peridots “Echoes & Walls 2012”@ザ・フェニックスホール(7/5)
フェニックスホールってどこやねん!
大阪市内の地上を歩くのが苦手なわたしは、ドキドキしながら地図を片手に雨の中歩いた。
神戸みたいに山が見えないから、方角がわからなくなる。
それでも無事着いたが、梅田新道の交差点でどっちに渡ったらいいか一瞬迷った。
想像していたよりもデカいビルの中にあるホール。
ホール1階がビルの3階に、2階がビルの4階にある。
中に入ったら意外とこじんまりしていて、1階の椅子のところにも椅子2〜3列ずつおきに段があってステージが見やすそう。
ピアノコンサートや室内楽のコンサートにちょうどいいのではなかろうか。天井も高くて気持ちよく音が響きそう。
後ろの席の女性が、「ステージのうしろ、窓になってるんやけど今日は閉まってる」と連れの方に話をされていた。
へー、あの後ろ、窓なんや。今は木の扉のようなものが窓を隠して壁になっている。
5月に行われたアコースティックの全国ツアー“Echoes & Walls 2012 - Alone -”には結局行けなかった。
神戸でもあったのに!
この日のチケットは3月の心斎橋JANUSであったライブのときに買ったもの。
ほんとに買っといてよかったわー。前から3列目の中央に近い席。
(以下ネタバレあり)
タカハシさんはいつものように白シャツに黒い細ネクタイ、黒のパンツで登場。
両手を上げて「いえ〜い!」って(笑)
髪の毛パーマがかかっていてふわふわだった。
ステージ真ん中にスタンドマイクが立てられ、後ろにピアノとギター&ベースが置かれている。
前半はタカハシさんの弾き語り。<セットリスト>
01.夜のページ
02.海と塵
03."shoulder"
04.Head to Toe
05.Noting is Coming
06.鳥
07.急に石が飛んできて/Rhapsody Falls/罪
08.Life
09.smile
10.労働
11.Raining,raining
12.eyes
13.リアカー
14.I Want To Be Toby
15.Follow the Stars(In Your Heart)
16.ライフワーク
En.
1.Tokyo to Tokyo
2.Teenagers
3.メトロ
夜のページから始まると思っていなかったので、「おっ?」となった。
声がよく響いて心地よい。
4曲やってMC。
「こんばんは。peridotsです。どうしたんですか、かしこまっちゃって(笑)
Echoes & Walls Aloneと題して、5月にいろいろな場所をまわってきましたが、Aloneが取れただけで、この落差(笑)
(後ろのピアノやギターを見て)今日は楽しいライブになりますよ!」
鳥、を聴くのはかなり久しぶり。
Lifeで出だしをミスして固まるタカハシさん。こらえきれずに吹き出す客。
「どう言い訳しようかと・・・ケアレスミスです!」(笑)
のたうち回って
這いつくばって
悪あがきの果てに終わっていくのが人生
この歌詞に毎回ぎくっとする。
美しいメロディと美しい声に、ごまかされそうになるけど歌詞はとてもリアル。
「曲ができたときに、あと何曲、曲が作れるのだろうと。
たくさん作るのがえらいってわけじゃないけど、すべての曲を大切に作っているけど、
次にやるような曲ができたときに、いいライブをやったあとに、
終わりを考えてしまう・・・(笑顔になって)そんな僕は暗いんでしょうか?」
タカハシさんと目が合って、微笑み返すしかなかった。
その曲はsmile。
2年前の6月、梅田AKASOでのライブで初めてこの曲を聴き、泣いてしまったことを思い出す。
死にたくて死ねなかった人の歌が
生きたくても生きられない人の心を打った
つたない手紙のように
ライブができない間はひたすらYou Tubeで作った曲をアップしていたタカハシさん。
いい曲ができたときに終わりを考えてしまうなんて思いもよらなかった。
あとどのくらい曲をつくることができるのだろう、と考えるより、いつかは終わりが来るのだから今できることを大切にしよう、と思うほうがいい気がするよ。
次の労働ではイントロの部分もうまくいって、会場中がほっとしたのがわかった(←弾き語りの時にイントロでよくトチる曲 笑)
Raining,raining。何度聴いてもゾクゾクする曲。
もしほかの国に生まれてたら
何を夢見た?
もしほかの国に生まれてたら
何を信じて戦った?
このあと、ピアニストの河野圭さんを呼んで、タカハシさんはギターをハンドマイクに持ち替えてeyes。
タカハシさんの声に鳥肌が立つ。
「もう一人、皆さんの大好きな人を呼びます。光太郎さーん」
光太郎さん登場し、3人でリアカーを。
この曲で毎回泣いてしまうんだけど、この日のリアカーは、3人での演奏のせいかとても力強くて。
夜が明けてく どこかで 目覚ましが鳴る
命がざわついている リアカーは空っぽで
100年経ったら またここで笑って会おうよ
諦めきれないから ずっと続いて行く
僕はそう思う 僕はそう思う
君はどう思う?
