finalventの日記

2010-09-29

10代でそんなに読むことはないよ

 ⇒はてなブックマーク - 10代で読んでいないと恥ずかしい必読書 - その1 - PictorialConnect

 ⇒10代で読んでいないと恥ずかしい必読書 - その1 - PictorialConnect

 とかいいながら、けっこうこれらは私は10代で読んだな。背伸びしたいころであった。

 

プラトン『国家』

 これは存外に面白い本なんだが、いろいろと手順みたいのが必要なんで、「プラトン入門 (ちくま新書): 竹田 青嗣」を先にきちんと読んでおいたほうがいい。

 

アリストテレス『ニコマコス倫理学

 れいのサンデル先生というかコミュニタリアンで再評価されつつある。現代的な文脈でいうなら、サンデル先生の説明をきちんと理解するだけでよいと思うよ。

 ⇒[書評]これからの「正義」の話をしよう いまを生き延びるための哲学(マイケル・サンデル): 極東ブログ

 

ショーペンハウアー『意志と表象としての世界』

 これ10代に薦めるわけですか。はあと。ショーペンハウアーを楽しく読むなら、「随感録: A. ショーペンハウアー, Arthur Schopenhauer, 秋山 英夫」のほうがいいけど、絶版ですか。ほか昔はこの一部の「女について」はみんなそれなりに読んでいたものだった。だからどうということではないが。

 

ヘーゲル精神現象学

 ああ、やめとけ。

 へーゲリアンプロパーからはいろいろ異論もあるだろうが、思想的というなら、「人間的自由の条件  ヘーゲルとポストモダン思想 (講談社学術文庫): 竹田 青嗣」が現代的。

 それでもというなら、「完全解読 ヘーゲル『精神現象学』 (講談社選書メチエ): 竹田 青嗣, 西 研」。

 

デカルト省察

 ああ、これは必読なんだけど、前段の「方法序説 (ちくま学芸文庫): ルネ・デカルト, 山田 弘明」がわかっていないと読んだ意味ない。

 で、方法序説自体、実はけっこうむずかしい。

 まずこれをきちんと読むといい⇒[書評]反哲学入門 (木田元): 極東ブログ

 デカルトってみんな批判するしわかった気になりがちなんだけど、たいていは誤解というか表層的な理解にすぎない。

 あとこれもお薦め⇒知の構築とその呪縛 (ちくま学芸文庫): 大森 荘蔵

 

パスカル『パンセ』

 パンセは多くの人が誤解しているけど、本来は、イスラム神学に対抗するための体系的な書物のためのノートだった。だから、そのところを抑えていないと、警句集とか断章のように読まれてしまう。まあ、しかし、そう読むしかないとも言えるのだけど。

 それでも全体像を踏まえた注釈書が必要なんだけど、最近はよいのが見当たらない。

 

ライプニッツ『単子論』

 私はこれは読んだけどわからない。

 

カント純粋理性批判

 カントは多面的だけど、とりあえずサンデル先生の説明をきちんと理解するだけでよいと思うよ。

 ⇒[書評]これからの「正義」の話をしよう いまを生き延びるための哲学(マイケル・サンデル): 極東ブログ

 あとちょっとずれるけど⇒「私」の秘密 哲学的自我論への誘い (講談社選書メチエ): 中島 義道

 簡単にふんふんと読めるけど、大変な問題提起していて面白いよ。

 

キェルケゴール死に至る病

 僕らの世代はみんな読んだけど、つまらん。

 

バーク『フランス革命の省察』

 これはとても重要なんだけど、背景が伝わるか。

 この問題⇒マリアンヌとコロンビア、国家の擬人化、理性教というカルト: 極東ブログ

 

ジェイムズ『宗教的経験の諸相』

 夏目漱石とかも読んでいた。まあ、あの時代の知識人がよく読んだ。現代人が読んでどうなんでしょ。

 

ニーチェ『道徳の系譜』

 ニーチェでこれですかあ。はあと。

 

