朝日新聞社説 復興関連人事―被災者を忘れてないか : asahi.com(朝日新聞社):社説

 なんか面白かった。こういうお笑い路線もよいのかもしれない。

 いったん辞意を表明した首相にすれば、求心力回復のきっかけにしたい人事だったろうが、その効果は期待できない。
 その象徴が、国民新党亀井静香代表への副総理での入閣打診と、復興対策本部員となる総務大臣政務官への浜田和幸自民党参院議員の一本釣りだ。党幹部と十分なすりあわせはなく、首相の独走に近かったという。
 党執行部からも8月末までの退陣を迫られている首相には、続投を後押ししてくれる亀井氏が、最後の頼りなのだろう。与党が過半数割れしている参院での自民党の切り崩し工作も、亀井氏の助言によるものだった。
 だが、その結果の人事で、首相は民主党執行部との隙間を広げ、協力を仰ぐべき野党第1党自民党の反発も招いた。
 首相はきのうの記者会見で初めて、退陣の条件としていた「一定のめど」について、第2次補正予算、特例公債法、再生可能エネルギー特別措置法の成立を挙げた。けれども、この人事が与野党の協調をかえって難しくし、この3条件の達成も遠のけたのは明らかだ。
 首相が真剣に被災者の身の上を案じているなら、こんな対応ができただろうか。
 ここに及んでさらに孤立していく首相に、震災復興への展望は開けそうにない。