小学校笑いぐさ日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード


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2016-08-16

シン・ゴジラを奧さんと見てきました。*ネタバレ

 ネタバレしますよー。超しますよー。

 

 お互い、ほとんど事前情報を仕入れずに見ました。

 見終えた後、昼食を食べながらの会話。

 

(以下、「卒」は最愛の妻であるところの卒論ちゃん)

 

庵野監督に、ありがとう。

 

卒「ゴジラって初めて見たけど、面白かったにゃー」

私「初ゴジラがこれだったのか……」

 

 例えば、旧作では普通に原発襲って核燃料食ってたのとか知らなかった模様。

 

卒「庵野監督が作った、って聞いてたから心配してたけど、見て感動しちゃったにゃ」

私「……自分は、むしろ庵野監督らしかったと思うけど」

卒「だって、エヴァの監督だっていうから、『おめでとう』みたいなわけのわかんないラストになったり、うじうじした男子中学生が主人公だったりするのかと思ってたけど、全然そんなことはなかったにゃー」

私「イメージ悪すぎだと思うけど否定もできない……」

 

 シン・ゴジラとっても良かったのでエヴァもなんとかしてください監督(切望)。

 

演出はエヴァっぽいがストーリーはそうでもない。

 

卒「(スマホでレビューを見つつ)エヴァっぽいエヴァっぽいって言ってる人が多いけど、そんなエヴァっぽかった?」

私「演出はエヴァっぽかったよね。例の明朝体でテロップが出る演出とか」

 

 こんなの。

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卒「でも、お話自体はそんなにエヴァっぽくなかった気がする。主人公の男の人もシンジ君っぽくはなかったし……」

私「どっちかというとミサトさんに近いよね。そもそも、エヴァが出てこないんだからエヴァじゃない」

 

「こんなのゴジラじゃない! エヴァじゃないか!」と言って批判する人もいますけど、じゃあメーサー車が殺獣光線を放ちメカゴジラがゴジラと殴り合いつつ「活動限界まであと60秒!」とかいう映画なら良かったんでしょうか。むしろそっちの方がエヴァいだろ。

 

私「2時間掛けてヤシマ作戦をやる映画、という感想も聞いてたんだけど、どっちかというと、現代日本でヤシマ作戦をやろうとしてスムーズにいかなくて四苦八苦する話、だったね。

 エヴァ放送当時、『日本中の電力を集めるなんて作戦があんなにスムーズに進行するはずがない』って批判してる人がいたけど、ある意味それに対するアンサーなのかも……」

卒「……ヤシマ作戦ってなんだっけ?」

私「エヴァ見たでしょ卒論ちゃん!?」

 

 あと、当時、

「停電地区がネルフ本部付近から同心円状に広がっていくシーンは印象的だが現実的でない。トラブル対応を考えるなら、むしろ本部から遠い地域から順次停電にしていくのが正しいはずだ。また、停電は電力会社の送電区域ごとに送電をカットしていくはずなので、同心円状ではなく、一定のエリアごとに停電していくはず」

 という指摘があり、これは後の劇場版で……(略)

 

左・TV版 右・劇場版(どっちもコントラスト等変えてます)

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自治体の視点。

 

卒「後半は『早く終わってー!』と思いながら見てた」

私「え……それは、つまらなかったということ……?」

卒「そうじゃなくて、早く事態が収束してくれえ、という。避難所とか災害対策本部とかほんとに、もう……」

 

 卒論ちゃんは市役所の人です。

 

私「ほとんど描かれなかったけど、あれ自治体も大変だよね。……被災地に限らず、首都圏から360万人の避難民となると、ウチの地元市でも何万人とかの避難民が来ることになるだろうし……」

卒「住民より避難民の方が多いとか想像しただけで……東日本大震災の時も、××ニュータウンで(中略)あの比じゃないトラブルとか……」

私「あれは……どうせ短期滞在だったんだし、張り切って仮設住宅とか建てないで、地元の旅館とか借り上げて滞在してもらった方が安上がりだったのでは。観光シーズンでもなかったし」