僕はそう思う
「100年経ったら またここで笑って会おうよ」で笑いながらやっぱり泣いてしまった。
メンバー紹介。
タカハシさんが今井美樹さんを真似た?長いメンバー紹介をやっている間、後ろで光太郎さんがタカハシさんの手振りを真似て、それをまた河野さんが真似て、めっちゃ笑ってしまったけど、実はシビアなメンバー紹介だった。
「河野さんと会ったのは、実は光太郎さんより早いです(笑)三日くらいだけど。
河野圭さんの名前を聴いて、誰?と思っている人はperidotsファンとしてまだまだです(笑)
河野さんは、一番最初に出したミニアルバム『PERIDOTS』の、ショルダーとライフワークのプロデューサーです。
ピアノも弾いてもらってます。プロデューサーだけど、いろいろ大変なことがあったんだよね、途中で現れなくなっちゃって・・・
(客のほうに手を差し出して)オトナの事情ってやつ。コドモにはわからないの。」(笑)
笑うとこ?じゃなかったかもしれないけど、今こうして河野さんがステージにおられるのだから笑っていいよね、きっと。
そして今日(ピアノが)村田さんじゃないのは「村田さんに飽きたわけじゃないよ、いろいろ試してみようと思って」(笑)
村田さんの結婚式の司会をしていたのは河野さん、河野さんの結婚式の司会をしていたのは光太郎さん、だそうで。仲いいのね(笑)
「光太郎さんは物真似が上手くて、僕がいつか世の中に出してほしいと思っているのは、志村けんの真似でのプリンスのパープルレイン!」(笑)
光太郎さんに視線が集中。やってくれるの?
光太郎「やりませんからね!!」
タカハシ「そういう場じゃないから(笑)いつかYouTubeとかにあげてくれると思います。」(笑)
本編ラストはライフワーク。
ライフワーク!
これは泣いてもしかたないでしょう。河野さんのピアノだし。
2006年7月7日のシャングリラでのワンマンを思い出した。
アンコール。
光太郎さんとふたりでTokyo to Tokyo。
一人きりになるには
更に深い穴を掘らなくちゃ
「トカゲが現れて 時計を隠しちゃうから」の歌詞と穴から不思議の国のアリスを連想し、トカゲもいたっけ?と毎回思ってしまうのは内緒だ。
Teenagersの前に突然タカハシさんが手拍子を始めて、わたしたちも一緒に手拍子を始めたら光太郎さんが、
「日本人の、手拍手がだんだん早くなっていくのが嫌い!!」と不機嫌に(笑)
光太郎「笑っていいとも見てて、手拍手が早くなるのを聞くとイーッ!!ってなる。なんでリズムキープできないんだ!」
タカハシ「厳しいなー」(笑)
光太郎「手拍子にもグルーブを!」(爆)
そして、
光太郎「手拍子はイントロとサビだけ!Aメロはなしでね!」(笑)
見事、Teenagersを光太郎さんの指示どおりにやりきりました(笑)
最後に河野さんも再登場。
タカハシ「一番楽しいところですけど、次で終わりです。楽しいところで突き放す!谷に突き落とす!そこからよじ登ってきた人だけが真のperidotsファンです。」(笑)
光太郎「今日、MC変だよ?」(爆)
変、変(笑)
タカハシ「変なんですよ。」(笑)
メトロ。
電車に乗って
あなたの言う駅で降りるから
夜が来て目を閉じるまで
星座には学ばないで
というあたりからステージ後ろにあった木の壁が、幕のようにゆっくり上昇していく。
そのあとに現れたのは高いビル群、その窓から漏れる明かり、雨上がりの暮れた空。
後ろは窓で、ってライブ前に言ってた人がいたけど、全面窓とは思わなかった。
雨上がり、ビルからの明かりがとてもきれいで、歌っているタカハシさんを暖かく包んで、言葉もないくらい美しくて・・・
こんな・・・姑息な演出で泣かされるなんて・・・と思いながら号泣。
6年前に観た、セカンドラインでのライブを思い出した。
高架下にあるライブハウスで、アコースティックライブに電車の轟音は邪魔になるだろうと思っていたら、それもまた演出のようにもの哀しく響いて。
ああ、このひとは、電車の音まで音楽にしてしまうんだ、と思った。
この日もまた、無機質なはずのビルの窓から見える明かりが音楽だった。
タカハシさん、どんな魔法を使ったの?
曲が終わってからも涙が止まらず、気づいたら一旦ステージを降りたタカハシさんが、鳴りやまない拍手にもう一度ステージに戻っていた。
「挨拶だけ」
「9時半完全撤収なんです。それがルールってもんで(笑)
大阪では、しばらくライブはないかもしれないんですけど」
客“えーっ!”
「わかりませんけど(笑)
曲を作って、録って、出しますので。(大きな拍手ー)
でも、今年の1月に出たばっかりなんですよね。そんなにポンポン出るものでもないでしょう(笑)
今日は平日なのに、雨の中、来てくださって本当にありがとう。大阪、最高です!」
終演。
来てよかったな、ほんとに。
最後のメトロのときの、ステージの美しさは当分忘れられそうもない。
真のperidotsファンであるために、何度でも這い上がりましょう。