日経春秋 春秋(11/7)
ヒッピーという言葉は、今も生きているのだろうか。ずっと昔、既存の秩序や権威に抗(あらが)う若者を引き付けた米国発の風俗だ。長く伸ばした髪や髭(ひげ)。質素な衣服。自然回帰を唱え反戦を訴えた彼らだが、ドラッグ(薬物)とも縁があった。
春秋子がその年代ような。
毎日社説 社説:前空幕長問題 政府の責任を明らかにせよ - 毎日jp(毎日新聞)
田母神氏は、幹部自衛官の教育機関である統合幕僚学校の学校長だったことがある。同氏はかねて戦争責任や安全保障に関する持論を表明していた。統幕学校で、政府見解、政府方針に反する「教育」が行われていなかっただろうか。この点も解明されなければならない。
それがあったかどうかが問題。私的な領域での思想信条などどうでもよい。
最大の問題は、ゆがんだ歴史認識を持ち、政府見解を否定する人物がなぜ、空自のトップに上り詰めることができたのか、ということである。田母神氏は空幕長就任後、空自の隊内誌に今回と同趣旨の文章を寄せていた。同氏を空自トップに据えた自公政権の責任は重大である。麻生首相の考えをぜひ聞きたい。
「ゆがんだ歴史認識を持ち、政府見解を否定する人物」など言い出したら、レッドパージみたいなことになる。いかようにも難癖が付く。そして結局は歴史認識は欠落せよが帰結される。思想を持つな、と。もつならこの思想だけだと。どっかで見た光景だ。
あと単純にわからないのだが、「同氏を空自トップに据えた自公政権の責任は重大」というが、そういう人事権になっているのか? 形式的にはそうとも言えるか。
いずれにせよこの問題、最高裁まで争ってみてはどうか、司法の見解を聞いてみるとよいよ。
経過の報道⇒まあメモ - finalventの日記
朝日社説 防衛次官の罪―組織再生の道はなお遠し : asahi.com(朝日新聞社):社説
トップの犯罪は、必然的に組織全体のモラルを低下させる。
この事件の反省もあって防衛省は今年8月、規則順守を徹底させるための計画を作って実施したが、その後も不祥事は絶えない。9月には格闘訓練で海上自衛隊員が死亡し、10月には防衛医大教授が収賄容疑で逮捕された。
政府見解を否定する論文で更迭された前航空幕僚長も、部外に意見発表する際の手続きを踏んでいなかった。自衛隊は他の組織以上に、規則や規律を守ることが重視されるべきところだ。綱紀の乱れはとどまるところを知らない。
トップの乱れと「政府見解を否定する論文」とやらはまったく問題が別とは言わないが、落語の三題噺のように混ぜて議論してもしかたがない。
「政府見解を否定する論文」が税金で維持されているような部署から出るなら問題だが、この論文とやらはイカれた不動産屋のお遊びの追従で馬鹿はしょうがないなあぁという私的なセクターの問題にすぎない。
「前航空幕僚長も、部外に意見発表する際の手続きを踏んでいなかった」については、その後の経緯を見ると、事実誤認ようでもある。あるいは彼一人の例外か。
⇒まあメモ - finalventの日記
話戻して。
文民統制の根幹は国会によるチェックであり、政治の役割が大きい。なのに当時の首相や閣僚、国会はそれを自覚せず、守屋次官の専横を許した。そればかりか、彼と有力政治家が緊密な関係を結び、互いに利用しあった面すらある。かかわった政治家は重い責任を再確認すべきだ。
文民統制も議会も理解されていない。
文民統制については⇒朝日社説 空幕長更迭―ぞっとする自衛官の暴走 : asahi.com(朝日新聞社):社説 - finalventの日記
あと、議会が文民統制に強く関与するのは予算の承認。文民統制は基本的に行政府に所属。国会は立法府。
三権分立とか、統帥権の独立とか、そして文民統制とか、朝日新聞はなーんもわかってないんじゃないか。これが戦後社会の帰結か。
朝日社説 オバマ時代―日本外交も刷新のときだ : asahi.com(朝日新聞社):社説
だが、その米国の次期大統領が一極支配型の外交からの脱却を語る。イラク戦争とテロとの戦い、押し寄せる経済の危機を思えば、そうせざるを得ない世界の現実があるということだ。
日本政府にとっては、ハシゴをはずされた感があるに違いない。あれほど無理を重ねて自衛隊をイラクに派遣したのに、この戦争には反対だったと米国の指導者に言われてしまうのだ。
放言書いておこう、馬鹿でなければ悪辣だな。
ワシントンポスト⇒The War That Didn't Bark - washingtonpost.com
Mr. Obama's withdrawal proposal, which would have triggered a catastrophe in 2007 and still looked irresponsible a few months ago, now does not sound that different from what the Iraqi government and the Bush administration have lately been negotiating.
(オバマ氏の撤退提案は、2007年時点であれば悲劇的結末を引き起こしていただろうし、数ヵ月前を振り替えても無責任にしか思えないものだが、現時点では、イラク政府とブッシュ政権によるその後の交渉と変わり映えのないものになっている。)
ワシントンポストの論調が正しければと留保するが、朝日の論調の通りであれば、イラクはまた悲劇的結末に陥っていただろうし、展望も開けなかった。そして朝日がバッシングするブッシュ政権のイラク政策とブッシシュ政策の現況とはそれほど大差はない。
朝日新聞はこの戦争の大義を言うし、確かにそこに問題はある。しかし、大義があってもアフガンの結果を見るといい。