読売社説 [ゼロ金利解除]「病後経済の体調管理が肝心だ」

 これに一票。

 原油価格高騰などの影響を除けば、まだ物価上昇圧力が強まっている状況ではない。経済界には「ゼロ金利解除を急ぐ必要はなかった」との意見も残る。

 まったく。

 今回も景気の先行きになお懸念材料が残る。米国経済は減速感が強まる一方、インフレ懸念が生じている。ぐらつけば日本の輸出産業に打撃となる。内外の株価も不安定な動きを続けている。
 国内では、個人消費の回復がもたつき気味だ。企業部門の好調さが家計部門に波及し、息の長い経済成長が続く――。そんな日銀のシナリオ通りには進まない恐れがある。
 何よりも、金利の上昇が実体経済に与える影響をよく見極める必要がある。

 ゼロ金利解除を受け、大手銀行は年0・001%と限りなくゼロに近かった普通預金金利を引き上げる。それでも、年0・1%程度と、預金者は雀(すずめ)の涙程度の利息を受け取れるだけだ。
 一方、住宅ローン金利や企業向けの融資金利は、すでに引き上げが始まっている。貸出金利の上昇が続けば、とくに中小企業や家計の負担は重くなる。長期金利が高くなれば、国債の利払いが増え、国の財政が一段と悪化する。

 まあ、しかし、大局的に見るとしかたないことか。
 半分冗談で言うのだが、じりじりと円安が進んで事実上のリフレ効果になるのかも。