日経社説 食の安全確保に世界的視野で取り組め

 日本ではメラミンの混入は想定外で、検査の対象にしていなかった。中国製冷凍ギョーザ中毒事件の真相が依然として解明されていないなかで、消費者の輸入食品への信頼は大きく揺らいでいる。食品関連企業は原材料にまでさかのぼって安全性をチェックする体制が必要だ。
 政府が輸入食品に対する検査を強化するのは当然である。そして中国政府に食の安全確保を強く求め、必要なら人材育成やノウハウ確立のための協力も積極的にすべきだ。

 これなんだが。
 自分がこの分野にいまひとつ詳しくないので放言になってしまうかもしれないがという限定でいうと、安全性のチェックは個別対応と国際的な基準で考える部分があり、後者については総じていえば、中国の輸出品の食の製造管理については日本より進んでいたと記憶している。れいの毒入り餃子だが人為的に毒を入れたわけで、これはいわゆる食の安全管理の問題とはやや違うというか、いわゆる食の安全管理が想定していないというか、カテゴリーが違う問題だ。
 このあたり識者はわかっているのだろうが。

産経社説 【主張】汚染米捜査 行政責任の解明も必要だ - MSN産経ニュース

 三笠フーズ事故米を子会社に売却後に買い戻し、食用として再転売していたことも明らかになっている。1キロ当たり平均9円で仕入れた事故米が、最終的に14倍の125円で売られていた例もあった。あくどい利ざや稼ぎにはあきれるばかりだが、流通ルートを複雑にして汚染米の出所を隠す狙いもあったようだ。食品業者として信じがたい悪質さである。

 まり寝た子を起こすような指摘な避けるべきかと思うけど、このルートの問題は事故米隠蔽もだが、加工米や別の流通米の問題がある。関係者はわかっていて沈黙している感じがする。ただ、スーパーというか安売り店とかで異様に安い米の販売とか、実態はわかっている人は多いだろうに。

毎日社説 社説:原子力空母配備 「安全」に日米政府は万全策を - 毎日jp(毎日新聞)

 事故が発生したり、その疑いがある場合には、米軍からの通報だけに頼るのでは不十分である。日本政府は、「立ち入り」を含めた十分な対応を米政府と取り決めるべきだ。そうでなければ、住民の不安に応えることはできない。

 それはそうなんだが、そういう事態になったとき、被害者はまず乗員に出るので、その体制がどうなるのかということが議論になるはずだが、ざっと見ていると、どうも乗員の安全性に日本がどう支援するかという発想は見当たらない。

毎日社説 社説:汚染米捜査 農水行政の腐敗もえぐり出せ - 毎日jp(毎日新聞)

 いまのところ健康被害の訴えはないが、出荷された期間が長く、蓄積された場合の影響が心配される。

 ここは毎日がきちんと着目している点で評価はできる。ただ、「蓄積された場合」ではなく、「すでに蓄積されていた場合」の問題で、おそらくこれは、アフラトキシンの問題ではない。そのあたり専門家はある程度推察できるはずなんで、ジャーナリズムが取材すればいいのに。
 この問題、こうしたアングルでみると、輸入米の問題ではなくなるということに毎日が気がついているかもちょっと疑問はある。まあ、誰も気が付かないで忘れ去れるタイプの深刻な問題かもしれない。

読売社説 事故米捜査 厳罰化で食品不正を絶て : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 農薬汚染の事故米は中国産やベトナム産だった。関係国にも安全対策と取り締まりの強化を求めていくことが重要だ。

 それはそうなんだけど、その場合相手国の状況を踏まえてきちんと国際的に妥当な規格を提示しないと。

読売社説 米原子力空母 アジア安定に役立つ日本配備 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 今年3月の台湾総統選の際には、キティホークなど2隻の米空母が台湾東方海域で訓練を実施し、周辺ににらみをきかせた。96年の初の総統選で中国が行ったミサイル演習のような示威行動を防ぐのが目的とみられる。

 読売はそれなりに言及している。

朝日社説 米原子力空母―平和の要塞となれるか : asahi.com(朝日新聞社):社説

 朝日も変わったなという感じはあるが。

 だがそれと裏腹で、軍事力の展開が逆に緊張を高めることもある。中台関係が緊張した96年、2隻の米空母が台湾近海で示威行動をしたことは記憶になお鮮やかだ。米中関係も朝鮮半島問題も、外交と抑止力がうまくかみ合ってこそ平和につながる。

 こういう書き方は朝日変わらないなというか。このとき、中国は日本近海にミサイルを撃ち込んでいた。あのときの国内報道はきちんと地図を出さないのが多かったけど、台湾より日本の領海に近かった。
 また昨年ですら。
 ⇒極東ブログ: 台湾総統選、予想

 米国の動きだがすでに最悪の事態に備えている。共同によるロイターの孫引き報道”米空母2隻、台湾近海に 総統選に合わせ警戒態勢”(参照)より。
 

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 ロイター通信によると、米国防総省当局者は19日、米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)を事実上の母港とするキティホークを含む米空母2隻が、22日の台湾総統選に合わせ台湾近海で警戒に当たることを明らかにした。
 空母は台湾海峡には入らず、台湾の東沖で訓練を行う見通し。中国から「挑発的な行動」があった場合には対応できる距離にいるという。

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 横須賀からキティちゃんは動いている。中国側からの挑発行為を避けるためだ。つまり、米国としては中国側の挑発の可能性を視野に入れている。なぜ?

 こういう状況があった。これは米国側というより中国側の要因が大きい。
 これとか⇒極東ブログ: 今週のスケジュールは台湾海峡軍事演習?
 もう日本では忘れられているかもしれないけど。
 ⇒極東ブログ: 「反国家分裂法案」を引っ込められなかった中国
 話シフトして安全性について。

 そして、何より大事なことがある。原子力艦の安全対策だ。

 それはそうなんだが、それ以前に空母乗員の安全の規定が米国に存在しないとも思えないので、そのあたりの報道は十分ではないように思える。

朝日社説 高齢者医療―麻生さん、もてあそぶな : asahi.com(朝日新聞社):社説

 民主党は年齢や職業にかかわらずだれもが一つの制度に入る一元化を提案している。だが、自営業者らの所得をきちんとつかめない限り、公平な負担にはならない。税金をどのくらい投入するかもはっきりしない。
 支え手が減るなかで社会保障制度をどのように維持し、負担をどう分かち合うのか。それを国民にわかりやすく示し、必要な負担の議論を逃げないことこそ、与野党に求められている。
 日本の将来にかかわる社会保障制度をもてあそんではいけない。

 私はこの問題に無知に等しい。現状の何が問題なのかよくわからない。