ジンバブエのこと、時々で良いから思い出してあげてください

http://www.cnn.co.jp/business/CNN200605130013.html
http://www.asahi.com/international/update/0513/015.html
ジンバブエが世界最悪のインフレ率1000%*1というニュースです。リアル「経済学がこの世から消えたら…」ですね。しかし、意外なことに年率1000%のインフレ率でもハイパーインフレではないのです。http://www.rieti.go.jp/jp/special/policy_discussion/07.htmlにあるように
ハイパーインフレとは、標準的な定義では年率13000%以上のインフレであり、国として壊滅的な状況で現れる極端な現象であることなのです。ジンバブエですらなってない現象を現在の日本がおこすわけがないだろと。

統計

インフレ率以外の統計データも見てみましょう。ジンバブエ基礎データ | 外務省によると公式統計では国民所得*2が57億米ドル、失業率が71%*3、経済成長率が-3.5%、人口増加率は2.6%。現在ではたばこ、金、プラチナ、フェロアロイなどが主要輸出品目で過去には農作物の輸出国だったことが分かります。

生活

さて、現在のジンバブエ国民の生活はどうなっているのでしょうか。残念ながら、リアルタイムの生活レポートはありませんが3年ほど前のレポートはあります。

http://homepage1.nifty.com/mrmasa/Zimbabwe_rep2003/zimba_rep200312.htm
生活七不思議。経済が公式の統計ではとらえられなくなっているんでしょうね。
http://homepage1.nifty.com/mrmasa/Zimbabwe_rep2003/zimba_rep200307.htm
物不足が酷すぎて紙幣すら足らなくなったという話。蓬莱学園銀行かよ!*4
http://homepage1.nifty.com/mrmasa/Zimbabwe_report/zimba_rep200209.htm
実際のインフレ率は公式発表の倍ではないかという話。

考察

ジンバブエの現状についてある程度理解したところで、なんでこんな状態でも人々が暮らし、国が存続できているのかということについて考えてみたいと思います。

生活できてない

ジンバブエ - Wikipediaによれば平均寿命は36歳と世界で最も短いそうです。ようするに、こんな国では生きていけないわけですね。

農作物の自給自足は可能

もともと、アフリカの穀物倉庫と呼ばれるほどの農業国だったため、低人口増加率と平均寿命の低さもあわせると、ものが不足していても自給自足、物々交換などで食べていくことは可能。

政治的対立

部族間対立は(日本であまり報道されていない程度には)激しくなく*5、貧富の格差を背景とした白人と黒人の対立が問題。しかし、大規模な武力衝突は発生せず、白人が国外に流出することで政治的には安定。(経済的には……)

とどめ

http://ww22.tiki.ne.jp/~ikuzo1201/page035.html
経済不振に陥る前のジンバブエ。社会規律なんてものはほんとうに無力ですね。

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*1:年率換算

*2:政府予算ではないです

*3:このインフレ率で失業率が改善しないなら(意味があるかどうかは別として)NAIRUはなんパーセントなんだ

*4:新城十馬の小説蓬莱学園の犯罪に出てくる現金を全て引き出されて営業活動が不可能になった銀行のこと

*5:政権与党ZANU-PF(ショナ族中心)と旧野党第一党ZAPU(ンデベレ族中心)は統合したのか(外務省見解)、ホームページ移転のお知らせ - Yahoo!ジオシティーズにあるように野党を非合法化したのかどちらなのかは定かではありませんが、一党独裁に対する批判はあっても部族間の政治的対立はない模様