文科省の不登校調査は学校が回答していた。それで信用できるのだろうか?

 ちょうど一年前のYahoo!ニュースに次のような記事がありました。

不登校「先生が原因」 認知されず ―学校調査と本人調査のギャップから考える
内田良 | 名古屋大学大学院教育発達科学研究科・准教授
2016/10/16(日) 11:11


 くわしくは記事を読んでいただくとして、ちょっと気になることが・・・ 記事によると・・・

不登校経験者たちに話を聞くと、「調査目的で不登校の理由を聞かれたことは一度もない」というのだ。調査されていないのに、数字が公表されている。これはいったいどういうことなのか?


この調査というのは文部科学省のものなのですが、その答えは

「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」は、学校が回答したものである。


 というのです。当然そこには学校側と不登校生徒児童とのギャップが生まれる。この記事では「不登校の原因」として先生との関係に着目しています。そもそも学校はいじめ自殺などが起った場合、そのほとんどが「いじめはなかった」と回答し、やがて親やマスコミなどが児童生徒に聞き取りをはじめると、いじめの実態が浮かび上がってきて、逃れられなくなってからやっといじめを認めるという隠蔽体質がありますから、はたして本当に信用できるのでしょうか?

 文科省の調査では、不登校経験者本人が回答した追跡調査もあるので比較してみると・・・

「教師との関係」である。学校調査では教師が原因であるとの回答は1.6%(学校調査のなかでは、もっとも数値が小さい)にすぎないが、本人調査では26.2%にもなる。学校と本人の間に16.3倍の開きがある。本人としては、「先生のせいだ」と思っていても、学校側はまるでそのようには考えていないということだ。


 う〜ん・・・ 文部科学省の調査は「学校が回答したもの」であり、つまりは先生たちの回答・・・ そりゃ先生たちだって不登校の原因は自分たちであると思いたくないのはわかります。

 でも不登校児童生徒と学校側に16倍もの差があるというのはちょっと・・・・

 別に先生が悪いとか先生が原因といいたいわけではありませんが、このような結果が出てしまうと文部科学省のデータ自身、信用を失ってしまうような気もいたします。

 だって市民の調査を国民に実際に聞くのではなく、公務員さんや政治家さんが「たぶんこんな感じだろう」と回答するのと同じではと想像してしまいます。

 
 不登校にしてもひきこもりにしても、学校や社会、各家庭、親、本人と思うところは別々。

 もう少しキメ細かく調査をしていただきたいものですね。



 FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)拝

わたし(巨椋修(おぐらおさむ))が監督した映画『不登校の真実〜学校に行かないことは悪いことですか? 』DVDになりました。
精神科医不登校に携わる皆さんにインタビューをしており、問題解決のヒントになれば幸いです。
TSUTAYA』のドキュメンタリーコーナーにも置かれておりますのでご覧になってください。


●巨椋修(おぐらおさむ)の著書



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巨椋修(おぐらおさむ)は陽明門護身拳法という護身術&総合格闘技の師範をやっています。

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