卒「市民から『不公平だ』とか言われちゃうからそれも難しいんだよねえ……」

 

 劇中の「避難民」というのは、数日前までは普通の(文明的な)生活をしていた東京都民です。

 よく、被災者難民が「豚汁ばかりで飽きた」「仮設住宅の風呂に追い炊きが欲しい」「スマホが使いたい」とかいうのを「贅沢だ」ってバカにする人がいますが、難民というのは難民に生まれついたわけではありません。普通の生活をしていた人をいきなり仮設住宅や体育館に放り込んだらそりゃあ不満も出るのは当然なわけで。

 

 ……ウチの地元とか、普通に暮らしてても東京より不便だからなあ……。

 

卒「災害時は、市役所とかほんとにみんな泊まり込みだし。自分の家の片付けとか放り出して、被災者の面倒みなきゃならないし」

私「巨災対が不眠不休なのは、災害対策として特別な状況ではないと」

卒「民間の人からは、公務員のそういう部分ってあまり見えないかも知れないけど……」

私「(スマホ)……あ、でも、『細かすぎて伝わらないシン・ゴジラの好きなところ選手権』で、こんなツイートが」

卒「ブラック企業ヤバい」

 

#細かすぎて伝わらないシン・ゴジラの好きなところ選手権 #シン・ゴジラ【ネタバレ注意】

 

 まあ、作中、「不眠不休で働いてくれています」というのを手放しで美談扱いするのはどうなのかなー、と思わぬでもなかったのですが。

 適度に睡眠を取った方が全体的な効率は上がりますよ、という。

 しかしまあ、そこも含めて非常にリアルと言えばリアルでした。

 

卒「とても良い公務員映画でした。あ、ある意味『踊る大捜査線』っぽかった」

私「ああー。会議のシーンも、ネルフの作戦会議よりむしろそっちに似てるかもね」

卒「スーツがいっぱい見られたので満足でした」

私「そこか」

 

 なんというか、申し訳程度に若い女性がいるだけで、ほんとジジイとオヤジばかりの映画でした。

 ほんと……日本の「えらい人」って、ジジイばかりなんだなあ……と。

 

私「あの最初の総理もさー、決して無能ってわけではないよね?」

卒「うん。すごく有能ってわけでもないけど、充分頑張ってる感じ」

私「ただ、組織が大きすぎて、効率的に動けない、って描写だったよね」

 

 で、えらい人が大量死した後に俄然組織が効率的に回るようになる、って描写もどうなのかなー、とは思いましたが。

 

女性ウケとか子どもウケとか、それと時代性について。

 

卒「長谷川博己って全然イケメンじゃないと思ったけど、役としてはイケメンで安心して見られたかにゃー。あと、最後、石原さとみと結ばれるんじゃないよねー? そんな展開いらないぞー、って思いながら見てたけど結ばれなかったので安心したにゃ」

私「ロマンス要素は全くなかったね」

卒「そういう要素いらないから。ロマンスもドラマチックな展開もいらないから早く収束してください」

私「役所としてはそれが一番ですよねえ」

 

私「ゴジラとの戦い、ヤシオリ作戦も、最終的にはすっごい地味な絵面なんだよね。ブラックホール砲もなければスーパーXもない、使うのは民間から借りてきた生コンポンプ車、という。

『えっ……ほんとにこれで勝てるの? 作劇的にどう考えても勝てなさそうなんだけど、タイムリミットもあるし……?』

 と思っちゃった。

 ただ、他所から借りてきた装備、今あるものを使って勝負する、というのは、エヴァのヤシマ作戦にも似てるけど、すごい泥臭くてリアルでいいと思った」

 

