世の中は弱肉強食であってはならない。されど競争社会であっていい


(引用:『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』和月伸宏著 集英社刊より)




●弱肉強食の意味

「所詮この世は弱肉強食 強ければ生き弱ければ死ぬ」


漫画『るろうに剣心』で主人公のライバルがいうセリフです。


この弱肉強食の意味を、みなさんはご存じでしょうか?


この言葉をいったのは中国・唐の時代の文人、韓愈(かんゆ)です。



韓 愈(768年 - 824年)



では、韓愈はどういう意味で「弱肉強食」といったのでしょうか?




「動物の世界は、弱いものが強いものに食べられる弱肉強食の世界だが、人間の世界は文明があり、強いものだけが生きるということにはならない」


と、いったのです。

(参考:「弱肉強食とは」はてなキーワードより)



つまり弱者切り捨ては、禽獣並の行為ってことになります。



人類という種は、他の動物に比べて貧弱な肉体を頭脳と高度な社会性を持つことで、カバーし発達してきた生き物です。






つまりすべての武器になるような牙も爪も、速く走ることもできない人類は、他の動物にくらべて弱く、その弱さゆえ、仲間と協力し助け合うことで、生き残ってきた動物なのです。






人類は、弱肉強食ではなく、元々すべて弱い人間が、同じく弱い仲間と助け合いながら生きることで、文明や文化を手にし、生活を有利にしてきたという歴史があり、結局それが生き残るために必要なことであったということです。




●姥捨て山伝説は弱者である老人を大切にするとお得だというお話し

例えば、我々は肉体的に弱った老人を「もう役に立たないから」と、ポイ捨てすることはしません。


姥捨て山の伝説はありますが、現実として老人を捨てるということはなかったようです。
(赤ちゃんの間引きはありましたが・・・)



ちなみに民話の「姥捨て山」は、老人を大切にしましょうというお話しです。


簡単に内容をいうと・・・・


ある国の殿様が、年老いて働けなくなった者を不要として山に遺棄するようにというお触れを出す。


ある家でもお触れに逆らえず泣く泣く老親を山に捨てようとするが、結局捨てることができず、密かに家の床下にかくまう。


しばらくの後、隣国からいくつかの難題が出され、解けなければ国を攻め滅ぼすと脅されるが、それらの難題を老親の知恵によって見事に解き、隣国を退散させる。


老人には長い人生の中で培われた知恵があり、それが粗末にできぬものであることを知った殿様は、お触れを撤回し、老人を大切にするようになった。
(引用:Wikipedia 姥捨て山より)


つまり、社会にとって、弱者を切り捨てるより、保護していたほうがお得というわけでもありますね。


さらにいえば、人が生きていれば、必ず年をとります。自分もやがて捨てられる対象になるとわかっていれば、この社会はうまく機能しなくなってしまうのです。


ある意味、自分が年齢を重ねたときのためにも、お年寄りを大切にするということは、大切なことであり、それが文明や文化を作ってきたといってもいいでしょう。




●しかし競争は必要だ

「世の中は弱肉強食じゃよくない!」という人の中には、競争までも否定する人も少なからずいます。


しかし、我々が豊かに暮らすためには、競争は必要なのです。


例えば以前、自宅に電話を引こうとすると電電公社(現NTT)に7万円も払って、電話を使う権利を買わなくてはいけませんでした。


昔の電電公社(現NTT)は、独占企業で、競争相手がいなかったため、料金の値下げも考える必要がありませんでした。


ところが、やがてauソフトバンクといった民間企業が参入。


各社いろいろな、値段を提示し、客が自分の好みの商品を手にすることができます。


各企業が競争することで、より安価で人々のニーズに答える商品が提供できるわけですから。


問題は、この競争原理と、お互いに助け合う共生原理を、いかにバランスよく人々が幸せに暮らせるようにするのかを、これからも模索し続け、実行する必要があるということなのでしょうね。







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巨椋修(おぐらおさむ)拝


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巨椋修(おぐらおさむ)は陽明門護身拳法という護身術&総合格闘技の師範をやっています。

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