火曜日、23日

 不定型な思いに駆られる。
 『色彩を持たない多崎つくる……』の三度目の読みを終えた。少しツイートもしたが、アオレイプ犯説のほかに、つくるレイプ犯説も成立する揺れはあるようだった。つまり、この小説は初期作品のように解けるタイプのパズルではなさそうだ。
 シロがつくるを愛していないということと、にも関わらず「嫉妬」は大きな要素になるし、つまるところ、これは悪霊やリトルピープルなどの相に還元しないと解けないようでもある。
 cakesの『風の歌を聴け』論は、今日で終わり。
 新しい「古典」を読む cakes 村上春樹の読み方『風の歌を聴け』(finalvent) 前編 https://cakes.mu/r/N2Fe、中編 https://cakes.mu/r/o2Fe、後編 https://cakes.mu/r/C2Fe 
 この作品でも構造解析を専攻させた。次作の『1973年のピンボール』もそうした。そのため、いわゆる文芸批評的な読みではなくなってしまっている。