
伊東輝悦市川大祐という生え抜きのベテラン選手に対する、
事実上の「戦力外」通告がされたと言われ、
さらに青山直晃西部洋平フローデ・ヨンセン選手の退団も決定的とのこと。



近年の好成績を支えたいわば功労者とも言うべき彼らの退団。
クラブ側の対応にどうしてもプラスチックな冷徹なものを感じてしまいます。



選手同士の仲がよく、いい意味で「部活」っぽいクラブだったあのエスパルスは、
少なくとも数年は帰ってこないかもしれません。


健太監督の退任だけで
「え、マジ!!!??」
だった僕は立て続けに明らかになった退団報道ですっかりKOされました。


正直な話。
今年と同じテンションで来年のエスパルスを応援する気がしません。



・・・でした。






それでも、
サポーターは自分の意思でしかクラブを変えることはできない。


どんなに弱くなった時期があっても、
不可解な人事が行われたとしても、
好きでさえいれれば、生涯そのクラブの一員になることはできる。
それが叶わなかった選手の為にも。



クラブがサポーターを必要としなくなることはないし、
僕らにはやっぱりエスパルスしかないのでした。




そんな訳で、
昨日行われた湘南ベルマーレとの試合は結局テレビで応援しました。


序盤は降格回避の為に強い気持ちで仕掛けてきた湘南ペースも、
ゴール上のポストが折れるというレアレアなアクシデントからペースは一変、
前半58分(!)というこれまたレアレアな時間に小野伸二のスーパーゴール!
これで完全にペースをモノにしたエスパルスは、
勢いを失ってしまった湘南を相手に計5点を奪う久々の快勝。



うん、これで来年も同じように応援できる。
って確信できた試合になりました。



単純に勝った、という結果だけじゃなくて、
気持ちの入ったプレーを見せてくれたことが嬉しくて、
やっぱりエスパルスが好きなんだなぁ、としみじみ。



伊東テルにイチという2人には特に強い思い入れがあって、
彼らのことを書くだけでもかなりの長文になってしまう気がするので、
今回はこれ以上は触れないことにします。
彼らが来年エスパルスにいなくて、
もしかしたら敵として現れるのは本当に悲しいけど、
とてもとても、ブーイングなんてできそうにない。
拍手も切なくなっちゃうからできないなぁ。
ただ、名前を呼ぶくらいしかできないと思う。



降格が決まってしまった湘南のサポーターも同じで。
試合終了後は、戦った選手に対してブーイングも拍手もできず、
ただ呆然としている姿が印象的でした。
そして沸き起こる唸るような声援。


エスパルスの選手が勝利時に恒例となっている踊りを自粛すると、
エスパルスサポーターから「ベルマーレ!」のコール。
そしてベルマーレサポーターから今度は「エスパルス!」コール。
試合を終えた後の美しい光景でした。
選手・監督についてはもっと考える必要はアリですが、
素晴らしいサポーターのいるベルマーレ。早く戻ってきてもらいたいものです。



彼らにしても。
空虚な気持になるのがわかってて試合終了までただいた訳じゃない。
それが嫌ならとっくに途中で帰っている。
でも、彼らは来年も応援しにスタンドへやってくるだろう。
そのためにも降格のその瞬間は見届けなくてはいけなかったんだろう。
ほとんど試合終了の瞬間に帰る人のいなかったアウェイスタンド。
彼らもきっと不器用な人たちなんだろう。


サポーターはチームを変えることなんて結局できないのです。
ましてや、サポーターを辞めることなんてできないのです、けっきょく。