ベーコン『ノヴム・オルガヌム

 なんかなつかしい。頭に残ってない。ヒュームとかのほうが断然面白いと思うが。

 

フッサールヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学

 これはそれほど難しくないというか、後期フッサールであって、いわゆる現象学からははずれる。

 後期ハイデガーの文脈に繋がる。

 

メルロ=ポンティ『知覚の現象学』

 これも僕らの時代の必読だった。まあ、面白いといえばそうなんだけど、で?みたいな感じ。

 

ハイデッガー存在と時間

 これもパンセではないけど、途中までの、なんつうか失敗作。

 これ先にきちんと読んでおくとよい⇒ハイデガー『存在と時間』の構築 (岩波現代文庫―学術): 木田 元

 

アーレント『精神の生活』

 アーレントでいきなりこれというのが中二病的でナイス。やめとけ。

 まずこの辺りから⇒[書評]今こそアーレントを読み直す(仲正昌樹): 極東ブログ

 

ヨナス『責任という原理』

 読んでない。

 

サルトル『存在と無』

 これもあの世代は読まされたのくち。現代で読む意味はほぼないと思う。

 

ベルグソン『時間と自由』

 これは重要な著作なんだが、まあ、読んでおいてもいいけど、ベルクソン孤立している。

 小林秀雄も澤瀉先生から入っているが。

 このあたりがよい⇒ベルクソンの科学論 (中公文庫 M 88): 澤瀉 久敬

 でも絶版か。

 

ミンコフスキー『生きられる時間』

 これかあ。

 このあたりのほうがよいと思うが⇒時間と自己 (中公新書 (674)): 木村 敏

 

レヴィナス『全体性と無限』

 あー、レヴィナス、つまらんです。説教大杉です。内田樹先生級です。

 

フロイト『快感原則の彼岸

 フロイトでこれかあ。まあ、そうかもしれない。

 

ドゥルーズ=ガタリ『アンチ・オイディプス』

 私のこの本の評価は、くだらね。

 

フォーダー『精神のモジュール形式』

 フォーダーはゴミ。

 

ヤスパース精神病理学総論』

 これがまたつまらん本です。ヤスパースはいろいろ読んだが実につまらん。

 

レンベルガー『無意識の発見』

 未読。

 

ラカン精神分析の四基本概念』

 ラカンは、ようするにフロイトなんで、そこがわからないとただのレトリックになるだけ。

 ラカンの最大の入門は⇒[書評]心の探究(佐々木孝次): 極東ブログ

 

フーコー『言葉と物』

 まあ、面白いです。まあ、必読ではありますね。フーコー好きの人がこれ理解しているのか疑問に思うこともあるけど。

 

ソシュール『一般言語学講義』

 暗記するほど読んだ俺がいう、やめとけ。

 丸山圭三郎先生の『ソシュールの思想』はさらにやめとけ。

 一般言語学というのは一種の工学です。人文の頭の人が読むから世の中おかしなことになる。

 

ヴェイユ重力と恩寵

 すり切れるほど読んだ。ヴェイユは変態です。以上。

 

ディルタイ精神科学序説』

 つまんなかったなの印象しかない。

 

ブーバー『我と汝・対話』

 ボロボロになるくらい読んだ。これは断章として読まれる本じゃないのな。

 ⇒植田重雄、逝く: 極東ブログ

 

ウィトゲンシュタイン論理哲学論考

 これもやめとけの部類。ヴィトゲンシュタインってなんかかっこよさそうに見えるだけ。

 論哲は後期にどう否定されるかというのが重要なんだけど、後期ヴィトゲンシュタインが謎過ぎ。

 読むなら⇒ウィトゲンシュタインはこう考えた−哲学的思考の全軌跡1912〜1951 (講談社現代新書): 鬼界 彰夫

 

ミンスキー『心の社会』

 これあきれるほどつまんない本ですよ。人工知能とかやるやつらの脳のスカスカ感が心地よいです。

 

ライル『心の概念』

 知らない。

 