 過去の東宝自衛隊で言うと、

「ちゃんと専用車両設計しましたよー? カッコいいでしょ? 洗練されてるでしょ?」

 ……っていう雰囲気の92式メーサータンクより、

「とにかくアリモノの車台にメーサー発振器載せて牽引すりゃあゴジラを殺れるんじゃあー!(殺れません)」

 ……って感じの66式の方がリアルでカッコいい……という感覚。

 

左・92式。 右・66式。

ゴジラvsビオランテ 92式メーサービーム戦車 (1/144スケール プラモデル) ちび丸ゴジラシリーズNo.2 66式 メーサー殺獣光線車 プラモデル

 

 そして、生コンポンプ車、まさに福島第一の注水作業でも借用されて活躍してたわけで。

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国内最大の生コンポンプ車で原発冷やす

 

 さんざん言われてることではありますが、かつての初代「ゴジラ」は、戦争体験被爆体験が強烈に残っている時代に作られた映画でした。

「お父ちゃんのところに行くのよ」「また疎開かあ」「いよいよ、最後、さようなら、皆さんさようなら……!」「人類が今後も核実験を続ける限り、第二、第三のゴジラが……」

 時代性がありました。

 

 その意味で、本作、「シン・ゴジラ」は、とても現代的な映画だと思います。

 

 ゴジラがまき散らした放射能による汚染は、モニタリングポスト等を活用して線量が刻々と。

「万一ゴジラが原子力施設を攻撃するような事態になった場合、甚大な被害が」

 と懸念する政府筋。

 

 ゴジラが井浜原発を破壊して炉心を取り出したのに「環境への影響はありません」だった'84年「ゴジラ」や、都心でメルトダウン起こしたのに「さすがジュニアだ! 東京はなんともなかったぜ!」で済む「ゴジラvsデストロイア」とは時代が違います。

(最後の「除染に希望が持てます」は……リアルではないけど……仕方ないんでしょうか)

 

 ゴジラは「冷温停止」したものの、依然として放射能は流出しており、最終的な処分の目処も立たず、それまでの間に何か重大な不測の事態が起きる可能性もある。

 しかし、私たちは、知恵と労力を集めてそれと共存し、対峙していかなければならない、この国にはきっとそれができるはずだ……というラストは、本当に「今」の映画だと思いました。

 

2016-07-10

時代は「足し算」順序問題。

 こういうの、ほんと勘弁して欲しい……。

 ちょっと見てください。

 

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 一番下の問題だけ拡大。

 

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「2+0になるのはどっちか」って……。

 

 どっちでもいいだろ!

 

 いやまあ、これは教科書じゃなくて市販のドリルですけど。*1

 

 こんなの教えたくないぞ……。

 

*1:でも「東京書籍の教科書に準じている」と謳っているし、新学社は「一般社団法人 日本図書教材協会会員」なんだそうです。よくわからんけど。

2016-06-24

ジェネレーションにギャップがない。

 小学1年国語、「おむすびころりん」。

 

K村「お話の最初に、“むかしむかしの はなしだよ”……って書いてありますね。

 みんなは、“むかし”ってどういう意味だかわかりますか?」

「わかるー!」

「しってる! ずっとまえ、ってこと!」

「そう! しょうわとか!」

 

 同年代の話だったのか。

 

2016-06-18

ピカピカの一年生(3回目)。

 ここ数年、低学年担任をやってるんですが、「あのね」カテゴリの記事が全然書けないのです。

 

「自分はもうメンタリティが摩耗して、勤務内容をおもしろおかしく文章に書く力が失せてしまったのかも知れない…」

 などと思っていたのですが。

 

 しかし先日、

 

A児「先生、この魚、骨がありますよ!」

K村「うんそうだねえ、実は魚って骨がある生き物なんだよ」

 

 という会話をした時に、

「あっ、この会話確か去年もした!」

 ということにはっと気づきました。

 

