朝日新聞社説 首相の言葉―公約でないとは恐れ入る

 確かに民主党政権公約マニフェスト)には「米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」としか書かれていない。「県外」はおろか、普天間という言葉もない。
 民主党の年来の主張は「国外・県外移設」だったが、政治的に難題であることは当時からわかっていた。だからこそ政権獲得を目前に、あえてあいまいな表現にとどめた事情がある。
 それでも県外を目指すと踏み込み、国民の期待を引き寄せようとしたのは、他ならぬ鳩山氏自身である。有権者からすれば、民主党代表であり、首相候補者である鳩山氏の公の発言は、公約以外の何ものでもない。
 いまさら、マニフェストには書いていないからと責任逃れをするような発言には、恐れ入るほかない。

 まあ、そういう経緯。

 実行力を伴わない言葉の軽さも困りものだが、それが思慮の浅さに起因しているのではないかと疑われる点が、より深刻である。

 海兵隊の抑止力について、首相なりの認識を得るための勉強に8カ月も要したというのが本当なら衝撃である。
 移設問題とは、「抑止力」と沖縄の負担軽減という困難な二正面作戦に他ならない。そのことは初歩の初歩のはずではなかったか。

 まあ、これも鳩山さんは馬鹿だ論の一種であろう。どっかのリストに朝日新聞社説も加えていくといいだろう。