バタイユ『エロティシズム』

 これは「エロ」ではないんですよ。読めばわかるけど、ただのヘーゲルです。

 一緒に掲載されて芸術エッセイとかが秀逸。

 

アガンベンホモ・サケル

 未読。

 

ラッセル『西洋哲学史

 ラッセルはよく読んだ。これはそのなかでいちばんつまらないもの。

 ラッセルはお手紙マニアで、書簡集が面白い。最近はないんですね。

 あと⇒若きバートランド・ラッセルが自殺を思いとどまった理由 - finalventの日記

 

 ほいで。

 10代の内に背伸びして哲学本なんか読むことはないですよ。昔はそういう時代だった。

 実際の哲学というのは、数学の一種みたいなもので、方法論と一種の定理みたいのが決まっていて、なんというか、人生の謎を解くとか社会や世界はどうあるべきかという答えに向き合おうとすると、その前でばったり疲れますよ。

 哲学なんかどうでもいいから、自分がなんでこんな浮世離れした問いに駆られているかに向き合うべき。

 なんでまずこれ

cover
音を視る、時を聴く哲学講義 (ちくま学芸文庫): 大森 荘蔵, 坂本 龍一

 

追記

 ⇒はてなブックマーク - 10代でそんなに読むことはないよ - finalventの日記

chilican ソシュールについて、「人文の頭の人が読むから世の中おかしなことになる」とか言ってる時点でこの人の底が知れる。 2010/09/295 clicks

 ほぉ。

 ではこのくらいはわかりますよね⇒Paradigmatic Vs Syntagmatic Relationship from Routledge Dictionary of Language and Linguistics | BookRags.com

 

追記

uchuu_yarou *review, *books 大変な読書量!理解の深さも伝わってくる。それだけに追記が知的恫喝のようで残念だ。 2010/10/03

 いや、ここがわかると、一般言語学が工学に近いというのがわかるので、もし関心があったら、ちょっと説明しようかなと思っていた。

 おの構造がわかると、ソーシュールはパロールとする意味論(彼の意味論は機能論なんだけど)の手前の、いえば述語論理的なセマンティクスの関係が問えるようになり、そこで初めて、チョムスキーがD構造を言い出した理由がわかるようになる、と。

egpehcbdegpehcbd 2010/09/29 17:01 このリスト自体はまあ普通にネタでしょうけど(なんでラッセルが『西洋哲学史』なのよ)。
この中では真面目に読んだ部類の『純粋理性批判』に関しては、色々と感心しましたが(時折はさまれる数学や物理に関する話は特に)、まず文章がひどいので通読するのは結構しんどかったです。
というか原点になるであろうギリシア哲学が読み込めてないと、現代的なのを読んでも無意味なんだろうなと思います。

lasmalllasmall 2010/09/29 18:25 ヘンリー・ペトロスキーの著作は、読んでて良かったかな。面白いし。というか、何でこの手の話題って哲学系の本ばかり上がるのかが、よく分からないです。これなら児童文学(って言葉嫌いだけど)を読み漁る方が、ずっと得るものも多いと思うので。

finalventfinalvent 2010/09/29 21:27 egpehcbdさんへ。ええ、そして、ギリシア哲学にはなんかコアの感性があるみたいなんですよね。