 なんというか、1・2年生を毎年見ていると段々慣れてきて、おかしなことを言っても平然と対応できてしまったりするのですよね。

 悪いことではないのでしょうけど、ブログの種にはならない。

 

 もう一度、学校生活を新鮮な目で見直してみたいものです。

2016-06-06

死神はどこから来るのか。

 ほんとに個人的な発見なんですけど。

 

 初読から30年近くたってようやく、「モモちゃんとアカネちゃん(松谷みよ子)」に出てくる「死神」が何を意味していたのか気づきました。

モモちゃんとアカネちゃんの本(3)モモちゃんとアカネちゃん (児童文学創作シリーズ)

 死神は、同書の中の「ママのところに死に神がきたこと」というエピソードに出てきます。

 

*あらすじ

 

 深夜、寝ているママがふと目を覚ますと、ベッドの足元に死神が立っています。

 

 ママは、悲鳴を上げようとして声を上げられないまま、

 

「儂のことを死に神だと思うておるね?」

「とうとうやって来た、と、思うておるね?」

 

 とか不気味なことを言う死神の方に、ずずっ、ずずっ、と引きずられていきます。

(台詞うろ覚え)

 

 で、もうだめだー、と思ったところで、アカネちゃん(生まれたばかりの赤ちゃん)が目を覚まして、「ウックーン、ウックーン、ウマウマ」とか声を出すと、死神はすっと消えてしまいます。

 そして、我に返ったママは、

「お腹がすいたのね、ミルクをあげましょうね」

 ……とか言って、アカネちゃんの世話を始めます。

 

*あらすじここまで

 

 小学生の頃読んで不思議だったのは、そんな恐ろしい死神が、なんで赤ん坊の声ごときで退散するのか、ってことだったのですが。

 

 ……でも、さっき気が付いたんですけど、この「死神」は、ママ自身の心の中にいるんですね。

 別に、黄泉の世界から来たのではなくて。

 

 夫婦関係がうまくいっていない(この後離婚するのです)こと、それが原因なのか体調もすぐれないこと、そういったことがあって、夜中に目を覚まして「生きているのが辛い」「何もかも捨てて楽になりたい」的な虚無感に襲われて。

 声も出せないまま、ずるずると死神の方に引きずられて行くのです。

 

 でも、子どもがばぶばぶ言い始めると、ひとまずそういう思いは頭を去って、何とか目の前の日常に対処していく……という。

 

 ……でも、それで死神がいなくなったわけではなくて。

 死神は、この後も何度も何度もママの元にやってくるのだ……というのは、その後のエピソードで触れられています。

(そして、苦しんでいるママに、魔女……「不思議な森のおばあさん」がくれたアドバイスが、「このままでは二人とも枯れる」ということなのですが……)

 

 ……まあ、だから何? と聞かれると困りますけど。

 

 ただ、「童話」ということになっていますけど、「モモちゃん」シリーズはほんとに深すぎだろう……と思います。

 

 最初、モモちゃん(長女。第一子)が生まれた頃は、「にんじんさん」「じゃがいもさん」「たまねぎさん」がお祝いにやってくる(「おいわいにカレーライスを作りますよ!」「まあ! モモちゃんはまだ赤ちゃんなんだから! カレーライスなんて、だめだめ!」)とか、ほんとにほんわかしたお話なのに、モモちゃんが成長するに従って、世界が段々現実寄りに変化していくんです。

 でも、飼い猫のプーは、相変わらず人間としゃべれるし、森の中には魔女が住んでいる……。*1

 あの不思議な感じ、ほんと大人にもオススメです。

*1:ふと気づいたけど、ドラゴンボールに似てるかも知れない。
最初は、村人に怖れられる牛魔王や、カリン塔には仙人が住み、天下一武道会には怪獣が出てくる、みたいな民話チックな世界だったのが、いつの間にやら神様の正体は宇宙人になり、ただのプロレスラーが「世界最強」と崇められるようになり……。