毎日社説 EU新条約 憲法が死に欧州合衆国遠のく

 あれ、これでよかったのか。

 ブリュッセルで6月、開かれた首脳会議は全加盟国の批准を確保することを優先し、争点となる項目を憲法から次々に削った。
 合意文書をみると、連邦国家とみなしうる要素やシンボルを徹底的に追放したことがわかる。名称の「憲法」そのものを「改革条約」といいかえた。「外相」は「外交上級代表」と呼び、「共同体(コミュニティー)」は「連合」といいかえた。「法」も使わず、旧来の「指令」などを残した。「国旗」(青地に12の星)、「国歌」(ベートーベン「歓喜の歌」)も削除した。「多様性の中の統合」という「標語」も消えた。

 後半は正しいが、これはもとから「憲法」ではなかったのではないか。
 重要な問題は、経済と軍事だった。前者は通過と労働者、それと対中国問題か。軍事についてはEU軍は立ち消えたように見える。というか、アフガンでNATOが問われている。あまり日本で報道を聞かない。