finalventfinalvent 2010/09/29 21:28 lasmallさんへ。ええ、その年代の心に響く本を読めばよいのにと思いますね。

eternalwindeternalwind 2010/09/29 23:17 完全否定されて、いまや古典としての価値すら失われた物も入ってるし
体系的でもなんでもないし、そもそも現代社会のイシューと向き合って
ピックアップされてない。全共闘バカが理解してないくせに知的虚栄心丸出しにして作ったようなリストですな。
一言で言うと、「絓秀実風リスト」(渡部直己でもよい)w
2010年にもなって、こんなリストをいまさら見かけることになるとはね。
団塊ジジイに洗脳されたかわいそうな若人が作ったのか?
ちなみに、現実社会を理解する上でためになる本というのは、
実はそういう似非インテリがバカにするような本。
エーリッヒ・フロム「自由からの逃走」
アラン・プルーム「アメリカンマインドの終焉」
あたりを挙げときますかね。この二冊は、日本の左翼似非インテリが散々に馬鹿にしてましたが、この二冊を読んでおけば、今のアメリカで、ティーパーティ騒ぎを起こしてるような、アメリカ中年保守親父の心境が一発でわかるでしょう。www
一方、「絓秀実風リスト」に挙げられてる本を何度読み返しても、10代が現実を理解するうえでなんら、有効に働くことはないでしょうな。
「絓秀実風リスト」は、もう少し社会全体を理解してから読むべき本のリストだね。
まあ、1/3ぐらいは一生読まなくてもいい本が載ってますがね。

faye2071faye2071 2010/09/29 23:58 私が、勝手にセレクトした「これ読んでれば、古典に関して知ったかぶりする引きこもりになれる7冊の本」

久野収・鶴見俊輔「現代日本の思想」
イザヤ・ベンダサン「日本人とユダヤ人」
中村真一郎「文章読本」
室生犀星「我が愛する詩人の伝記」
蓮實重彦「映像の詩学」・・・これで5冊。ふう。こんなとこ?あと、
橋本治「親子の世紀末人生相談 」
麻生香太郎・赤星たみこ「世紀末男女コレクション」ちょっと古いけど、これでmyベスト7ですわ。

charlestonbluecharlestonblue 2010/09/30 09:13 読んだ本が無い。orz 大学卒業までに読んだ本、実家に置いといたら捨てられたから何読んだか忘れてしまった。たいした本は読んでないと思う。覚えているのは、
・大岡昇平 「俘虜記」
・岩波 「物理学はいかに創られたか」
かな。

finalventfinalvent 2010/09/30 09:32 eternalwindさんへ。ええ、あのリストみて、ああ、俺の世代とか思いましたよ。古い。アラン・プルーム「アメリカンマインドの終焉」はなるほどですね。というか、時代は巡るの感もあり。

finalventfinalvent 2010/09/30 09:33 faye2071さんへ。これまた面白いセレクト。

finalventfinalvent 2010/09/30 09:34 charlestonblueさんへ。これも懐かしいなあ。そういうえばネルーの語る世界史とか昔は岩波新書でしたね。

hakuta2hakuta2 2010/09/30 12:27 >私のこの本の評価は、くだらね。
wwwウケた

お気に入りに追加させて頂きます。

finalventfinalvent 2010/09/30 14:07 hakuta2さんへ。洒落なんだけどね。もうちょっというと、これはゲイの本だと思うんだよね。

webpgwebpg 2010/09/30 15:10 このリストって2chのコピペでしょw
ネタにマジレス乙w

finalventfinalvent 2010/09/30 15:14 webpgさんへ。わざわざコメント欄に来られて、ねぎらいの言葉までいただけるなんて、ありがとう。

teandtteandt 2010/10/02 00:34 もっと日本人の本も読もうぜ!ってリストだな・・・

finalventfinalvent 2010/10/02 09:20 teandtさんへ。亀井勝一郎の『大和古寺風物誌』とかね。

illuminationsilluminations 2012/10/06 05:27 追記のところでリンク張られているものとそれに続く「その構造がわかると〜」の部分を理解したいんですけど、どういう手順で学べばいいですか?
まずは、この前教えて貰ったlogic in linguisticsをまずはおさえればいいんですかね。

illuminationsilluminations 2012/11/23 12:34 パンセの注釈書
最近は良いのがないとあるが、昔はなにかあったの?
どんなの読んでたの?

finalventfinalvent 2012/11/23 12:44 illuminationsさんへ。上手に答えられない問いもあるけど、パンセについては、当時、講談社文庫から上質なものがありました。

illuminationsilluminations 2012/11/23 13:26 ありがとうございます。

illuminationsilluminations 2012/11/23 19:52 このコメント誰か見てみたのかな。
コメント頂いてから目をつけていたアマゾンのコレクター商品がいま見たら売れてた。

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